記事検索
HOME > 移住・交流ノウハウ >
2013年11月19日 ココロココ編集部

移住先での仕事、その選択肢を考えてみる

$title;

【仕事探しのスタイル5】いくつかの仕事を組み合わせてみる

コラム「話題のキーワード、「半農半X」とは?」でもご紹介したが、農業を始めるかたわらで自分の能力を生かせる「X」を組み合わせたライフスタイルを実践している人もいる。ひとつの仕事だけに固執するのではなく、できること、好きなこと、やりたいことを組み合わせて、同時並行的に取り組みことが精神的にも豊かな生活につながることも多いようだ。ひとつの仕事だけでは収入面でも不安が、といった場合はぜひ考えてみたい選択肢だといえる。

●新しく農業を始める一方、ノウハウを生かしてアパレル事業を起業したNさん
アパレル会社経営幹部として多忙な生活を送っていたNさん。夫婦二人とも旅行や自然、野生動物が好きなアウトドア派だった。会社は安心して任せられる状態になったので、30代で退職し、夫婦二人で日本各地の有機栽培農業や伝統工芸を学ぶ旅に。どこに行っても米作りにかける情熱を持つ人々との出会いが二人の目標を「米作り」に変えてくれた。 全くの素人ではなかったものの、農業をはじめることは簡単なことではない。地元の人たちの協力もあおぎながら米作りに励むとともに、培ったノウハウを使ってTシャツの製作販売を地元の人達とともに始めている。

●定年後に移住した村の移住案内人としての活動を始めたSさん
ノンビリと暮らすために定年後、気候のいい房総半島に移住したSさん。畑仕事を始めて自給自足を目指しながら蓄えと年金での生活を考えていたが、地元の人達と交流を深めるうちに、移住促進の活動に参加することに。自分の経験をいかして移住希望者の相談にのる役割を担うように。お金を稼ぐ「仕事」とは呼べないかもしれないが、地域社会に貢献するという意味で立派な「仕事」といえるだろう。

収入は減っても、移住で得られるものがそれ以上に大きい

移住した先輩実例の仕事をみていると、結婚したパートナーがいる場合や子どもがいるファミリーの場合は、それまでの仕事をベースにして新しい場所での収入の確保を考えているケースも多い。家族を養う必要があるわけだから当然といえば当然。収入的な面では都会の暮らしよりも少なくなるケースも多いようだが、金銭面での減少を補うだけのメリットを感じている人も少なくない。

最近ワークライフバランスという言葉がよく聞かれるようになった。この言葉の意味は仕事と生活の調和を図ることであり、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」ことを指すそうだ。まさに移住によって実現できることなのかもしれない。

少子高齢化、過疎化、限界集落など地方が抱える問題はたくさんある。たくさんの収入を得られる仕事は少ないかもしれないが、金銭以外にも得られる価値も多い。「自分で野菜を作って料理ができること」がかけがえのない幸せに感じられれば、移住は大成功なのかもしれない。

ココロココ編集部
記事一覧へ
私が紹介しました

ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

人と風土の
物語を編む

 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

人と風土の物語を編む