日本一離れた飛び地のまち、北海道沙流郡日高町が面白い

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2006年、(旧)日高町と門別町という隣接していない町の新設合併により日本一遠い飛び地のある町となった北海道沙流郡日高町。95%を森林で占める山と川の地区「日高地区」とサラブレッドの馬産地として知られている海沿いの地区「門別地区」で構成されています。

日高山脈の麓にある「日高地区」は、人口約1,200人のまち。見渡す限りの山がとても近く感じます。日高山脈を源流とする清流に恵まれ、その環境から登山やラフティング、釣り、スキーなど1年を通じてアクティビティを楽しむことができる、アウトドア派にとって遊びの宝庫とも言える地域です。

また、札幌、旭川、帯広のそれぞれの都市に車を使って2時間弱で行くことができるので、日帰りで近郊都市へ買物やレジャーヘ出かけることが可能な立地です。

今回は、日高町「日高地区」に滞在をしながら町内を回って、実際どんな暮らしができる町なのか、紹介していきたいと思います。

仕事の昼休みにはスキー場へ 驚きのコンパクトタウンライフ

札幌市から高速道路を利用して2時間ほどの距離に位置する日高町「日高地区」。占冠インターチェンジを下り、しばらく山道を下っていくと町の中心部の全貌が確認できるほどの小さな範囲に、暮らしに必要なものが小さく集約されているエリアがありました。

町役場、スーパー、銀行、郵便局、コンビニ、公園、保育園、小学校、中学校、飲食店などの生活に必須の場所から、博物館、キャンプ場、スキー場までもが徒歩圏内にあります。

「スキー場まで車で5分なので、冬になると仕事の昼休みは毎日スキー場へ行きスノーボードをしています。」と、都会では考えられないような昼休みの過ごし方をする方も!
「スノーボードをした後は頭がスッキリして仕事がはかどります!」と、都会の常識を覆されるリフレッシュ方法を聞き、想像をはるかに超えたコンパクトタウンライフにワクワクしながら、さらに日高地区の暮らしを覗いてみることにしました。

日高町の食を支える各店舗

日高町で暮らすことを想定しながら町の中を探索してみると様々なことに気付きます。毎日の暮らしに必要なスーパーは町に1軒。コンビニは2軒あるので毎日の暮らしは問題なさそうです。一定期間で買い替えの必要な家電や洋服、本などの「準生活必需品」は車で近くの町まで買物に行く必要があります。現代は「準生活必需品」はインターネットでも購入可能なので、全く問題はなさそうです。

札幌市と帯広市の通過地点に位置する町なので、日高町でランチを楽しむ移動中のドライバーも多く、飲食店も充実していました。

滞在中に訪れた飲食店を少しご紹介します。

和食の「日本橋」。ランチの時間帯には、「えび天丼」と「生ちらし」が700円と格安で堪能できます。日高町内で養殖されているヤマベを使用した「特選やまべ天婦羅定食」(1300円)は新鮮なヤマベの天ぷらが5尾も。ほかにも、握りやしゃぶしゃぶなどがメニューに並びます。広い店内は町内の宴会にも使用されることも多く、地域に愛されるお店です。※ヤマベはヤマメの北海道、東北地方の呼び名。

日本橋 日高町

≪日本料理≫
日本橋
住所:北海道沙流郡日高町本町東1丁目(『道の駅 樹海ロード日高』隣接)
営業時間:11:00~14:00、16:00~21:00
定休日:月曜日

日本橋 日高町

札幌-帯広間の車が多く往来する国道274号線の角に位置するそば処「夏川」は、町内の人にはもちろん、移動中のドライバーにも人気の店です。フランス料理のシェフの経験のある店主が手がける蕎麦は、もちもちとした喉越しの良い麺が特徴。蕎麦以外にも、トロトロ卵がごはんにからむ親子丼などのメニューも人気です。

そば処 夏川

そば処 夏川

≪蕎麦≫
そば処夏川
住所:北海道沙流郡日高町本町東1丁目
営業時間:11:30~20:00
定休日:月曜日

国道274号線から少し入った住宅地の中にある「炭火焼鳥のんすけ」は、美人店主が営む町民に愛される焼鳥店。焼鳥は1本150円~。日本各地の日本酒が揃い、炭火で焼いた焼鳥と一緒に堪能できます。店内には様々なフィギュアが並べられていて、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

炭火焼鳥 のんすけ

≪やきとり≫
炭火焼鳥 のんすけ
住所:北海道沙流郡日高町本町西3丁目
営業時間:18:00~23:30
定休日:日曜日

さらに生活周りを見ていきましょう。日高町「日高地区」唯一のスーパー「A-coop」が町民の食を支えています。

A-coop 日高

また、「道の駅 樹海ロード日高」の中にある「ひだから」のショップでは、地元で獲れた新鮮野菜を購入することができます。
ここで出会ったのが、地域おこし協力隊として「ひだから」のレジに立つ内藤さん。元札幌のテレビ局のアナウンサーという経歴の持ち主です。

A-coop 日高

A-coop 日高

アクティビティの宝庫で山と川を遊び尽くす

スケールが大きい自然の広がる北海道。日高町でも様々なアクティビティを楽しむことができます。
人気の日本有数の山岳ルート「幌尻岳」への登山。そして日高の大自然の中を馬に乗って散策するホーストレッキングは、レベルに合わせて体験できるので安心。
また、ラフティングやカヤック、川釣りなど日高山脈から流れる多くの清流を生かしたアクティビティを楽しむことができます。さらに近くには釣り堀もあるので、初心者でも気軽に釣りを楽しめるとあって、今回は渓流釣りを体験してみました。

渓流釣り

自然の中でゆっくりと過ぎ去る時間を過ごす贅沢。大自然の中で釣りをしていると小さな悩みが吹き飛んでしまいそうです。

釣り堀いざわ

釣り堀いざわ

乘田養魚場

日本庭園を眺めながら釣りが楽しめる「乘田養魚場」

アラビアン・ホース・プランテーション「井上牧場」

アラビアン・ホース・プランテーション「井上牧場」

HOA北海道アウトドアアドベンチャーズ

ラフティング、カヤック、キャニオニング、ブリッジスウィングなどを楽しめる「HOA北海道アウトドアアドベンチャーズ」

HOA北海道アウトドアアドベンチャーズ

HOA北海道アウトドアアドベンチャーズは、廃校になった木造校舎を改築して運営しているそう。橋につないだロープで川に向かってジャンプするブリッジスウィングが体験できるのは道内でここだけです。

採石の歴史を感じる石の町

日高町のグルメ、アクティビティと見てきましたが、ところどころに「石の町」であることが感じられます。日高山脈の複雑な地質により、多くの種類の石が採石されてきた歴史があるのです。町を散策してみると、豪邸にあるような庭石が、あたりまえのようにどの一般住宅にも鎮座しているのを見ると、日高町の人々にとって石は身近な存在だということがわかります。

チロロの巨石

チロロの巨石
日高町千栄地区にある日本一大きい結晶片岩。1930年に札幌に八紘学園を設立し銘石収集家でもあった栗林元次郎氏が、この石を沢口まで運んだが、それ以上運ぶことができずに、この場所に置かれたままとなったそう。

日高山脈博物館

日高町立「日高山脈博物館」

日高山脈の石のことを知るには日高山脈博物館がオススメ。館内には日高山脈の歴史から採石された石などが展示されていて、定期的に石にまつわるイベントなども開催されています。

日高町「日高地区」に住んでみたい!…でも仕事は?
担当者の方にいろいろな移住不安を聞いてみました。

日高町がどんな町なのか、分かってきたところで、観光ではなく、日高町に移住することを考えると一番心配なのは仕事のこと。そこで移住を想定して日高町役場の方に移住についての心配な点などを率直に聞いてみました。

―移住してみたい気持ちもあるけれど、一番の心配は仕事のことです。

担当者「地域おこし協力隊の募集もしていますし、官庁の出先機関が多い地域でもあるのでそこの臨時職員、建築、土木関係の求人もあります。あとは空き店舗を活用してお店を開店することも可能です。就農支援なども行っているので、選択肢はいろいろとあると思います。地域おこし協力隊は副業も可能なので、現在はカメラマンとして活躍している方が日高町の地域おこし協力隊としても活動していたりもしますよ。」

―思った以上にお仕事はありそうですね。町の中をいろいろ見てみて、日々の生活には困らないことがわかりましたが、冬の雪道の運転が心配です。

担当者「雪道は、冬に来ていただいて実際に練習してみるといいですよ。もちろん夏よりも注意が必要ですが、みなさんすぐに慣れるようです。雪かきも日高町は気温が低くパウダースノーなので、重くなく負担も少ないと思います。日高町では最短1ヵ月から利用できる移住体験ハウスを6軒用意していますので、気軽に移住体験ができます。心配な方は一度移住体験をしてみてください。」

自然の中で深呼吸をしてストレスを洗い流す町

北海道沙流郡日高町「日高地区」に滞在してみて感じたことは、どんどんと心が癒されていくことでした。都会の中で知らず知らずのうちに溜め込んでいたストレスは、滞在中にどんどんと流されていき、日高町で暮らす人々がみんな笑顔なことに納得。大きな自然と共存して生きる町民はみなさんたくましく、笑顔で、人生を楽しんでいる方々ばかりでした。ちょっと疲れている時には自然の中で体を動かすことが一番といいますが、体験してみるとその効果に驚きます。
紹介したアクティビティは観光客向けのものが多いですが、このような体験が日常的にできるのは、このエリアに暮らす人の特権かもしれません。はじめは観光で来るのもいいですが、まずは移住体験ハウスでゆっくりとその地の暮らしを体感してみると、日高町の魅力をさらに感じられるのではないでしょうか。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部cocolococo

ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。
目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。
東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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