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2016年3月24日 岩手移住計画

定住ではなく「プロジェクトの成果」を大切に-地域おこし協力隊が生み出した地域の変化と可能性-

岩手県花巻市の地域おこし協力隊「イーハトーブ地域おこしプロジェクトチーム」は5名が採用され、2015年8月から順次、着任しました。勤務地域は花巻、東和、大迫の3地区に分かれ、それぞれの課題別に活動していますが、協力隊が自主的に定例ミーティングを実施するなど連携を図っています。

今回はその活動内容と地域への影響について、協力隊本人と、メンターとして協力隊を支える市職員の皆さんにお話を伺いました。

ネットワークづくりに存在感を発揮する花巻地区の協力隊

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▲ (写真左から)花巻市都市政策課/伊藤直樹さん、協力隊/福田一馬さん

花巻市のリノベーションまちづくりは、株式会社花巻家守舎(以下、家守舎)がその取り組みを牽引しています。花巻地区の協力隊の仕事は、この家守舎のサポートや公共空間の利活用推進を中心に、遊休不動産を活用して事業を興していくリノベーションまちづくりに関することなら、その範囲は多岐にわたります。

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都市政策課の伊藤直樹さんによると、当面は家守舎が運営するシェアオフィスの認知度向上と利用者の増加が課題です。これまでも地元の経営者を訪問し、家守舎の説明や利用意向をヒアリングし、その反応を家守舎と共有しながら進めてきました。協力隊という立場をフル活用してネットワークづくりに動く協力隊の福田一馬さん について、伊藤さんは高く評価しています。

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「家守事業についていいねという人はいますが、やるという人はなかなか見つからない。どの町もそうかもしれませんが、次の担い手を見つけるには方法論がないのだと思います。セミナーを打ってみたり、視察に来た人に声をかけてみたり、個人的なネットワークで探りを入れてみたり。草の根的で地道な活動を続けながら、いろいろなチャネルをあたるしかありませんが、福田君が来てくれたことで、人のネットワークはぐっと広がっています。」

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地域住民の助っ人として活躍しながら関係性を育んでいる東和地区の協力隊

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▲ 写真左から、神谷瑞樹さん(協力隊・まちなかフロアマネージャー)、照井美智彦さん(花巻市東和総合支所地域振興課)、松阪廣剛さん(協力隊・アグリマネージャー)

東和地区では新規就農者の支援と商店街の活性化をテーマに、役割の異なる2名が着任しています。この地域は中山間地ということもあり、農業で大規模化しにくいという不利な点もありますが、こだわりのスタイルで就農するには適した土地とも言えます。さらにここ数年で地区内の農商連携も図られているため、2名の協力隊は連携しながら仕事を進めています。

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東和総合支所の照井美智彦さんに、協力隊着任後の変化について伺いました。

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「ふたりにはそれぞれのミッションを伝えていますが、この地域を何も知らないところからスタートしますので、成果を急がなくていいと伝えています。最初の1年は現場に出向いて住民と話をしてきてほしい。徐々に住民とのキャッチボールができるようになってきて、ふたりとも着任して半年ですが、頼りにされているようです。最近では私を通すことなく、直接地域の方からふたりに要請があって動いています。東和地区の協力隊では3か月おきに報告会を開いていますが、地域の現状が把握できることは、我々にとっても助かっていますし、彼らから提起される内容には気がつくことも多いです。」

地域一体となってぶどう生産者を支援する大迫地区の協力隊

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▲ 写真左から大迫総合支所熊谷佐和子さん、JA佐々木さん、協力隊鈴木さん、協力隊酒葉さん、ぶどう農家高橋さん、エーデルワイン佐々木さん、JA高橋さん

大迫地区の産業であるぶどう栽培は、生産者の高齢化と後継者不足という問題を抱えています。一朝一夕に解決できることではありませんが、協力隊は地区内に約120件いるぶどう農家の全戸訪問に着手し、詳細な現状把握に貢献しています。ほかにも作業ボランティアである通称「ぶどうつくり隊」のマネジメントも担当。新聞広告や東京のイベントなどで募集をかけ、昨年初めてぶどう農家に派遣しました。

これまで関係者からアイディアは出ていたものの、なかなか実行に移せなかった複数の施策が、協力隊が着任したことで少しずつ動き始めました。大迫総合支所の熊谷佐和子さんによれば、協力隊のこれらの取り組みは、市外の方が大迫に定期的に足を運ぶための布石として、また、生産者の高い栽培技術を次世代に継承する道への手がかりとしても一役買っているようです。

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花巻市が考える地域おこし協力隊の「成果」とは

花巻市は地域おこし協力隊を導入するにあたり、その成果を任期終了後の“定住”とはしていません。協力隊の役割は、地域内で既にスタートしていたプロジェクトのサポートにはいり、その動きを支援し、加速させること。定住は歓迎していますが、成果はそこではなく、各プロジェクトに準じます。この点で民間企業のプロジェクトと似た印象を持ちました。

協力隊の話からは、着任前のイメージと現場にギャップがあってもそれを乗り越え、自分たちが動きやすいフィールドを自らの手で作り出していこうとする動きが見受けられました。任期は3年。協力隊のメンバーがそれぞれ温めている企画がどのような形で花開くのか、今後の動向にも注目していきたいと思います。

来年度も地域おこし協力隊を募集へ!

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花巻市は、4月から新しい「イーハトーブ地域おこしプロジェクトチーム(地域おこし協力隊)」を全国から募集する予定です。花巻市の地域課題や活動テーマを設定し、4月1日(金)に募集情報が公開されます。

4月上旬と下旬には都内での募集説明会兼交流イベントが行われ、5月中旬には実際に花巻市の活動地域を見学するフィールドワークも行われる予定です。

詳細が分かり次第、ココロココでも4月1日(金)からも随時情報発信を行っていきますので、ぜひご注目ください!

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岩手移住計画

岩手移住計画岩手移住計画は、岩手にUターン・Iターンした人たちの暮らしをもっと楽しくするお手伝いをし、定住につなげていくために活動している任意団体です。県内各地で、「岩手移住(IJU)者交流会」と題したイベントを開催しているほか、岩手県などが主催するUIターンイベントにメンバーが参加し、移住希望者の相談にも対応しています。首都圏と岩手をつなぐ活動にも力を入れています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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