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2016年8月15日 ココロココ編集部

『南房総から「働く」をデザインする~2拠点ワークからパラレルキャリア』イベントレポート

2016年8月4日(木)、東京・新宿の「HAPON新宿」で、千葉県南房総市が主催するイベント『南房総から「働く」をデザインする~2拠点ワークからパラレルキャリア』が開催されました。

副業、サテライトオフィス、テレワーク、2拠点ワークなど多様な働き方がある今日。今年度、南房総市はココロココ編集部と連携し「働く」ことをテーマにしたプロジェクトを立ち上げます。今回はそのキックオフイベントとして、南房総ならではの様々な働き方やプロジェクトが紹介されました。その内容をお伝えします!

南房総の食材を使用したお弁当つき

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平日の夜に開催されたため、本イベントはお弁当をいただきながら進行されました。お弁当は、今回のゲスト、南房総市で有機農業を営む大山宏子さんが作ったナスや空芯菜をはじめ、南房総の食材を使用したもの。その鮮やかな見た目に、携帯で写真を撮っていらっしゃる方が多くいらっしゃいました。

今回の参加者は30名ほどで、働き方をテーマにしたイベントとあり、男性の割合が多かったです。すでに個人事業主として働いていらっしゃる方が10人ほども居て、働く拠点として南房総市が注目を浴びていることが伺えました。

南房総市のいいところや取り組みを紹介

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まずは、南房総市商工観光部商工課の内藤一浩さんや真田英明さんが、南房総市について紹介してくれました。東京からバスで片道90分ほど、真田さんが「自然のコンパクトシティ」と例える南房総市は、山と海が近く温暖で、観光が盛んな街です。しかしここ数年で人口の減少が著しいことから、移住の促進に力を入れてきました。全国の自治体に先駆けて光ファイバー網市内全域に整備したり、クラウドソーシングによるしごとづくりを行ったりするなど、起業家や個人向けの支援を次々と打ち出しているのが南房総市の魅力です。

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また、千葉県商工労働部企業立地課の都祭一彦さんからは、千葉県が外房をメインに30市町ほどで自然豊かな地域を活性化するために新たな事業を計画していて、県内の空き公共施設等を活用した企業誘致フォーラムを10月10日(月・祝)に開催されることが紹介されました。

大地に根付いた暮らしを南房総市で

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ゲストスピーチ、まずは、今回振舞われたお弁当に食材を提供してくれた南房総市在住の大山宏子さん。オーガニックファーム「びろえむ」として、化学合成農薬や化学肥料を使わずに野菜と米の栽培をしています。埼玉県出身で東京の花屋で9年間仕事をしていた大山さんは「これからの人生、土の上で暮らしたい」と、農業研修を受けた後に縁があった南房総市に3年前に移住してきました。

「みんなが集まるところを作りたかった」と、現在の住まいである築70年の古民家を活用して、Airbnbやイベントを行うほか、南房総市で新規就業した若手農家チーム「南房総オーガニック」でマルシェイベントなど活動しています。

地元の埼玉より、南房総市が気に入っていると話す大山さん。「南房総市は今、移住者が多いので仲間ができますし、私の家もいつでもウェルカムなので南房総市に来てください」と、皆さんに南房総市をアピールしていました。

フク業は新結合

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続いては「複業家」という肩書きを持つ中村龍太さん。サイボウズ株式会社と株式会社ダンクソフト、NKアグリ株式会社の3社を兼業していて、その働き方がNHKで特集されたこともあります。

どの仕事も大切なので「副業」ではなく「複業」だと話す中村さん。NKアグリ株式会社で農業をやっていたおかげでニンジンの収穫するシステムをサイボウズ株式会社で開発できたなど、「複業」が相乗効果を生み出しています。

中村さんは「自分ができることとやるべきことが重なっていることが大切でお金になる。さらに自分がやりたいことが重なるとハッピーになる」と言います。報酬の有無に関わらず、やりたいことを延長させると楽しくできるというのが、「複業」をしてきた3年間の実感だそうです。

ムービーに凝っていて、本イベントでも撮影をしていた中村さん。趣味で撮った地方の動画をアップしていたところ、ドローンの撮影の仕事が舞い込んできたという実体験も話してくれました。

最後に、パラレルキャリア形成の極意として

①やりたいこと探し:出かける・触れる・楽しむ
②できること試し:やる・残す・広げる
③やるべきことをこなし資本増やし:人的・社会・金融
の三カ条を教えてくれました。

地域おこしの前にまず「自分おこし」

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3人目は一般社団法人村楽・理事で地域再生プロデューサーの東大史さん。徳島県三好市にある「ハレとケデザイン舎」や「村楽ブートキャンプ」の例を通して仕事内容や移住のポイントを伝えてくれました。

「ハレとケデザイン舎」は、廃校を利用して欲しいという自治体からの依頼で始まったプロジェクトで、自然豊かな場所で子育てしたいと考えていたオーナーの植本さんと組み合わせ、どんなビジネスができるかを考えていったそう。その結果、廃校をリノベーションした建物で現地の素材を活用したカフェや宿泊施設、デザインの仕事が営まれています。カフェでは、オーナーの植本さんの妹さんが作るスイーツやお父さんが焙煎した豆と三好の天然水で淹れたコーヒーを味わうことができ、「ハレとケデザイン舎」は地域の拠点として根付いています。東さんは「田舎に行くと活躍できる場がたくさんある」と教えてくれました。

また、岐阜県加子母地域で行われた「村楽ブートキャンプ」では、実際に動いて木の搬出から小屋建設まで上流から下流まで体験することで、地域おこしに必要なノウハウを身につけたそう。

ブートキャンプや地域おこしをする前に、まず大切なのは「自分おこし」だと東さん。自分がどのような価値観の下、どんなライフスタイルを送りたいのかを知ることで、そこに必要な知恵を取り入れることができると言います。

質問タイムとお知らせ

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3名のゲストによる話の後に、質問タイムが設けられました。

起業を意識されている参加者が多かったため、「ハレとケデザイン舎」はどんな出資でやったのかや、それぞれが活躍している地域を教育に利用する予定はないかなど、実践的な質問が飛び交いました。

教育に利用する予定はないかという質問に対しては、「ぜひやっていきたい」と大山さん。また、中村さんは「子どもたちとすでにやっています」と話し、東さんも「三好市にラフティングメッカがあり、川の学校があります。結構いい値段で行われているので、事業として可能性があるんじゃないでしょうか」と地方の魅力を生かすビジネスの作り方を示唆しました。

南房総市で新しい「働き方」を探すプロジェクトが続々登場

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ここで、ココロマチからのお知らせを! ココロマチでは『[地方×都市] 「働く」をクリエイティブする in 南房総』というサイトを立ち上げ、南房総市で開催されるイベントの告知を行っています。

イベント会場の「HAPON」共同創設者・永森昌志さんによる新たなコワーキングスペース『「HAPPON南房総」構想』が動き出しているほか、移住について6年間悩み続けた末、この春に逗子へ移住した遠山ひろしさんと一緒に行うエクストリーム出社『南房総で探す、自分なりのワークスタイル!「房総半島の先っちょを巡る」(仮)』が9月3日(土)に、『ローカルビジネス拠点をつくる「ブートキャンプ」』が9月10日(土)・11日(日)と10月1日(土)の2回開催されます。

ウェブサイトは随時更新予定です。気になるイベントがありましたら、ぜひ参加されてみてください。

考えをより深めるディスカッション&交流タイム

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お知らせの後は、2グループに分かれて、それぞれ15分間ディスカッションする場が設けられました。ブートキャンプについては東さん、エクストリーム出社については遠山さん、中村さん、大山さんのグループで、それぞれどんなことをする予定なのかや、参加者が今後どのようなことをやりたいのかなどが話し合われました。話し始めは漠然としていましたが、話しているうちに南房総市での新しいビジネスの可能性が生まれ、盛り上がっていました。

その後は交流会が行われ、名刺交換をしたり話し足りない方と続きを話したりと思い思いの時間を過ごし、イベントは幕を閉じました。参加者の皆さん、話していくうちにやりたいことが形なってきていたようです。実践の場としてこの秋開催される南房総市のイベントにぜひ参加されてみてください。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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