地元企業の人材確保、情報発信を支援する北上産業支援センター
訪問した北上オフィスプラザは、国、県、市が共同で設置した産業支援施設で、複数の団体が入居・連携し、起業家支援・事業承継・人材確保など、地元の企業活動をあらゆる面で支援しています。施設内にはレンタルオフィスやコワーキングスペースもあり、活用できるのは個人・法人を問いません。今回の募集で採用された方は、ここを拠点に活動することになります。
産業支援センターの安保さんに、協力隊募集の背景や、現在進行中の取り組みなどを伺いました。
安保さん:「もともと、このテーマでの協力隊募集には、地元企業の人材確保を支援するという目的があります。北上市の企業では自社の魅力が分からず、自分たちの強みを対外的に伝えることができないでいます。それでは学生に情報が届かないので新卒者が採用しにくい。かといって情報発信できる人材にも乏しい状況で、ここをサポートすべく、地域おこし協力隊の方に入ってもらっています。企業の情報発信がきちんとできれば、人材確保だけでなく、ビジネスマッチングにもつながるはずなんです。」
人材確保を支援するという目的に対して、2018年8月に協力隊として着任した小澤さんは、「きたかみ仕事人図鑑」(以下、仕事人図鑑)というウェブサイトを立ち上げました。地元企業で働く人の紹介や求人情報が掲載されています。
安保さん:「特にものづくり系企業などは、ビジネスモデルがB2Cでない場合、なかなか消費者まで情報が届かないですよね。仕事人図鑑は人にフォーカスしたサイトですが、一般の人がその企業に興味を持つきっかけになります。将来的に、動画を追加して企業紹介をしていく、ということも考えられるので、そういったコンテンツ企画や編集のご経験がある方が加わると、チームとして動くことができてよいのではないかと思います。」
大学との共同研究が進行中。研究成果を企画に活かすことも可能
課題のひとつである新卒採用を増やすという点においては、対策のひとつとして、大学との共同研究が始まっています。
安保さんによると、産業支援センターが岩手県内にある2つの大学の研究室と提携。一方の研究では、学生が北上市内の企業を訪問し、その企業に必要とされる人材やスキルセットをヒアリング、レポートにまとめています。
もう一方の研究では、アート系を専攻する学生が中心となり、前述のレポートも参考にしながら、その企業の魅力を学生に伝えるにはどのようなアプローチが効果的か、メディアを選び、表現を考えて提案するというものです。
2つの研究成果は、地元企業の情報を発信していくうえで重要な資料となり、企画を考えるうえでも参考になるはずです。このように、既に動き始めていることを活かし、さらに進化させていくことも、チームとして期待されていることのひとつです。
「きたかみ仕事人図鑑」を企画した小澤さんに聞く
2018年8月から協力隊として着任した小澤さん(写真上)は、北上市から車で2時間ほど北にある岩手町の出身です。東京でコピーライターとして働いていて、岩手へのUターンを考えていた時にこの募集を知りました。現在は仕事人図鑑の運営を通じ、多くの地元企業と接点を持っています。
「掲載企業は、面白そうだなと思ったところや紹介してもらったところに、こちらからお願いしてアポを取ります。話していると、何かを伝えたい、発信したいが手段がわからないという企業の方が多いので、仕事人図鑑がその受け皿になれればいいと考えています。」
遠慮がちだという地元の方に対して心がけていること、掲載後の反応なども伺いました。
「インタビューは1~2時間かけますし、写真は敢えてスマホで撮ります。大きなカメラも持っているのですが、構えられてしまうのを避けたくて。なるべく自然体でいてもらえるようにしています。でも、こうして撮られるのは自分も得意じゃないですね(笑)」
「ありがたいことに、仕事人図鑑を経由して企業のサイトを閲覧する方も増えているようです。調べてみると、仕事人図鑑にアクセスしているユーザーの3割くらいは関東の方でした。北上市内の方にはまだまだ知られていないので、地元での認知度アップが目標です。」
関東からのアクセスが多いということは、北上市へのUIターンを希望する方が見ている可能性があります。メディアとして認知度があがることで、仕事人図鑑が今後、小澤さんの考える「ハローワークとは違う役割」を担う求人媒体になることも期待できそうです。
ご経験やスキルを活かした提案を歓迎します!
最後に、どんな方に来ていただきたいか、皆さんに伺いました。
奥山さん:「今回の募集は2名なので、新しい取り組みをご提案いただいてもよいですし、小澤さんが築いた土台を活用して、連携したいという提案でもよいと思います。地元企業の情報発信を担う人数が増えることで、チーム力が高まることも期待しています。」
小澤さん:「ご自身のやりたいこと、目指すことが、この活動内容にクロスオーバーしていて、さらに、地方にこそチャンスがあると感じた人には、ぜひ応募してほしいと思います。」
安保さん:「動画コンテンツに期待していると話しましたが、動画はあくまで手段ですから、必ずしも編集スキルが必要というわけではありません。まずはコンテンツを企画できる人、企画を形にできることのほうが重要です。企業訪問が必要な時はできる限りのサポートをして、企画が進めやすいように協力します。ご応募をお待ちしています。」
小澤さんによれば、“人との距離がちょうどいい”コンパクトな街・北上市は、昔から交通の要衝だったエリア。様々な人が行き交い・集う下地があるのかもしれません。小澤さんという先輩協力隊がいるのも心強いはず。興味をもたれたら、お気軽にお問い合わせください。
応募概要―北上市地域おこし協力隊(ローカルカンパニー魅力発信チームメンバー)―
主な活動内容
㈱北上オフィスプラザが受入れ団体となり、「地域の事業者の魅力を世界に伝える」をミッションに製造、飲食、サービス業など市内で頑張る事業者の魅力の掘り起しと発信関わる次の活動
①地元事業者の魅力を取材・編集し、動画等で世界に発信
②地元事業者独自の魅力発信を各種デザイン、文章作成、多言語化でサポート
<委嘱期間終了後のイメージ>
・スキルを活かして、ライター、各種デザイナー、動画制作、多言語対応等で起業、活動でつながりを持った市内企業への就職等
募集対象
(1)年齢が概ね20代から40代の方(性別は問いません)
(2)現在、三大都市圏又は地方都市等(過疎、山村、離島、半島等の地域に該当しない市町村)に居住し、委嘱後に住民票を北上市に異動し、居住できる方
(3)普通自動車運転免許を取得している方(自家用車両を所有している方歓迎)
(4)パソコンを日常的に使用している方(基本的なパソコン操作ができる方)
(5)下記いずれかの経験者大歓迎
・取材、写真・動画撮影編集、チラシ作成、コピーライティング
・WEBデザイン
・語学に堪能な方、外国人への情報発信等の経験
・商品開発経験を有する方
・マーケティング経験、イベント企画
募集人数
2名
活動拠点
㈱北上オフィスプラザ(北上市相去町山田2-18)
勤務時間
月20日 1日8時間程度
休日・休暇は受入れ団体の取り扱いに準じる
雇用形態
無
※隊員と受入れ団体との円滑な連携や、隊員の自立に向けた自主的な活動を推進するため、隊員と市の間で雇用契約を結ばない
活動形態・期間
(1)北上市から北上市地域おこし協力隊隊員として委嘱
(2)令和2年4月以降の委嘱開始とし、通算3カ年の活動を予定。委嘱開始日は、事情に合わせて相談可能
報酬
・月額200,000円を報償費として支払う
※月の勤務日が20日未満となった場合は、活動日数に日額10,000円を乗じた金額
待遇等
(1)次の活動経費について、市と隊員が協議の上、予算の範囲内で補助
・市内での住居借上げ費用(光熱水費等は対象外)
・活動に必要な自動車やパソコン等の借上げ費用
・活動車両の燃料費
・活動に要する消耗品費
・活動にかかるイベント経費等
・活動にかかる旅費
・研修参加費及び旅費
・その他市長が必要と認める経費
(2)委嘱期間終了日の前後1年間において、北上市内での起業に係る経費を上限100万円の範囲内で補助
応募方法
(1)応募前に現地説明会に参加
(2)本エントリー(エントリーシートを提出)
(3)書類審査(一次選考)
(4)面接審査(最終選考)
応募スケジュール
下記サイトをご覧ください
https://www.city.kitakami.iwate.jp/life/kitakamishidekurasu/iju_teijukanrenjoho/15411.html
応募・問い合わせ先
〒024-8501 岩手県北上市芳町1-1 本庁舎2階
北上市 都市プロモーション課 都市ブランド戦略係
TEL 0197-72-8308
E-mail promo@city.kitakami.iwate.jp