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2017年11月8日 ココロココ編集部

心から満足する移住のために。新潟県妙高市の「空き家情報登録制度」

新潟県南西部、上越地方に位置する妙高市。日本百名山に数えられる妙高山をはじめ、広大な国立公園がひろがる自然豊かな自治体です。市内にはスキー場が点在するほか、7つもの温泉地があつまる「妙高高原温泉郷」など、観光資源も豊富。東洋経済新報社が毎年発表する「住みよさランキング」では4年連続全国18位、新潟県内では1位になるなど、暮らしやすさも充実しています。

妙高市では「空き家情報登録制度」という独自の試みを行っています。リアルタイムで登録された空き家情報の中から、条件にあった住まいを簡単に探せる仕組みです。さらに「オーダーメイド空き家見学ツアー」という事前見学ツアーも実施。移住希望者に寄り添うきめ細やかな紹介を行っています。

その魅力を妙高市の担当者・木浦さん、実際に制度を利用して移住した20代のカップル、Kさんに語っていただきました。

「空き家情報登録制度」とは

木浦笙子さん

妙高市建設課まちづくり係 木浦笙子(このうら しょうこ)さん

木浦:空き家情報登録制度は、空き家を売りたい・貸したい所有者の方と、買いたい・借りたいという希望者の方の双方に登録をしていただきます。その間に市が入り、情報提供、相談窓口、調整役を担当し、マッチングさせていく制度です。

Kさんは、この制度を活用して妙高市に移住されましたが、いかがでしたか?

Kさん:2017年9月にそれまで暮らしていた高知県から移住しました。実家のある東京都からの距離も考え、関東地方や長野県を中心に住宅を探していたのですが、妙高市はアピールポイントがわかりやすくまとめられていて、すごく見やすかったと感じています。まずはアピールポイントを見て自分の考える条件に合う自治体だと感じ、そのあとに条件の合う住宅を探して、という形でしたね。

木浦:Kさんはまだ20代後半とお若いですが、1軒家を購入し、移住を希望されていたのはなぜですか?

Kさん:環境的な理由が大きかったですね。一緒に移住をする婚約者が肌が弱いため、過ごしやすいところに住みたいという思いがありました。以前住んでいた高知県は比較的気温が高いので、肌にはあまりよくなくて。

畳間

一軒家に移住し、趣味も充実

また、荷物がどんどんと増えていくのもあり、一軒家が欲しいなと。趣味で中国の家具を収集しているのですが、どんどんと増えるんです(笑)。移住してから、趣味が以前より充実しました。

決め手は「オーダーメイド空き家見学ツアー」への参加

旧新井町の一戸建て住宅

Kさんが購入した妙高市内新井地域の一戸建て住宅

高知県から妙高市へ移住したKさんたち。移住にあたり、下見をするにも容易ではない距離ですが、決めた際は即決だったといいます。その理由は「オーダーメイド空き家見学ツアー」に参加したことだったといいます。

木浦:オーダーメイド空き家見学ツアーは、移住希望者それぞれの希望に合わせ、候補となる住宅を何件か回っていただくツアーです。住宅はもちろん、事前に見てみたいところをいくつかピックアップし、妙高市の担当者が実際にご案内しています。Kさんは、実際に参加してみていかがだったでしょうか。

Kさん:まず、参加費用が無料なことがとてもありがたかったですね。また、その土地のことを知り尽くした方から丁寧に案内していただけたり、近隣住民の方とも実際にお話しさせていただけたことも良かったです。それによって、実際に移住したときにどんな生活を送るのかイメージがしやすくなりました。

木浦:このツアーでは、実際に地域の方たちと触れ合っていただきたいというのが狙いのひとつでもあるので、とても嬉しいですね。

Kさん:見学中に急に知りたくなることができたら、すぐに対応してもらえることも嬉しかったですね。近くのスーパーや学校、銀行など、実際に住む際に必ず必要になる場所のことを事前に知ることができたのは大きかったです。

また、候補地を回る際に、担当の方から車で案内していただけたのも助かりました。私たちの場合は高知県からの移住でしたので、何度も足を運んでじっくりと見て回る…というわけにもいきません。自分たちだけでは効率よく回ることが難しかったと思います。

不安や聞きにくいことも、先回りして提案してくれる!

木浦笙子さん

空き家見学ツアーに参加し、具体的に調べるうちにすっかり妙高市に惹かれたものの、雪国で暮らしたことのないお二人。気になったのは冬の積雪のことでした。

Kさん:移住するにあたり妙高市のことを事前に調べたところ「特別豪雪地帯」という文字が目に入りまして。正直、大丈夫なのかなと思っていました。どういうところなんだろう!?って(笑)。でも、実際に地域の方とお話しさせていただけたことで、不安は小さくなりました。

木浦:地域の方も「慣れれば全然大丈夫!」って後押ししてくれていましたよね。

Kさん:また、木浦さんをはじめ担当者の方が私たちの不安を払拭するために先回りをして色々と教えてくれたのもありがたかったです。「雪は多いけれど、それによる災害は少ない」など。実際にツアーで足を運んでお話を聞いたことで、意外と冬も暮らしやすそうだなと思いました。また、「ここに雪が降ったら処理はどうするんだろう」ということも、近隣の方に確認を取ってくれたり。

木浦:人によっては「雪が何メートルも積もる豪雪地帯」というイメージがどうしても先行してしまっています。除雪体制がしっかりしているので、思っているより大変ではないですよ、ということをお伝えしています。また、除雪で気になるのが近隣の方との関係です。ご近所付き合いが円滑になるよう、市としても気を配っています。

移住=やっぱり住まいが大事。住宅に詳しい担当者がバックアップ

木浦笙子さん

気になるのが、建設課が移住の窓口になっていること。妙高市では、移住=住宅の確保ととらえ、建設課が担当しています。建設課は空き家情報を管理する部署でもあるので、最新情報をすぐに伝えられるという強みがあります。

新居を決めるのは楽しみであるとともに、不安も大きいもの。住宅に詳しい担当者の方がバックアップしてくれるのは心強いはずです。

木浦: 移住をして新しい生活を始めるにあたっては、必ず住まいのことを考えると思います。新居を選ぶ上で「こんなはずじゃなかった」ということがないようにしてもらいたいと思っています。

移住後のケアも充実

木浦笙子さん

パンフレット、MYOKO通信は木浦さんの手づくり

まちづくり係では、移住者への情報提供も定期的に実施。妙高市の基本情報を網羅した案内パンフレットや、四季ごとに発行する「MYOKO通信」では、イベント情報なども紹介しています。

移住をする際、情報が乏しいことは不安につながりますが、妙高市ではバックアップ体制がとても充実しています。

住環境にこだわり、心から満足する移住がしたい!という方は、一度お話を聞いてみてはいかがでしょうか。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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