失敗しないために注意しておきたい項目
失敗の原因は人によっても違うものだが、いくつか共通しているポイントもあるようだ。
一番多いのが準備不足。 移住先の土地のことについて、できるだけしっかりと調べることはとても大切。 雑誌やインターネットにはネガティブ情報は掲載されにくいものなので、自分自身で現地を訪れて、生活体験してみることは最低限必要なこと。 特に生活の基盤となる「仕事」のことをあやふやなまま移住してしまうと、どうしても失敗する確率が上がってしまうようだ。
もうひとつはコミュニケーションの不足。 住む場所があって仕事も見つかったとしても、自分一人では生活していけない。
「地元の人たちとつながる」、「地域を良くしていくことに貢献する」という心構えを持っていたい。 自己満足だけで暮らしていくことは、「寂しい移住」になってしまうはずだ。
地元の人たちの輪に入り、笑顔で自分からあいさつの言葉をかける、おじいちゃんおばあちゃんの世間話にも耳を傾け地域の行事や集落の作業にも参加していく姿勢が大切。
そういったスタンスで暮らしているうちに、地域のルールやしきたり、農作物の育て方などを教えてもらえるようになり、そのうちおすそ分けが玄関に届いている、といった人間関係が築けるようになるということだろう。
■以下に具体的な注意点をまとめてみた。
□仕事は何とかなると考えていない?
現地に行ってしまえば仕事はなんとかなる、と考えていないか? 仕事が見つかることあるかもしれないが、最近は雇用情勢も厳しくなっている。 裏付けのない楽観論は退けておきたい。
□生活費や収入の大切なお金のことが、どんぶり勘定になっていないか?
住居費など支出が減る項目も確かにあるが、収入も減るケースがほとんど。 家計の管理はよりシビアに。どんぶり勘定的な金銭管理を行っている人は事前に改めておこう。
□田舎の生活はみんなの共同生活、コミュニケーションは足りている?
村祭りや合同での清掃作業など、地域の伝統行事や役割分担にも積極的に参加をしたいもの。自分から積極的に関わっていくことで、親密な人間関係が生まれていくことも多い。
□あいさつは自分から声をかけている?
地元の人たちと仲良くなろう。道で出会った人には笑顔で自分からあいさつをする、そんな小さなことから始めてみるといい。
□郷に入っては郷に従え、自分主義になりすぎていない?
自分の世界の中だけでも十分生活ができてしまうという都会でのライフスタイルが通用しないことも多い。それまでのスタイルを捨ててしまう必要はないし、新しいことにトライすることを否定はしないが、地元で暮らす周りの人たちに理解をしてもらいながらすすめたい。押しつけになってしまっていないか、何事も地元の人の立場になって考える姿勢を忘れないようにしたい。
□「来てあげた」という上から目線になっていない?
自治体の過疎対策などを手厚く受けて移住すると、知らず知らずのうちに「来てあげた」という態度をとってしまう人もいるようだ。「上から目線」ではなく、一緒に暮らす仲間だというスタンスと謙虚さを忘れずに。