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2016年12月20日 大下由佳

大学生が山・海・自然を大満喫! 「南房総感動体験ツアー」レポート

千葉県房総半島の最南端、暖かい気候と豊かな資源をもつ南房総市。その南房総市の魅力を若い人に伝えよう!との考えから企画された「南房総感動体験ツアー ~都会の田舎を堪能する~」は、大学生を対象に、南房総市の山と海を体感し、南房総市のファンになってもらうため、たくさんのアクティビティが用意されていました!盛りだくさんなツアーの様子をご紹介いたします!

☆DAY1 南房総の「山と農業」を堪能する☆

10:30 雲一つない快晴で、とっても暖かかったこの日。高速バスやレンタカーを利用して、学生が南房総市の玄関口でもある道の駅、「ハイウェイオアシス富楽里(ふらり)」に集合。

今回の参加者は埼玉や千葉などの関東圏のほか、なんと山形からはるばるやってきた建築学科の学生も!始めに、ツアー主催者の永森さんから挨拶がありました。

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▲ツアー主催者の永森さん

これまで南房総市が行ってきた様々な取り組みでも、「移住」を大々的にテーマにしてしまうと、若い人にはハードルが高く、なかなか広く認知されないという現状があったとのこと。永森さんは、今回のツアーでは「若い人に南房総市の魅力を知ってもらおう」ということをテーマにし、南房総市の魅力が伝わるアクティビティで大いに楽しみながら、実際に移住した人のお話を聞くことで、近い将来「移住」することを考えてもらえたら、そんな思いでこのツアーが企画されたことを語っていただきました。

 

近藤牧場の絶品牛乳に感動!

集合場所でのあいさつもそこそこに、出発前に「ハイウェイオアシス富楽里」に出店もされている「近藤牧場」の近藤さんから美味しい牛乳をいただけることに。到着したばかりで喉が渇いていた学生たちは大喜び。濃厚なのにサラッと飲みやすいこの牛乳は、「ノンホモ製法」という製法で作られており、風味豊かでとても美味しかったです!

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ひとしきり牛乳の味を堪能した後、バスに乗り込んで「近藤牧場」にいる牛と加工場を見学しにいきます。

ホルスタイン、ジャージーをはじめ、ガンジーやブラウンスイスといったあまり聞きなれない品種の乳までミックスしているため、深みのある味わいが生み出せるのだそう。初めて見る品種の牛に、学生たちも興味津々……。

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見学では、木造の牛舎に関心をもつ学生、定時になると自ら搾乳にやってくる牛の習慣に驚く学生など、さまざまなリアクションが見られました。

 

農家レストランで有機野菜に感動!

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お昼ご飯は、築300年の歴史を持つ百姓屋敷を改装したレストラン、「百姓屋敷じろえむ」にて「じろえむおまかせ御膳」をいただきました!漬物になっている野菜やお米、みそに至るまで、調味料以外のすべての食材はじろえむにて育て、作られているものです。

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メインは「じろえむ」さん自慢の卵で作られたトロトロの卵焼き!少し甘めで半熟の卵焼きはほっぺが落ちるほどの絶品です。釜焚きのお米はおこげまで堪能でき、もちもちカリカリで香ばしいおこげにも舌鼓を打ちました。

IMG_1650▲釜焚きだからこそできるもちもちカリカリのおこげ!

風情のある古い家屋で優しい味の昼食をいただき、学生の緊張も少し和らいだよう。やっぱりおなじ釜の飯を食べると、人間仲良くなるものなのです。

 

カラフルなイタリア野菜の収穫で感動!

お腹いっぱいになった後は「田倉ファーム」で西洋野菜(イタリア野菜)について学びました。田倉ファームでは、年間100品目以上もの西洋野菜を栽培しており、今回はそのうちの数種類をお見せいただきました!

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プンタレッラ、カステルフランコ、キオッジャ……。不思議な名前に色鮮やかな見た目。イタリアで栽培、食されている野菜を見るのはもちろん初めて。ひとつひとつ収穫されるたびに学生たちから歓声が上がります。

ファームを経営する田倉さんは東京からの移住者。なぜ南房総市を移住先に選んだのか、暮らし方はどのようなものか、どんなことを考えて生活しているのかなど、丁寧に教えてくださいました。今後、田倉さんはファーム経営を効率化していくと同時に、土づくりも徹底して行いたいとのこと。学生もまっすぐに夢を語る田倉さんに大きな影響を受けたようです。

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お話を聞いた後は収穫を体験させていただきました!収穫したのはフィノッキオという野菜。葉っぱの部分は「フェンネル」と呼ばれ、日本でもハーブとして知られているため、他のイタリア野菜よりも少し馴染みがあります。

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夕食ではバーニャカウダにしていただけるということで、楽しみにしつつ次のアクティビティへ。

 

遊休施設を活用したいちご生産をみて感動!

さて、今度は外房方面(東側)まで足をのばし、いちごの卸・販売業をしている「株式会社DIGLEE」へと向かいます。「DIGLEE」の代表を務め、移住者でもある寺川さんにお話を伺いました。寺川さんは、地域にある手がつかなくなったビニールハウスを安く手に入れて再活用し、そこで浮いた資金をいちご栽培に充てるのだそう。寺川さんの経営術を熱心に聞く学生たち。就活前の学生もいたため、勉強になったという声も。

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イノシシBBQで山の幸に感動!

夕方になり、一行は宿泊施設「自然の宿 くすの木」に到着。廃校となった小学校をリノベーションした宿で、施設内はとっても綺麗で快適!部屋の名前も「一学年」「二学年」といったように学校のようになっていて、遊び心にときめきます。

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さて、そんな「くすの木」にて1日目の締めくくり。南房総市で獲れたイノシシ肉を4kgもご用意いただいて、盛大にイノシシBBQに!学生が一番楽しみにしていたアクティビティの一つです。

南房総市では近年イノシシによる作物への被害が増大。昨年の捕獲頭数も4,000頭と、その被害の大きさがうかがえます。今回はそんな南房総市の事情も勉強しつつ、イノシシ肉を大事にいただきます。少し噛みごたえはありましたが、臭みは一切なく、すぐになくなってしまうほど。

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さらに、昼間にお世話になった「田倉ファーム」の田倉さんもBBQに参加。収穫したイタリア野菜を使った素敵なバーニャカウダを作っていただきました!にんにくの効いたソースが野菜に絡んで、美味しかったです!

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田倉さんのほかにも南房総市で活躍する方々に大勢参加していただき、学生も交流を深めていました。南房総市に住む方々の温かさに触れられた、素敵な一日でした。 美味しいものをたくさん食べ、楽しい話をたくさんした後はぐっすり就寝。翌日に備えます!

 

☆DAY2 南房総の「海と自然」を堪能する☆

千倉のハーブに癒されて感動!

一晩お世話になった「自然の宿 くすの木」に別れを告げて、一行は「ハーブちくら 海辺のハーブガーデン」に向かいます。海から近いこのハーブ園は豊かな土壌と暖かい気候に恵まれており、様々なハーブが伸び伸びと育っています。「仕事をしながらのんびりと農業ができるような環境を求めてやってきました」という、佐々木さんも移住者。ハーブの名前や用途を教えていただきながら収穫をしていきます。

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食用としても用いられる「ホーリーバジル」、甘みをもつ「ステビア」など、新しい知識を身につけつつ、いい匂いに癒されます。学生も、時間を忘れて好きなハーブを摘んでいきます。美味しいハーブティーもご馳走になり、学生一同ハーブの魅力にどっぷりハマりました!

 

海が見える森を歩き、房総の自然に感動!

ハーブを収穫した後は、館山市を通過しつつ内房方面へ大移動。次のアクティビティは「大房岬(たいぶさみさき)」の公園で森林セラピー体験です!

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この日は雨が心配されていましたが、なんとか天気は崩れず、公園の展望デッキに上って海を望みます。晴れていれば富士山も見えるそう!

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「大房岬」は、かつての第二次世界大戦で火薬を保存したり、大砲を打つための場所として使用された過去も。そんな戦争遺跡も見学し、豊かな自然のなかに重々しく佇む遺跡にしばし黙って思いを巡らせます。

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そのあとは森の中につるしたハンモックでゆらゆら。学生一同、ハンモック初体験だったため、ぼーっと空を見たり、もぞもぞと動いてみたりと、不思議な感覚を存分に味わったようでした。

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お昼ご飯は、海を見ながら「海の食処 なむら」のいわしの漬け丼を堪能!加工の難しいいわしですが、「なむら」は数々の賞を受賞するほどの実力を持ったお店。骨が引っかかることもなく、臭みも感じることのない絶品いわし丼で、学生の箸も止まりません!

 

定置網漁見学で漁船に乗って感動!

美味しい海の幸を堪能した後は、公園のすぐ下にある港に行き、定置網漁について勉強です。南房総市では定置網漁が盛んで、市内にある多くの飲食店で、定置網で獲れた新鮮な魚を食べることができます。今回はなんと、漁船に乗せていただくことに!

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さっきまで上から見降ろしていた海の上に自分たちがいることに、不思議な気分になります。大自然を体で感じた2日目でした。

 

最後に感動を共有!

すべてのアクティビティが終了し、濃密な1泊2日を、みんなで振り返ります。 山形から参加した学生の皆さんからは「南房総市でどんなことができるのか楽しみにしていましたが、どのアクティビティも本当に面白かったです。時間をかけて来てよかったと思いました。」
「南房総市に移住して活躍されている方が、どのようにその土地や資源を活かしているのかが勉強できたので、山形に帰って学んだことを活かしたいです。」という感想が。

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また、埼玉や千葉から参加した学生からは「観光や遊びで行っただけでは絶対に聞けないような人の話を聞くことができ、貴重な体験になりました。」「就活を目前に控え、目先のことしか考えられていませんでしたが、移住された方のお話を聞く中で様々な暮らし方を知り、視野を広げることができました。」と話がありました。

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南房総市は都心から車で約90分という好立地であるにもかかわらず、豊富な自然や資源を持つ土地です。自然に囲まれた環境で仕事をして、暮らすことができるこの素晴らしい土地のことを、今回のツアーで知ることができました。
近い将来に南房総市へ移住をして、地域を活気づけていく人が増えていけば、さらに南房総市は素敵なところになると感じます。若い世代の吸収力と発信力で、南房総市をもっと豊かにしていきたいなと思いました!2日間、最高に充実した日を送れました。また南房総市に足を運びたいと思います!

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【ツアー訪問先情報】

 

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大下由佳

大下由佳明治大学情報コミュニケーション学部 在学生 小中高と京都府で育ち、大学進学と同時に上京。2年次ゼミで南房総市とそこに住む人々に出会い、南房総市のファンになりました。 大学では地域発展とメディアについて勉強中。将来は都会を離れた生活をしつつ、地域発展に貢献したいなと思っています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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