岩手町ってどんなところ?
ホッケー、彫刻、キャベツ、短角牛、やまと豚、焼きうどん…まちの名物をなんとなく知っていても、実際にまちに住む人々がどんな暮らしを送っているかはなかなかイメージしづらいもの。
今回の記事は、岩手町の暮らしがちょっと身近になるまちあるきレポートです。岩手町出身の大学生・瀧本佳央さん(20)に、慣れ親しんだ商店街やお気に入りのスポットなど、まちの日常風景を案内していただきました。
▲春休みで帰省中の瀧本佳央さん。現在は都内の大学に通っています
地元食材を使ったレストランでランチ
まず訪れたのは、まちの中心部にある大町商店街。江戸時代の蔵を改装したレストラン「蔵御膳 らく丸」で、ランチをいただきました。
「蔵御膳 らく丸」は、地産地消をテーマに地元食材を豊富に取りそろえており、老若男女が訪れるまちの有名店。
この日、瀧本さんがいただいたのは「いわてまちハンバーグ」。岩手町産やまと豚と春系キャベツ「いわて春みどり」のハンバーグに、ブルーベリーワインと地元のみそを隠し味に入れたデミグラスソースの煮込みハンバーグです。
▲食材が豊富な岩手町ならではの地産地消ハンバーグ
同敷地内のコミュニティスペース「わくわくサロンじょい」には、1933年5月に新渡戸稲造が書いた直筆の書「union is power(団結は力なり)」が飾られています。1933年3月は三陸大津波があり、復興へのメッセージとしてこの書を送ったのだそうです。
▲お話を聞いたのは「蔵御膳 らく丸」や「わくわくサロンじょい」などを運営する有限会社ひょうえもんの柴田和子さん
町民に長年愛される老舗
ランチのあとは、商店街をおさんぽ。
こちらの大森商店は、昭和28年から続くお味噌屋さん。国産大豆と米・大豆・食塩のみを使い、着色料も保存料も一切使用しない本物の天然味噌を造っています。
▲麹の量が多い発芽玄米みそは、甘みがあり和え物などに良くあう。極上大盛みそは2年熟成させて店頭へ
奥さまの大森京子さんのご両親が創業。元は麹屋だったそうです。
▲大森商店の大森さんご夫妻
次に訪れたのは岩手町町民のソウルフードとなっているお団子屋さん「西田商店」。元々は雑穀店を営んでいましたが、昭和54年に団子屋として創業したお店です。
▲西田商店の4代目・西田拓広さん
瀧本さんも小さい頃からこのお店に通っていて、お正月には西田商店のもちをいつも頼んでいたのだそう。創業当時から、たれも分量も変えていない「やきだんご」をいただきました。
▲「コゲがアクセントになっておいしい」と瀧本さん
数日経つと味や食感が変わるため、発送などは行っておらず、ここに来ないと食べられない味です。
「小さな頃にお母さんと一緒に来ていた子たちが、お母さんになって子どもを連れてきてくれるのが嬉しい」と、店主の西田さんは話します。
まちを見下ろす展望台
最後は瀧本さんお気に入りのスポット「石神の丘美術館」の展望台へ。
▲「石神の丘美術館」を中心に、アートにも力を入れている岩手町
展望台へ向かう途中には、ところどころに石の彫像が設置されています。瀧本さんは、小学校時代にこの石彫の画を書いて、佳作に入ったこともあるそうです。
▲「石神の丘美術館」の展望台からまちを見下ろす
展望台から見渡したまちの奥に見えるのは、東北新幹線の「いわて沼宮内駅」。東京から約2時間30分とそれほどアクセスは悪くないものの、開業からこれまで、日本で最も年間乗降客数の少ない新幹線駅となっています。
瀧本さんは今年、この駅内のホールで成人式を行い、新成人代表の挨拶も瀧本さんがスピーチしました。
「成人式の写真撮影は駅の階段で行います。大学へ入学するときにも、この場所から東京に向かったり、何かの節目をこの駅と過ごすことが多いです。乗降者数はワースト1ですが、私にとってはとても思い出深い場所です」と話します。
岩手町の日常はどこか懐かしく、住む人のあたたかさが感じられる今回のまちあるきレポートでした。
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