星に手が届きそうな夜、真夏の間だけ開館する野外映画館
〜第30回 星空の映画祭レポート〜

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1981年に始まった「星空の映画祭」。原村在住の男性と、茅野市の映画館「新星劇場」のオーナーの2人で始めたこの映画祭は、26年間にわたって原村の夏の風物詩として愛されてきました。しかし、惜しまれつつも2006年に一度、幕を閉じることに。そのことを知って、動き始めたのが地元出身の若者。子どもの頃に親しんできた「星空の映画祭」を、なんとしても復活させたい、と奔走し、2010年、地元有志のスタッフによって再び開催されることになったのです。今回はそんな「星空の映画祭」をご紹介します。

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7月31日〜8月23日の22日間(内2日間は休映)、長野県諏訪郡原村で「星空の映画祭」が開催されました。会場は標高1300mの森の中。野外映画館としては、日本で最も標高の高い場所にあります。まさに星空に手が届きそうな空間で、話題の新作から誰もが知っている名作まで、老若男女で楽しめる映画を上映します。

開場は19時。まだ夕焼けがほんの少し残る空の下で始まります。
会場となる八ヶ岳自然文化園の入り口には「星空の映画祭」を待ちわびる長蛇の列ができていました。
受付では、笑顔のスタッフさんと可愛いてるてる坊主がお出迎えしてくれます。「星空の映画祭」は雨天決行とのことですが、できる限り晴れた星空の下で楽しんでもらいたい、とスタッフさんが手作りしたそうです。料金は、大人1,200円/こども500円。前売り券は大人のみ、1,000円で購入することができます。

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受付を済ませ、会場へ進むと『星空屋台村』が賑わいを見せていました。地元の飲食店が日替わりで出店しており、開演までの時間に、飲み物や食事を購入ことができます。あたたかいスープやビーフストロガノフ、カレー、スイーツにコーヒー、ビールなど、どれも魅力的で迷ってしまいます。

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「星空の映画祭」は、1日1本、日替わりで映画が上映されます。今年上映された作品は『シンデレラ』、『ベイマックス』、『サウンドオブミュージック』、『ルパン三世カリオストロの城』、『はじまりのうた』、『ビリギャル』、『アラヤシキの住人たち』、『春を背負って』、『ライトニング・イン・ア・ボトル』の9作品。話題の新作から、長年愛されてきた名作、知る人ぞ知る傑作・・・子どもから大人まで楽しめるラインナップになっています。

この日の上映作品は『ルパン三世カリオストロの城』。上映前には、登場人物に扮したスタッフさんによる寸劇が!!毎年、上映作品はスタッフミーティングで決定されているそうですが、『ルパン三世カリオストロの城』は、ルパンファンのスタッフさんの熱い希望で上映されることになった作品だそうです。お客の誰よりも、スタッフさんたちが楽しそうな映画祭。見ているこちらまで、うれしくなります。

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すっかり暗くなった会場。真夏といえども、標高1300mの八ヶ岳高原はかなり冷え込みます。常連の方が多いのか、ビニールシートや座布団、防寒着等、しっかりと準備されている方が多い印象を受けます。寝袋や毛布を持ち込んでいる方も。お客の年代は、未就学児からお年寄りまで様々。会期中、何回も来ているという方もいらっしゃいました。

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上映開始は20時。ブーッという上映の合図とともに、会場の電気が落ち、いよいよ映画が上映されます。一瞬のどよめきの後、静まる会場。会場にいるみんなが、わくわくと期待に胸を弾ませているのが伝わってきます。

上映中、聞こえてくる虫や風、木々が擦れる音。エンドロールでふと空を見上げると、満天の星空が。幼い頃「星空の映画祭」を見て育った世代、初めて「星空の映画祭」を体験する子どもたち。色んな世代が想いを馳せる一瞬がこのお祭りにはあります。

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復活から5年、通算30回目の節目となった今年、来場者数は延べ7,366人となりました。地元の若者で構成されていたスタッフも、長野県内外の様々な地域から集まるようになりました。みんな「星空の映画祭」のファンで、少しでも手伝いたい、という気持ちで集まってきたボランティアスタッフだそうです。スタッフの1人は、「毎年映画祭の時期になると、いろんな人に“ありがとう”って言われるんだよ。」とお話していました。地域に根付いて、地域に愛されている「星空の映画祭」。会場全体を包むあたたかな雰囲気は、スタッフと地域の方の、映画祭への愛情から溢れているものなのかもしれません。

(写真提供:星空の映画祭実行委員会)

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及川結

及川結OIKAWA-yui

長野県出身。ライター。
長野県10年→東京都13年→長野県2年目。
八ヶ岳の山麓で、のびのび・わくわくと人生を満喫しています。
八ヶ岳の面白いヒト・コトを紹介していきます。

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