役場職員に聞く、まちのこれまでとこれから。紫波タウンイノベーターズに求めるもの

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現在、2名の「紫波タウンイノベーターズ(地域おこし協力隊)」を募集している、岩手県紫波町。
今回の募集の背景には、「オガール」で注目を集め、多くの人が集まるようになりながらも、若い世代の人口流出が進んでいるという現状があります。
そんな町で活躍が期待される「紫波タウンイノベーターズ」に求められていることは具体的に何なのか。

町役場で働く職員さんに、紫波町の実情と、「紫波タウンイノベーターズ」に求めていることを伺ってきました。

紫波町の現状と課題

岩手県盛岡市と花巻市の中間に位置し、盛岡駅から南へ電車で20分ほどの距離にある紫波町(しわちょう)。

町の東部には北上山地、西部には奥羽山脈が連なっており、中央部には北上川が流れ、肥沃な農地を有する自然豊かなまちです。

農業が基幹産業となっており、りんご、ぶどうなどの果物や、もち米など水稲の産地として知られるほか、「南部杜氏発祥の地」として、今でも4つの酒蔵が日本酒の製造を行っています。

また、駅前の町有地を整備して建設され、マルシェや図書館、宿泊施設、民間のテナントなどが混在する複合施設「オガール」は、補助金に頼らない地方創生の成功事例として全国的にも注目を集めています。

オガール

「オガール」の建設以降、年間94万人もの人が紫波町を訪れるようになり、地方におけるまちづくりの先進事例として、年間約1,800人の視察を受け入れています。

一方で、紫波町の人口は33,500人ほど。
町の中心部は盛岡都市圏のベッドタウンとして機能しており、昭和40年代後半から始まった宅地開発により急激に人口が増加しました。

紫波町を見渡す

しかし、近年は、供給される宅地が頭打ちになってきたことや、農村部の人口流出、また、少人数世帯や高齢者世帯の増加などにより、人口は減少傾向にあります。

紫波町が「紫波タウンイノベーターズ(紫波町地域おこし協力隊)」を募集するきっかけとなったのは、この人口減少にありました。

 

タウンイノベーターズとは

今回、紫波町が募集するのは、「これからの紫波町」を担う2名のタウンイノベーターズ。

紫波町役場の企画課に勤め、着任後のタウンイノベーターズと行動を共にする須川翔太さんは、生まれ育った紫波町での変化を少しずつ感じていると言います。

町役場に勤める須川翔太さん

「オガールができてこれまであまり見かけなかった町外からの来訪者が増えました。一方で、農業の分野だったり、地域で働いてまちを守っていく人たちは依然として減っているのを感じますね。特に農村部の人口減少は深刻化していて、若者が圧倒的に少ないです」

これまで紫波町は移住促進の施策を積極的に行っていなかったのだそう。

一見すると人口はさほど落ち込んでいないものの、働く世代のベッドタウンとして機能する紫波町は、近隣の都市に勤務する人が多く、町内で働く若者が少なくなっているのが現状です。

紫波町がタウンイノベーターズに求めているのは、地域で働き、地域に根差してまちを育てていく若者だと須川さんは話します。

「今回紫波町では、移住定住を促進するUIJターンコーディネーターとリノベーションまちづくりを推進するタウンイノベーター、2つの分野での募集を行っています。この2つの取組みを通じて、紫波町で若者の新たなチャレンジが生まれる環境を作っていきたいです。そして、その楽しそうなまちの雰囲気や変化を感じて、一度紫波町を出た若者が帰ってきたり、やる気のある若者が集まってくる流れを徐々に生み出し、若者のチャレンジが継続的に生まれる、まさに「イノベーション」を巻き起こしたいと思い、「タウンイノベーターズ」という名称にしています」

 

まち全体に楽しさが循環するまちづくりを

今回の募集に期待を寄せる

具体的な人物像として、UIJターンコーディネーターには、行政と民間のつなぎ役、人と人をつなぐ企画力のある人、コミュニティや人の流れを作れる人を求めているのだそう。

また、タウンイノベーターには、リノベーションまちづくりに携わりながらまちを盛り上げていける人を求めていて、将来的には(協力隊員)自らが紫波町で新しい事業を始めることも期待しています。

リノベーションまちづくりとは、遊休不動産をリノベーションの手法を用いて再生することで、産業振興、雇用創出、コミュニティ再生、エリア価値の向上などを図る取組みを指します。

紫波町では、旧町役場のある日詰地区でリノベーションまちづくりが進められており、タウンイノベーターは遊休不動産を活用して事業を起こしたり、事業のプロデュースをしたり等、リノベーションまちづくりの推進につながる任務を担当します。

活動の場となる日詰地区

「着任後はオガールプラザ内に拠点を置きながら、半年ほどは僕たちと行動を共にし、人脈を作ったり、まちについて知ってもらう機会を設けられたらと思います。ゆくゆくはオガール周辺だけでなく、商店街や農村部にも人を循環させ、紫波町を楽しく活気のあるまちにできるような企画や情報発信をしてもらいたいです」と、須川さん。

活動拠点となるオガールプラザ内の様子

どんな人と一緒に働きたいか?という質問に対しては、「人が好きな人がいいと思う」とのこと。

「プレイヤーとしてコミュニティを作ったり、人と人とをつなぐ仕事がメインなので、『人が好きな人』というのが大前提になるのではないかと思います。かつ、流されない信念を持っていて、バイタリティにあふれている人。女性や若者の採用も積極的に考えたいと思っています」

オガールを起点に、地域全体に楽しい循環が生まれるまちづくりをめざす紫波町。

地方での新たなライフスタイルを模索している方、そして、UIJターンコーディネーター、タウンイノベーターに興味のある方は、下記より募集要項をご覧ください。

紫波タウンイノベーターズ

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