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2016年7月5日 ココロココ編集部

半島のリアルな暮らしを知る!「第1回 半島の先っちょで、移住をさけぶ ~三浦半島・房総半島・伊豆半島~」イベントレポート

2016年6月23日(木)HAPON新宿で「第1回 半島の先っちょで、移住をさけぶ ~三浦半島・房総半島・伊豆半島~」が行われました。今回は実際に半島に移住し、暮らしている人に焦点を当て、ゲストをお招きしました。

三浦半島の先っちょから通勤している荒井さん、房総半島でハーブ栽培に取り組んでいる佐々木さん、伊豆半島で新しいコミュニティを作り出してる飯倉さんをゲストにお招きし、「ホントのところ、半島の暮らしってどうなの?」という問いに、お答えいただきました。あんなことから、こんなことまで。驚きと発見に満ちたイベントに行ってきました!

三浦半島 「たこ足暮らし実践中!」 荒井 恭一 さん

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荒井さんは、東京の企業にお勤めの会社員。それ以外にもご自身で会社を設立されたり、東日本大震災の支援のための活動、サッカーコーチ、そしてPTA会長まで!全部で8つの肩書きを持っています。「平日の5日間より、土日がめっちゃ忙しいんですよ(笑)」とのこと。

荒井さんは、7年前に三浦半島の先っちょにある土地に一目惚れし、購入したことから 半島での暮らしが始まりました。家を建てようと建築家に図面や模型を作ってもらうも、条件が合わず断念。自分たちで家を建てることにしました。
「自分一人で作るのって、つまらないじゃないですか。だから皆で作りたいと考え、セルフビルド改め、コミュニティビルドをしました。」 人の集まる場所を作りたかったという荒井さん。家づくりの参加者に「一緒に作った!」という思いを持ってもらい、またいつでも遊びに来てほしい。荒井さんのお家は、そんな荒井さんの願いが込められています。

半島に暮らしはじめて6年。お子さんは成長し、高校生になりました。お子さんが成長する中で荒井さんが感じたのは「子どもには子どもの理想・価値観がある」ということです。 「私たち大人(親)は、好んで緑が豊かで静かな場所、虫が多い田舎に住んでいます。でも、子どもたちは子どもたちで、理想としている暮らしがある事を忘れないようにしています。」という言葉が印象的でした。

 

房総半島 「移住してよかった。でも悩むこともあります」 佐々木 裕美 さん

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佐々木さんは、房総半島の先っちょで「ハーブちくら海辺のハーブガーデン」を営んでいます。かつて東京の環境系ベンチャー企業で働き、休日は趣味のサーフィンをするために房総半島を訪れていました。温暖な気候で、東京のように人で溢れることがないこの地域に通ううちに好きになっていったといいます。その頃から、お金を稼ぐことが中心の生活に疑問を感じでいたこともあって、都心からもほど近い房総半島への移住を決めました。

「自分の食べる物ぐらいは自分で育てたいと思い、自給自足でやって行こうと農業を始めました。その過程でハーブも育てるようになったことが、ハーブ園をはじめたきっかけです。」房総半島の先っちょの温暖な気候では、ハーブがとて良く育つそうです。

そんな佐々木さんは今、悩みを抱えているとのこと。

「房総半島に移住して来て本当に良かったと思っています。ただ、当初は自分の食べるものを作ろうと始めた『暮らしの一部の農業』でしたが、今では耕作面積も増え、『経済活動としての農業』になってきました。自分が作れない物などを手に入れるにはお金が必要。でも、農業は『暮らしの一部』としてやっていきたいのですが・・・・」

移住したからといって、悩みがなくなるわけではない事を深く実感する佐々木さんの言葉でした。移住を考えるとき、何を1番大切に生活をしたいのかを考えることが重要なのかもしれません。

 

伊豆半島 「地域に入るのに遅すぎることはない」 飯倉 清太さん

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静岡市出身の飯倉さんは24歳の時、生活環境を変えたいと思い、伊豆市へ移住しました。 仕事をするために伊豆に来られた飯倉さんは、ゆとりある生活や地域との関わりを求めて移住したのではないので、最近の移住事情とは違います。

「観光に関する仕事をしていたので、一番大切な日はもちろん、観光客がたくさん来る土曜日・日曜日。でも、草刈りや地域活動など地域の出役も土曜日と日曜日がほとんどでした。仕事で大切な時に、地域の出役に行く事は出来ませんでした。」飯倉さんは伊豆に移住してから13年間、積極的に地域に関わる事はなかったそうです。

その生活が一変したのが、「ゴミ拾い」でした。

「正月三が日からゴミが落ちていたんです。ゴミの写真をブログに載せたら『写真撮ってる暇があったらゴミ拾え』ってコメントが来まして。『確かに!』って思ったんです。その時からボランティアでゴミを拾うようになりました。」仲間や地元の高校生とゴミ拾いを続け、翌年にはNPO法人を設立し、地域と関わるようになりました。

そして、現在は移住に関するプロジェクト「ドットツリープロジェクト」を始めました。「移住を考える際に1番重要なのが仕事。そこで住居とオフィスをセットで貸す事にしました。」ここに入居できるのは同業種一社のみなので、面接を行って入居社を決めるとのこと。「入ってきたメンバーは同じような思考なので、コミュニティがとても築きやすいです。これからの地域との関わり方は、皆と仲良くなろうと考えなくても大丈夫なんです。気の合う仲間たちとのつながりを大切にして行くことが、これからの地域との関わり方なのだと僕は考えます。」

ゴミ拾いから始まった飯倉さんの地域との関わり。地域と関わるためのヒントは、身近な所にあるのかもしれません。

 

半島交流ラウンドテーブル!

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三浦・房総・伊豆半島ゆかりの食材を使ったお料理を参加者全員でいただきました! 今回、おいしいお料理を用意してくださったのは「しまの食堂」の松永さんです。

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「実は、伊豆半島で寒天を作っているそうなんです。」と松永さんから説明があると、会場からは「へぇ〜!」と、驚きの声が聞こえてきました。どのメニューも人気で、あっという間にお料理がなくなってしまいました。

美味しいご飯とお酒を片手に、直接ゲストとお話が出来るラウンドテーブルがスタート!参加者の皆さんが興味を持ったゲストの所へ別れて行きました。

実はもう半島に家を買っちゃった!という参加者さんのお話から、半島で家を探すときの「あるある」トークで盛り上がるテーブル。 経済活動としての農業、暮らしの一部としての農業の狭間で悩む人の話が話題にのぼるテーブル。主に地域との関わり方についての話で盛り上がるテーブルなど、三者三様でした。

 

半島の暮らしを深く掘り下げ、リアルな生活をイメージする

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各半島でカラーの違うトークが繰り広げられた「第1回 半島の先っちょで、移住をさけぶ」。家のこと、子どものこと、移住先での仕事のこと、地域との関わり方のこと。幅広いキーワードが出ていました。

どのキーワードも移住を考えるにあたって、必ず考える事です。参加者の皆さんはヒントを得ることはできなのでしょうか?
「移住」はすぐに答えを見つけることが難しいです。その考える過程で、ヒントやきっかけを得て、自分の「移住」に対する考えを深めていっていただきたいと思います。

 

さぁ!次回は「第2回 半島の先っちょで、移住をさけぶ in三浦半島ツアー」を開催します!次回からは実践編!みんなで先っちょにさけびに行きましょう!
三浦半島が気になる方、第1回のイベントで荒井さんの家を実際に見てみたいと思った方、ちょっと移住が気になるというあなたも!
7月16日(土)は三浦半島の付け根・逗子駅に集合です!

近日中に詳細をお知らせします!乞うご期待!

「第0回 半島の先っちょで、移住をさけぶ イベントレポート」はこちら!

「第1回 半島の先っちょで、移住をさけぶ」についてはこちら!

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ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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