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2018年3月12日 ココロココ編集部

テレワークなら三戸町!お試しオフィス管理人がすすめる三戸暮らしの魅力

青森県三戸町(さんのへまち)には「味は三戸」といわれるほど美味しいりんご、絵本「11ぴきのねこ」の作家・馬場のぼるさんの出身地として有名で、近年では移住やテレワークにも力を入れています。今回は、町がテレワーク推進のため整備した「三戸町お試しサテライトオフィス」管理人の五十嵐淳さんと三戸町のオススメスポットを巡ってきました。当日は、藩政時代から380年余り続く商習慣「元祖まける日」の開催も。賑わう街並みや美しい自然、美味しいもの、地域の人たちとの出会いなどレポートします!

三戸町のテレワーク事情と背景を聞く

青森県三戸町(さんのへまち)は県の南東に位置する人口約1万人の小さな街。戦国時代には南部藩が城を構え、城下町として栄えました。基幹産業は農業で、山間に水田や果樹園といったのどかな田園風景が広がります。そんな三戸町でも人口減少や働き手となる世代の流出は課題となっています。そこで、「住んでみたい町、住み続けたい町 さんのへ」を掲げ、農業だけでなく、他の産業によって新たに人を呼び込んだり、働き手の流出を食い止めようと、「新しい働き方」を背景としたテレワークに着目しました。

三戸町の「お試しサテライトオフィス」。広々スペースで打ち合わせにも最適!

その中では、テレワークのようなPC一台でも可能な仕事を生み出すには、それを叶える人材と企業が必要になってきます。そのために、サテライトオフィスを整備し、テレワークのできる企業の誘致を行います。さらに、地域住民に対してもテレワークが可能となるようなスキルを身に付ける講座を始めるなどの取り組みを行う予定となっています。(※講座は、2018年4月以降に実施予定)

今回の案内役は、テレワーク推進のため町が整備した「お試しサテライトオフィス」で働きながら、オフィスや町のプロモーションをしている(株)コー・ワークスの五十嵐淳さん。仙台市の本社を離れ、三戸町で自らテレワークをしながら町の取組のPRに尽力しています。「三戸に滞在して、すっかり三戸の人や環境にほだされてしまいました」と語る五十嵐さんに、まずは町のテレワークやサテライトオフィス事情について聞いてみます。

三戸町の街並み。美しい景色が広がります。

まず訪ねた「三戸町お試しサテライトオフィス」は住宅地の一画にある一軒家。もとは医師住宅だったところを町が整備したとてもきれいな施設で、田んぼや川など自然に囲まれた立地です。利用は最大3ヵ月間無料。中はオフィススペース+2LDK、Wi-Fi完備、広い駐車場、エアコン、ダイニングキッチン、ユニットバスなど快適そのもの。お邪魔したのは雪が舞う寒い日でしたが、中はポカポカ。五十嵐さんはバリバリとお仕事をこなしていました!

(株)コー・ワークスの五十嵐淳さん

「初恋のような気持ち」三戸にベタ惚れな五十嵐さん

秋田県出身の五十嵐さんは東京などで地方のテレワークを活用した就業支援の国の計画やテレワーク導入のコンサルティングに携わり、現在はITで新しい働き方やモノづくりを提案する「(株)コー・ワークス」で働いています。初めて三戸町を訪れたのは、2016年、当時町はサテライトオフィスを整備するなどテレワークの推進に着手した時期でした。

「その時は主に、サテライトオフィスを利用する企業の誘致、イベント開催などのプロモーション、そしてオフィス自体の環境チェックを行っていました。これまで被災地などでの業務経験から、地方や田舎といわれる地域で一番大変なのが現地の方といかにコミュニケーションをとるかという点。でも、三戸町はその壁がほとんどなかったんです。固定概念が崩れた瞬間でした。」

五十嵐さんにして「いい意味でとにかく人たらし」と言わしめる町の皆さんの人の良さ。その魅力に惚れてしまったといいます。

町内にある「だるま食堂」では定期的に交流会も行われる。五十嵐さんが企画するイベントも。

そんな中でも、テレワークの推進には、オフィスという箱だけではなく、町の魅力を現地で伝え続けるプレイヤーの必要性を感じていた五十嵐さん。地域の中での個人的な活動も行いながら利害関係を調整、所属している会社の方針や理解もあり、「三戸町お試しサテライトオフィス」を会社のサテライトオフィスとして利用・居住することになりました。会社の「新しい働き方」の旗振り役として実証を行いながら、町のプロモーションも行ってきました。


「会社からの反応も良いですし、地域の人と少しずつ距離が縮まったり、想いを共有できる人が増えてつながっている実感があることが何よりもうれしい」と話します。もうすぐ住民票を移し、今後はさらに腰を据えて三戸を盛り上げるための仕掛けを考えているそうです。

 

三戸町役場から「街歩きツアー」がスタート!

実際に住んでみて、人の暮らしに触れ、三戸に魅せられた五十嵐さんに、町のお気に入りスポットを案内していただけることになりました。どんなところが気に入ったのか、五十嵐さんのアツいトークを交えて、町を散策してみましょう!

まずは五十嵐さんと一緒に観光協会が主催する「さんのへ街歩きツアー」に参加することに!街歩きガイドさんが、普段入ることができない場所や、観光パンフレットに掲載されていない街の見どころを案内してくれるツアーです。

三戸町役場に集合した参加者は、今回ガイドを担当するジェンゴスキーさんからツアーの概要と三戸町出身の漫画家・絵本作家の馬場のぼるさんについて説明を受けました。ちなみにジェンゴとは三戸の方言で田舎を意味するとのこと。”田舎+好き”でこのお名前だそうです!ジェンゴスキーさんのユーモアたっぷりのトークがツアーを一層盛り上げていました。

地域おこし協力隊員でもある案内役のジェンゴスキーさん。トーク力と存在感がすごいです!

「立花書店」。看板には電話番号の古い表記が残っています。また、書店なのにピアノ教室も行っており夏祭りでは、店の前でピアノの発表会が開催されるそう。

ナンバープレートには馬場のぼるさんの絵本「11ぴきのねこ」の可愛らしいデザインが!三戸町限定のデザインでバイクやトラクター用に数量限定で発行されているそうです。(画像の一部を加工)

「11ぴきのねこ」は路線バスやタクシーにも。通りがかった路線バスにネコを発見!!

「元祖まける日」で賑わう街!

ツアーに参加した日は藩政時代から続くという「元祖まける日」の開催日!「まける」とは「負ける」ではなく値段やモノを「まける」というお得なイベントです。土日2日間の開催で、餅まきや獅子舞・神楽・えんぶり・ちんどん屋、元祖せんべい汁や甘酒無料振る舞いなど盛りだくさん。参加者は街歩き中に獅子舞の演舞に偶然遭遇!美しくも迫力のある演舞に参加者からは盛大な拍手が送られていました。

獅子舞の演舞に遭遇!

餅まきの様子。

大正期の生活や風習を知る貴重な建物「佐藤家建造物群」の洋館「佐滝別邸」。蔵や門などは、国の文化財に指定されています。

家具や看板、ポスターなど当時のものがそのままに。歴史を感じます。

続いては、地域のお母さんたちが運営するコミュニティスペース「まちの楽校」へ。元祖おふくろの味が嬉しいランチも楽しめます。外ではお母さんたちがえごま(じゅね)を使った「じゅねもち」を焼いていました

五十嵐さんもパクっと、じゅねもちを!

松尾町長も駆けつけてくださいました!お母さんたちと記念撮影!地域のお母さんたちとの触れ合いが温かいひと時でした。

「街歩きツアー」の最後に訪れた創業90余年という「ツキダテ商店」。元気な店員さんやおしゃれなアロマキャンドルなども扱い、日本一明るい葬儀屋さんと評判だそう。

ツアー終了です。スタッフさんは、参加者の安全を第一にテキパキとした動きが印象的でした!

 

まだまだ続く!五十嵐さんおすすめスポットへ!

五十嵐さんと風間さん。とことんご案内いただきます

ツアーを終え、ここからは五十嵐さんとNPO法人プラットフォームあおもりで八戸圏域の移住コーディネーターも務める風間一恵さんに町のおすすめスポットを案内していただきました!

①「小山田煎餅店」

まず初めに向かったのは「小山田煎餅店」です。南部せんべいやせんべい汁を誰もが連想しますが、できたての温かい南部せんべいは、市販のものとは味も食感も違い感動です!お店の職人さんからは、煎餅が焼きあがる間や、店から出るときも南部せんべいの差し入れが。これだけでお腹いっぱいになりそう。ほっこりした気持ちで店を後にしました。
風間さんは「お酒のつまみにピッタリなんですよ」とせんべいの耳を購入。

五十嵐さん「ここのおすすめは”てんぽ”。しなっと柔らかく焼き上げたせんべいです。スライストマトやきゅうりと、にんにく味噌を包んでタコスの様にして食べると絶品ですよ。」

作業の様子。店内は香ばしい良い香りが漂います

五十嵐さんも焼きたてをパクリ!

②「三戸望郷大橋」

続いて向かったのは、「三戸望郷大橋」です。三戸出身の人たちが、ふるさと三戸町を思い起こす場所、心に刻み込まれる場所になってほしいとの思いで三戸町民の応募の中からネーミングされたそうです。五十嵐さんと風間さんもこの笑顔!

③「三戸城跡城山公園」

「三戸城跡城山公園」は戦国時代に南部氏が居城としていた場所で町の主要観光スポットの一つです。春には1,600本もの桜が咲き誇る花見スポットになり多くの人が訪れます。

「三戸城跡城山公園」の様子

五十嵐さん「まだ見たことないんですが、ここには松生桜(まつおいさくら)と呼ばれる松の木から接ぎ木された様な桜があるんです。今年の春見られるのが楽しみなんです!

春には桜の名所として多くの人が訪れます(画像:三戸町提供)

④「豊誠園食堂」で絶品豚汁に舌鼓!

そろそろランチタイムに差し掛かります。五十嵐さんに空腹の限界を伝えると、とっておきのお店に案内してくれました。市街地を出て数分走ると見えてきたのは渋い佇まいのお店「豊誠園食堂」です!
おすすめはにんにくがたっぷりと入った豚汁定食。「この地域ではにんにく生産が盛んで、みんな当たり前のようににんにくを食べるんです。においなんて誰も気にしませんよ!」と五十嵐さん。南部弁のお父さんとお母さんの掛け合いを楽しみつつ、美味しい食事と店ののんびりとした雰囲気に、ついつい長居したくなってしまいました。ごちそうさまでした!

「豊誠園食堂」の外観。この渋い雰囲気はなかなか出せません

アツアツの豚汁定食はにんにくたっぷり!

カラクリ人形に遭遇!

建物横から流れる川の水の勢いで水車が回り人形が動く仕組み

すっかりお腹も満たされて元気いっぱいになったところで、訪れたのは町内の山間部にある蛇沼(じゃぬま)地区。里山風景がどこか懐かしさを感じさせる静かな集落です。市街地から車で20分ほど、突然道路沿いに現れたのは人形の集団!?ここは「荒田バッタリ村」という水力を利用して動くカラクリ人形の展示館。
ここで農業を営む奥利(おくり)義美さんが、農閑期に作品を制作しています。その珍しさ・面白さからテレビ番組でも紹介されたとか。人形は、くしもちを焼く姿や脱穀作業をする姿など南部の人々の暮らしを再現。人形は水車の力でゆっくりと動きます。人形は毎年リニューアル・増産していくとのことで新作の公開がとても楽しみ!

穏やかな語り口調の奥利さん。新作楽しみにしています!

こんなにも斜め上を行く発想でカラクリ人形を作る奥利さんはもしかして変わった方!?と一瞬思いましたが・・・お会いしてみたら大変穏やかで優しいお父さんでした。奥利さんは「ここを訪れた人が少しでも喜んで楽しんでもらえれば嬉しい。」とのこと。ここでは、人形だけではなく奥利さんにお会いすると何故か元気になるという素敵なカラクリも存在しました。

町を好きな人が案内すれば人は町を好きになる

三戸町には地域の人の顔が見える温かい暮らしがありました。古き良きものを重んじながら三戸町が大好きで暮らす人が人を呼び、みんなで楽さを共有。そうして自然とできたコミュニティが街を元気にして魅力の発信につながっているように思います。
さらに、リモートワーク、サテライトオフィスの取り組みにも積極的。観光はもちろん、移住先や拠点の一つとしてなど、様々なかかわり方を持つことができる町だと感じました。案内いただいた五十嵐さん、風間さん、そして町の皆さんありがとうございました!

五十嵐さん「三戸町は夏は暑く冬は寒いと極端に厳しいと感じる気候。でも、それ以上に町の方々の優しさを感じられる地域です。町の人が一番のコンテンツとも言える三戸町へ是非お越し下さい。お待ちしています!!

三戸町にお越しくださいね!

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

人と風土の
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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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