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2013年11月26日 ココロココ編集部

東京から岩手の魅力を発信し続けるーアンテナショップ「いわて銀河プラザ」

「被災地の今の姿を多くの人たちに見てもらうことが、 復興への力となる」

東京にいながらにして地域の魅力を満喫できるアンテナショップ。なかでも岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」は、オープンして2013年10月で15年という老舗です。
今回は、「いわて銀河プラザ」の岩淵さんに、震災から2年が経過した岩手県の今の姿と、岩手の魅力についてお話を伺ってきました。

[話] 岩渕 道洋さん/いわて銀河プラザ

 

中央区の数多くのアンテナショップの中でも長い歴史を持つ、老舗的存在

岩淵さん

 

「いわて銀河プラザ」とはどのような施設なのでしょうか。

岩手県にはおいしい特産品がたくさんありますし、魅力あふれる観光スポットも豊富にあります。こういった岩手の良さをお伝えしたいと、銀座の「歌舞伎座」の前にオープンしたのが1998年のことです。中央区には各県のアンテナショップがたくさんありますが、「いわて銀河プラザ」はその中でも歴史が長いショップの一つなんですよ。

 

商品の販売だけではなく岩手に関するあらゆる情報がここで得られるのは嬉しいですね。具体的にどのような情報を提供されているのですか。

お土産コーナー

やはりアンテナショップですから、県産品のPRに力を入れていきたいと思っています。2011年の東日本大震災では、岩手県でも沿岸地域を中心に大きな被害を受けました。刻々と変化していく復興状況の発信や、観光地のトピックスなどを紹介して、ぜひ多くの方々に今の岩手の姿を知っていただきたいと思います。あわせて「いわて銀河プラザ」では、沿岸地域からの商品をできるだけ多く取り扱い、復興の支援をしています。

被災地の今の姿を多くの人たちに見てもらうことが、復興への力となる

震災から2年以上が経過しましたが、岩手の復興の現状はいかがでしょうか。

三陸海鮮漬

岩手県では、2013年度を復興加速年と位置づけ、復興を加速的に進めていこうと努力しています。2013年4月には壊滅的な被害を受けた三陸鉄道南リアス線の一部区間の運転が再開されました。このように、再び立ち上がりつつある被災地の今の姿を、ぜひ見ていただきたいと考えています。現場で復興にがんばっていらっしゃる方々の姿ですとか、沿岸地域の現在の状況を見ていただくことが、復興の力になると思います。

沿岸地域はリアス式海岸の美しい風景が広がる場所です。被災はしましたが、こうした自然景観はほとんど影響を受けていません。こうした雄大な風景は今も人々の心に感動を与えてくれることもお伝えしたいですね。

 

沿岸地域に行くツアーがあると聞きました。大変興味があるのですが詳しく教えていただけますか。

チラシ

岩手県と県内の交通機関で協力してバスツアーを企画しました。盛岡や一ノ関など新幹線の駅や花巻などの温泉地を朝に出発して、沿岸地域を見学していただく日帰りのツアーです。
現地では語り部さんによる、被災当時の状況や復興の現状についてのガイドもあります。催行は週末だけですが、おかげさまでお客様の評価が高く、コースをリニューアルしたり増やしたりしました。

2013年の4月から久慈を舞台にしたテレビドラマが注目されたこともあって、久慈方面へのコースもできたんですよ。「いわて銀河プラザ」にパンフレットがありますので、ぜひご覧ください。

 

皆さんの復興に対する反応はいかがでしょうか。

南部鉄器

現状を知って「これは長い年月がかかるね」と、継続的に応援してくれる方もいらっしゃいますし、私たちが情報を発信することで「岩手県に旅行に行きたい」とおっしゃる方がいらっしゃることはとても嬉しく、励みになりますね。 また、被災後、首都圏各地でお祭りや物販などの支援イベントを企画していただいて、いわて銀河プラザとして出店することも増えました。こうしたありがたいお声掛けをたくさんいただいています。

美しい自然と、歴史的な奥深さ。そして郷土料理もぜひ楽しんで!

これから岩手に行きたいと思っている方のために、おすすめ観光スポットを教えてください。

まめぶ汁

岩手県は、三陸海岸や岩手山など美しい自然がそのまま残っていることが魅力です。一方で、平泉の藤原文化を象徴として、歴史的な魅力もたくさんあります。例えば、郷土芸能は早池峰神楽をはじめ、鹿踊、虎舞などたくさんの数があります。

岩手の郷土料理もたくさんの種類があります。最近、テレビドラマで紹介されたこともあり、県北にある久慈の「まめぶ汁」が注目されていますが、これは久慈のごく限られた地域だけで食べられていた郷土料理です。こうしたその地域に行かないと食べられない料理を召し上がっていただくのも、岩手の旅の楽しみだと思います。

根強い人気の定番商品から歌舞伎座とコラボの新商品まで、ワクワクする品揃えが魅力

なるほど、色々な楽しみ方がありそうですね。では最後に、「いわて銀河プラザ」の最近のトピックスを教えてください。

歌舞伎座せんべい

「いわて銀河プラザ」の前にある「歌舞伎座」が2013年4月に新開場しました。そこで、コラボ商品として「歌舞伎座せんべい」という新しい商品を販売しています。岩手県の北部にある二戸で作られている南部せんべいで、おいしいしパッケージも素敵と、とても好評です。

根強い人気の「三陸海宝漬け」やワカメなど岩手県産の海産品もたくさんの種類を揃えていますし、岩手の観光案内コーナーもありますので、ぜひ一度「いわて銀河プラザ」に来ていただきたいと思います。

取材先

いわて銀河プラザ

所在地
東京都中央区銀座5-15-1 南海東京ビル1F

電話番号
03-3524-8282(代表)

開館時間
10:30~19:00(毎月末日は17:00まで)

定休日
日曜日、祝日の月曜日

Webサイト
http://www.iwate-ginpla.net/

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ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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