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2016年2月26日 ココロココ編集部

求む!地方での働き手「えひめ職の担い手移住フェアin東京」

「地方には仕事がない」

地方への移住を検討するものの、なかなか実現できない理由としてこんな声を聞いたことはないでしょうか。とくに、家庭を今まさに支えている働き盛りの30〜50代の人たちにとっては、いかに収入を確保するかが現実的な問題となっています。

愛媛県では、そんな移住に際して大きなハードルとなりうる「職」に焦点を当て、首都圏からの人材を希望する愛媛県内の企業と愛媛県への移住に興味のある人とをマッチングさせるイベント「えひめ職の担い手移住フェアin東京」を南青山で開催しています。

すでに第1回にあたる2月14日と第2回にあたる21日のイベントは大盛況のうちに終了し、最終回となる2月27日のイベントも続々と申込が届いているそうです。

今回は第1回のイベントの様子をご紹介します。愛媛県への移住に興味のある方、愛媛に限らず地方への移住に関心のある方にとっては、地方の人々の「リアルな声」を聞く大チャンスですので、ぜひ足を運んでみてください!

イベントスタイルが特徴的!

「えひめ職の担い手移住フェアin東京」は、よくある移住相談会のようなイベントとは異なるスタイルが特徴的です。イベントの具体的なポイントをご紹介して、イベントの様子をお伝えします。

1.会場スペース内に「キッズスペース」を設置。お子さま連れでもイベントへの参加が可能

2.イベントへの事前申込の時点で、希望する移住後の暮らし方や希望職種のヒアリングがある

3.ヒアリングの内容を元にマッチングされた企業とのトークプランがセッティングされている

4.当日は「おせっかい人」と呼ばれる世話役が付き、当日の希望変更などにも柔軟に対応

移住相談系のイベントでキッズスペースがあるというのは少しめずらしいかもしれませんが、今回のイベントに来てほしいのはいわゆる働き盛り世代であり、小さなお子さまがいるご家庭も少なくありません。お子さまが一緒に来て、同じ会場内で楽しく過ごせるように、という暖かい配慮がされています。



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また、自ら話を聞きに行くスタイルの相談イベントでは、なかなか相談のきっかけがつかめず資料だけを持ち帰って終わってしまった…なんてこともよくありますが、「おせっかい人」が参加者の興味関心に合わせて柔軟に橋渡しをしてくれるため、「イベントに行ってみたものの、あまり話も聞けず帰ってきてしまった」ということはありません。

当日のプランは事前のヒアリングに基づき、基本的に参加者の嗜好に合わせて作られていますが、第三者の目線から「こういう興味関心のある方ならこの企業も合うかも」とプランを提案されることで、自分では意識していなかった分野との出会いも得られることは、「おせっかい人」スタイルを利用することの大きなメリットであるといえるでしょう。



「職」をきっかけに、愛媛県の暮らしや雰囲気を知ってほしい

現時点で、そこまで愛媛県での就職を真剣に考えているわけではない方も少なくないと思いますが、今回のイベントはあくまで「愛媛での『職』をテーマに愛媛のことを知ってもらい、愛媛での仕事や生活の様子をイメージしてもらう」というもの。

参加企業としても、仕事という現実的な視点をベースに「愛媛での暮らし」に魅力を感じてもらいたいとの思いもあることから、就職説明会のような堅苦しい雰囲気ではありません。

その会社での仕事内容や愛媛県での仕事の様子を聞きながら、さらに生活や子育てのこと、ワークライフバランスなど、より踏み込んだ「愛媛での暮らし」を聞くことが可能です。地方移住への漠然とした憧れから一歩踏み込んで、「実際のところはどうなんだろう?」と興味を感じている人にとっては、実りある「生の声」を聞ける絶好のチャンスといえるでしょう。

もちろん、このイベント内でお互いに良いご縁があれば具体的な話に進む可能性も十分に考えられます。



先輩移住者のお話しを聞きながらイベントスタート

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このように、様々な特徴やポイントがある「えひめ職の担い手移住フェアin東京」。いよいよイベントがスタートしました。

まずは、えひめ移住コンシェルジュの松岡さんから愛媛県に関する簡単な紹介のあと、2012年に東京から愛媛県伊予市双海町へ移住された冨田敏さんから、移住者の視点から見た愛媛県、先輩移住者としての経験談についてのトークがありました。

温暖な気候とみかんの名産地、穏やかな人柄で知られる愛媛県ですが、近年は移住候補地としても徐々に人気が上がっており、移住者らによる新たな取り組みも各地で活発化しつつあるようです。



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その後、その日の参加企業から5分程度の簡単な自社紹介とPRタイム。

参加企業は主に農業・製造業・福祉・サービス系を中心にさまざまな業種が集まっています。特徴的なところでは、江戸期創業の旅館なども参加。多くの文豪や文化人たちに愛された愛媛らしい業種かもしれませんね。



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今回のイベントでの参加企業はいずれも、愛媛のローカルな生活に根付いた地元中小企業。

今回のイベントに参加した動機をたずねると、「新しい仕事のあり方や、自社のよりよい企業体制を作っていくため、外からの視点を持っている移住者、首都圏での仕事を経験した人たちと一緒に働きたい」とのこと。

すでに愛媛県外からの移住者採用が進んでいる企業も多いようでした。



企業ブースや相談ブースで情報収集

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前半のセミナータイムが終了すると、個別ブースでの相談が始まります。「おせっかい人」の案内に従い、参加者がそれぞれのブースへ向かいます。

各社の仕事内容や職場の雰囲気、ときにはプライベートの過ごし方なども紹介し、和やかに各ブースが盛り上がっていました。

海の近い職場では、仕事の合間に海へ釣りに行ったり、泳いだりなんてエピソードも。

生活相談ブースでは、仕事以外の子育て環境や生活面などについての話を聞くことができます。ご家族での移住を検討されている場合、男性の視点と女性の視点とで気になるポイントも異なってくるもの。ご夫婦で一緒に来場されると、2人の不安な点が一気に解消できるかもしれません。



地方にも仕事はあり、外からの視点を持つ人が求められている

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職業の選択肢の多さや幅広さでは、やはり都心に軍配が上がりますが、経済活動が行われている以上もちろん地方にも仕事はあります。それでも「地方には仕事がない」と言われる理由のひとつには、「その土地の外部から仕事を探そうとしてもなかなか見つからない」という側面があるようです。

先輩移住者である冨田さんは、「僕も確かに移住前は『仕事を見つけるのは大変だろうなぁ』と思っていました。しかし、実際に移住してみると思った以上に働き口というのは存在していたんです。実は、地方の会社では採用活動の中心は『口コミ』であるケースが多く、採用が必要になった段階で身近な人に声をかけ、就職先を探している人を紹介してもらう。そのため、外に向けて採用情報を発信する必要が少なく、ハローワークへの登録件数も多くないというのが実情のようです。」と愛媛県内での職探し事情を話します。

このように、地元内で採用活動をしていた企業も、少しずつ移住者の採用へと意識を向け始めているようです。理由は前述のとおり、「新しい視点を取り入れ、今以上に活気ある会社を作り、自分達のまちを支えたい」との思いから。

冨田さんは続けて、「僕が地方でうまく仕事を見つけられなかったのは、東京で暮らしていた際の物価や地代を基準に考えていたこともある。地方の企業はたしかに都心に比べて給与は低いが、そもそも家賃なども安いので単純に比較できるものではないんですよね。都心に比べて飲みに行く機会もぐっと減るから、おのずとお金を使うタイミングも減りました。遊びに行ける刺激的な場所は少ないかもしれないけれど、家族と向き合って過ごす時間は確実に増えました」と語ります。

地方での穏やかな時間とともに、家族ともゆっくり暮らせる生活を求める移住希望者。そして外部の視点を持つ移住者を求める地方の企業。今回のようなイベントでのマッチングがうまくいけば、あこがれていた地方での暮らしも現実的なものになるでしょう。



行政を上手に利用して、移住を実現してほしい

今回の「えひめ職の担い手移住フェアin東京」の主催者である愛媛県企画振興部地域振興局地域政策課の髙石さんは、「現在、50代以下を中心に愛媛への移住を希望される方による問い合わせ件数や、実際の移住者数が増えている」と愛媛県の移住の動向を説明します。

移住に際して行政に問い合わせてもらえれば、さまざまなアドバイスや利用可能な移住支援制度の紹介などが可能になりますが、そういった窓口があることを知らない人も多いのが実情。愛媛県としては今回のイベントのように移住に興味がある人たちとの接点を増やし、仕事だけでなくさまざまな切り口から愛媛での暮らしをイメージしてもらいたいと考えています。

「都心に比べ、地方で望むような職種に就ける可能性はもしかしたら低いかもしれません。ですが、生活をトータルで考えたときに『それを補う何か』があるから、都心で得ていた高収入や地位を手放しても地方で暮らしたいと考える人がいて、そして実際の移住へと繋がっているのだと思います。ぜひイベントへ足を運んでいただいて、ご自身にとっての『補う何か』を見つけるきっかけにしていただけたら幸いです」と語ります。

「えひめ職の担い手移住フェアin東京」は、盛況のうちに2月14日(土)と21日(日)の2回が終了しました。今後は、2月27日(土)に第3回目が行われ、3月19日(土)~21日(月・祝)には、実際に愛媛県内の職・人・文化を体験する「ヒアリング・ジャーニー」が開催されます。

今後も「えひめ職の担い手移住フェアin東京」の動き注目です。少しでもご関心のある方は、ぜひご参加ください!

【イベントに関する詳細情報】

えひめ職の担い手移住サイト:http://ehime-ijuu.jp/
公式Facebookページ:https://www.facebook.com/ehimeijuu

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ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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