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2013年11月19日 ココロココ編集部

あなたにとって移住とは?目的と場所を考える

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「やりたいこと」と「住みたい場所」を 思いつくまま書き出してみる

移住スタイル1から3の中に共感できる移住スタイルはみつかっただろうか?

どれが正解、不正解はもちろんなく、模範解答は存在しない。自分の考え方やライフスタイルに近いケースからヒントがつかめれば大きな進歩だといえるはずだ。

長年暮らして慣れ親しんだ都会を離れることには大きな覚悟も必要。仕事のこと、家族のこと、友人のこと・・・生活すべてを変える、自分の人生を変えるという決心を求められる選択でもある。自分は何を目的に移住をしようと考えているのか?

まずは、「移住の目的」をはっきりとさせることが成功への第一歩だろう。 移住先で出会った人に「ここに移ってきた理由はなに?」と聞かれて、しっかりと答えることができるかどうか? 簡単なようだけど、実は一番大切なこと。ぼんやりとした憧れだけで動き出すと失敗をする可能性も大きい。

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自分の選択を後悔しないためにも、まずは「やりたいこと」&「住みたい場所」を思いつくまま書き出してみることから始めてみよう。書き出すことで、考えが整理され自分が大事に思っていることがはっきりをしてくるはずだ。

最初は「やりたいこと」への思いが強い1だったけど、準備を進めているうちに場所へのこだわりも強くなり、スタイル3に近い移住パターンになった、ということも十分あり得る。つまり、十人十色、百人百色の移住スタイルがあっていいということだ。

話題のキーワード、「半農半X」とは?

移住の目的「やりたいこと」を自分の中で整理しようとした際、複数の「やりたいこと」が浮かびあがって来ることがあるだろう。

そんな時に参考になるのが「半農半X」というキーワード。 自分たちが食べる分の作物を育てる「小さな農業」をベースにしながら、自分が持った才能や能力を社会のために活かす仕事をして一定の生活費を得る暮らし方が「半農半X」。半農半X研究所代表の塩見直紀さんが名づけたこのライフスタイルを実践する人が増えているという。「農業にかかわりたい」「自分が食べるものは自分で作りたい」と考えるならば、大きなヒントになるだろう。
半農半Xブログ:http://www.towanoe.jp/xseed/

誰もが持っている可能性や長所が「X」

塩見さんは半自給自足的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方を「半農半X」と名づけて提唱されている。コメや野菜などのおもだった農作物を育て、安全な食材を手に入れる一方で、個性や能力を活かした仕事に携わることで生活費を得るバランスのとれた生き方。お金や時間におわれない、人間らしさを回復するライフスタイルの追求が、半農半Xの考え方だと言う。

ポイントになるのは「X」の中には社会的な意義を含ませていること。 自分の個性や特技、技術、能力を生かすことで社会、地域コミュニティへの貢献を目指しているのだ。好きなことや、心からやりたいことを実行することで社会の役に立ちながら、それを換金化して生活の糧とするライフスタイルが半農半Xとういうことなのだ。実際の「X」としては介護ヘルパー、デザイナーといった仕事が当てはまる人もいるが、自分にとっての「X」探しの途上にある人もいるそうだ。

「これからの暮らし方や生き方を考えるとき、持続可能性(サステナビリティ)が大きなテーマとなるだろう。持続可能な社会や暮らし方を模索すると「農」は避けられないテーマだ。」

「一人ひとりが「天の意に沿う持続可能な小さな暮らし(農業)をべースに、「天与の才(X)」を世のために活かし、社会的使命を実践し、発信し、まっとうする生き方だ。 小さな暮らしは、たとえどんなに小さな市民農園、べランダ菜園でもいいから食糧を自給していくものであり、消費欲望を「楽しく」抑えたシンプルなものである。」

(出典:塩見直紀 (2012)「半農半Xという生き方 実践編」 半農半Xパブリッシング)

塩見さんは実際に京都府綾部市にUターンして、家族とともに「半農半X」生活を実践されている。綾部市は自治体も積極的に移住を支援しており、「あやべ定住サポート総合窓口」を設けている。NPO法人「里山ねっと・あやべ」も市と共同で田舎物件情報を提供している。NPO法人「里山ねっと・あやべ」は綾部市の持つ「里山力」、「ソフト力」、「人財力」を活かしてオンリーワンのまち育てを目指し設立されたもの。田舎暮らしの窓口として農業体験やセミナーなどもおこなっているので、気になる方はアクセスしてみてほしい。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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