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2017年9月1日 ココロココ編集部

花巻食材の産地を巡る「花巻産地ツアー」が開催されました!

8月23日(水)、8月24日(木)、岩手県花巻市が主催する「食の創り手の現場マッチング・PRプロジェクト 産地ツアー」が、同市内で開催されました。

花巻市内の生産者のPRや農産物の販路拡大を目的に、首都圏の飲食店、フードコーディネーター、バイヤー等の食関連事業者をはじめとした消費者との交流事業を実施し、継続的な関係性の構築を目指す本プロジェクト。今回は東京や大阪から集まった食関連事業者が、花巻市内の「こだわり」を持つ生産者の圃場を巡るツアーが行われました!2日間にわたって行われたツアーの様子をレポートします。

1日目AM 新花巻駅出発 ベビーリーフ栽培 「株式会社耕野」へ!

朝10:00に新花巻駅に到着した一行は、早速車に乗り込み生産者のもとへ向かいます。まずはベビーリーフ栽培を行う株式会社耕野へ到着! 株式会社耕野は、豊沢川の清らかな水資源を活かしてマイクロリーフ、ベビーリーフ、マルチリーフなどを水耕栽培しています。

代表の安藤さんからは、「北国は寒さも厳しいので水耕栽培は非常に難しい。しかし、ここの清涼な水を使った水耕栽培は、安心安全はもちろんのこと、健康効果のある、なによりも美味しい野菜をつくることができる」とご説明をいただきました。収穫作業はキズをつけないようにすべて手摘みで作業を行い、できるだけ鮮度が保てるように、包装にもこだわっているとのこと。参加した事業者も、実際にリーフを味わいながら見学していました。

特別栽培米 「有限会社すぐね」

次に向かったのは、特別栽培米が特徴の、有限会社すぐねです!代表の鈴木貞裕さんは、現在6名の従業員と共に、水稲や小麦を栽培しています。特別栽培米と呼ばれる、農薬を極力減らした栽培を心掛け、安全でおいしいお米をつくっています。圃場に隣接した敷地内には、精米プラントとライスセンターの設備も整っており、出荷までの鮮度へのこだわりが目に見ることができました!

お昼 豆蔵でランチ&オリジナルにおい豆 「有限会社押切食品」

お昼は、押切食品さんで運営されている、「豆蔵(まめくら)」でランチをいただきました!押切食品で育てられたにおい豆や地域の食材を生かし、土や自然界の力が発揮されてできる野菜本来の味や美味しさを感じられるランチです。野菜本来の甘みと味わいが楽しめ、身体に染みわたる美味しさでした。参加者の皆さんからも、思わず笑みがこぼれてきます。

美味しいランチをいただいた後は、におい豆の圃場へ! 豆蔵おしきりの主役である、におい豆は、初夏の豆の花が咲く直前になると、豆畑が豆をゆで上げたような香りに包まれることからこの名前がついたのではないか、とのこと。60年以上前から伝わる豆を、種や作物が持つ生命力や自然の力を活かして栽培をしています。

 

1日目PM G7各国首脳のお土産品にも選ばれた生レーズンとブドウ 「佐藤ぶどう園」

次に向かったのは、生食用ブドウ・無添加レーズン・無添加ブドウジュースの生産をしている、佐藤ぶどう園さん。圃場に入ると、甘くて芳醇なブドウの香りが漂ってきます。

「一枝に一房を守って育てている」。そう語るのは副代表の佐藤徹さん。美味しいブドウを作り出すためのこだわりは、愛情を込めて栽培したブドウの中から厳選した一房を選び、その周りを丁寧に間引いて一粒一粒に十分な日光と栄養が行き渡るよう、厳しく管理栽培をすることだと言います。実際に試食をすると、シェフからは皮のむきやすさや種の有無についてもコメントが。様々な視点で意見交換が行われていました。

エコファーマー認定のりんご農家 「なんぶ平野農園」&若手生産者の団体 「UMEEGU」

環境にやさしく、安全でおいしいリンゴを届けるために、減農薬を進め、岩手県エコファーマーの認定を受けている、なんぶ平野農園のリンゴ。 平野さんは、「ここでは10種類ほどのリンゴを育てており、丘陵地だからこそ美味しく育つリンゴを届けています」。と語りました。市場や飲食店にニーズがある「なかなか出回っていないものは」という質問に、小ぶりなサイズのりんごが紹介され、使い道などについても多くの声が上がっていました。

また、ここでは市内の若手生産者が集まって活動している「UMEEGU」の紹介も。平野さんもこの団体に参加しています。UMEEGUでは乾燥野菜の味噌汁の販売など、主に加工品の開発・販売を行っており、生産者同士の横のつながりについても紹介されました。

ストーリーのある食材づくり 「ひばり農園」

1日目の最後は、宮城県丸森町から移住して2年前に新規就農した、武下芳道さんのもとへ。有機農法に取り組み、花巻・東和に根を張って人々に喜ばれる農作物づくりに心血と愛情を注いでいます。コメは除草剤などを使わず、アイガモ農法で生育。野菜は少量多品目を栽培し、世界の珍しい品種、例えばトマトでも赤だけでなく緑や黄色など色とりどりの種類を育ています。「消費者の驚き、感嘆の声が聞こえるような演出がしたい。シェフや飲食店と一緒に、メニューや必要となる食材の開発などを行っていきたい」と語る武下さんに、事業者の皆さんも関心を示していました。

夜は花巻食材を味わう交流会!


(撮影:櫻庭伸也)

夕食はBBQ。用意された花巻食材とお酒を味わいながら、今日見た圃場や生産物について、地域や農業のこれからについてなど話が盛り上がっていました。また7月に東京で行われたイベント後に生産者とパティシエがコラボして開発している試作メニューが紹介されるなど、プロジェクトの実際の動きについても確認していました。


(撮影:櫻庭伸也)

とれたての生産物を使った、地産地消のBBQは大盛況!皆さん和気あいあいと交流をされていました。

2日目AM 雑穀生産量日本一! 「株式会社みちのく伊藤ファーム」

2日目のスタートは、株式会社みちのく伊藤ファームさんから!雑穀生産量が多い岩手県でも、随一の生産量を誇ります。みちのく伊藤ファームさんでは、黒米、赤米、胚芽米、雑穀はアマランサス、アワ、キビ、ハトムギ、エゴマなどが育てられており、豊かな水源を活かして育てられた米や雑穀は、全国の大手企業とも取引があるそうです。伊藤さんからは雑穀の配分を調整することで取引先や飲食店に合わせた商品を開発できることが強みであり、健康志向の消費者に対して飲食店などともコミュニケーションをとりながら取り組んでいきたいとお話がありました。

市内一のリンゴ生産量 「宇津宮果樹園」

代表の宇津宮邦昭さんは、90年以上にわたりこの地でリンゴを育てている、宇津宮果樹園の4代目です。宇津宮果樹園では40種類のリンゴが栽培されています。大規模な畑を管理する中で、消費者とのつながりを求めて直売所をつくり、毎週違った品種を店頭に並べて販売しているとのこと。見学では品種の数や歴史についての「りんごクイズ」も飛び出し、終始盛り上がった時間になりました。

ワイン用ブドウ品種を生産 「高橋葡萄園」

県内外で修業を積んだ後、独立、オーストリアへの醸造留学の経験もある高橋葡萄園の高橋さん。ブドウの味をできるだけ引き出すために、醸造はもろみやワインに負荷をかけないよう丁寧に育てたぶどうから作り出されるワインは、花巻の気候風土を活かし、「柔らかいが芯のある」味わいを目指しています。

「土中微生物の活動を活発にするため除草剤は2012年から使用していません。草生栽培で自然の草を生やして年4~5回草刈をします。」という発言からも、美味しいぶどうづくりのためのこだわりが見えます。圃場以外にもワイナリーの様子も見学させていただきました。前夜のBBQの時に味わっていたワインの生産現場をみて、実際にワインを購入して帰る参加者も。

PM 収穫祭へ向けたワークショップ


(撮影:櫻庭伸也)

2日目の午後は、食関連の事業者、生産者が一堂に会してさらに花巻の食材を広げていくために意見交換を行いました。


(撮影:櫻庭伸也)

4つのグループに分かれて、10月25日に決まった「収穫祭」に向けてどんな取り組みを行うべきか、花巻市の魅力を伝えるためにはどうしたらいいかを話し合っていました。
様々な職業の参加者が集まっている中でのワークショップは、違う視点からの意見がでることも重要。このプロジェクトを通して、いい化学反応が起こっていく可能性を感じた時間でした。
最後に話し合った内容を全体に共有、ワークショップが終了後も質問や意見交換が行われるなど、お互いの意欲の高さがうかがわれた2日間でした。


(撮影:櫻庭伸也)

問い合わせ先

花巻市農林部農政課農政係
TEL:0198-23-1400 / FAX:0198-23-1403

プロジェクトサイトはこちら

http://hanamaki-tsukurite.jp/

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ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

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