PHOTO LABとおかまち イベントオープニング!
お昼過ぎ、会場に続々と参加者が集まってきます。イベント最初の写真講座の会場は、古民家レストランの「澁い」。
この建物は、松代町の歴史ある旅館「松栄館」でした。これを、「平成28年度ふるさとづくり大賞 内閣総理大臣賞」も受賞した建築デザイナー、カール・ベンクス氏が再生し、1階部分はカフェ&レストランとして営業しています。
まずは、イベント主催者である十日町市役所の高橋剛さんがイベント開催の趣旨と、十日町の魅力について紹介。その後、集まった参加者が自己紹介や、十日町との関わり、どんな写真を撮ってみたいかなどを話しました。市内からの参加者だけでなく、県内近隣市や、東京からの参加者もいてバラエティ豊かなメンバーとなりました。
今回地域を案内してくださる、地区コーディネーターの3名も自己紹介。松代峰方(みねかた)地区は、地域復興支援員である、里山プロジェクトの小山友誉さん。松代中部地区は、十日町市地域おこし協力隊の吉川裕子さんと、地元在住で様々な活動を行う富澤惠子さんです。
自己紹介が終わると、早速写真撮影講座です。県内を中心にプロカメラマンとして活躍するサンタ・クリエイト代表の山田努さん(市内在住)を講師に招き、「暮らしを伝える写真講座」が始まります。
講座では、写真を撮る際の視点や被写体の考え方、色の違いなどをレクチャー。短い時間の中でしたが、参加者は山田さんの撮影した作例を見ながら、真剣に話を聞いていました。
いよいよフィールドワーク開始!
講座の後は、3つの班に分かれて峰方地区、松代中部地区でのフィールドワークです。運営側からは「フィールドワークの目的は”暮らしを伝える”写真を撮ることですが、そのためにも地域の人と交流することで、その暮らしを感じてください」と話が。それぞれ車に乗り込み地区へ移動しました。
松代中部地区では、実際に地元の方のお宅にお邪魔して、お茶のみをしました。地元のお母さんたちが作った、美味しい料理をいただきながら話を聞き、思い思いに写真を撮ります。さらに、畑でトウモロコシの収穫体験をさせてもらったり、田んぼの作業を見学させてもらったりと、参加者は普段この地域の方々がしている暮らしを体験しながら、写真を撮っていました。
峰方地区は山の斜面に集落ができているため高低差が大きいことが特徴のひとつ。地域の方のお宅にお邪魔して、昔は牛を飼っていた納屋や、薪置き場などを見せてもらい、近くの畑まで歩きながら、美しい里山の風景を撮影して回りました。地域の方のお話ひとつひとつに耳を傾けると、景色もまた違って見えます。
芝峠温泉 雲海でさっぱり
フィールドワークの後は、芝峠温泉「雲海」で汗を流しました。
温泉からは、「八海山」「巻機山」「苗場山」などの魚沼連峰を一望できます。湯船に浸かりながら初夏の緑に癒された参加者。ここで初日は一旦解散となり、希望者は揃って交流会へ向かいました。
「澁い」にて交流会
写真講座の会場となった「澁い」にて交流会。地域のおばあちゃんやおじいちゃんも参加してくださり、参加者同士のみならず、地域の方との話も盛り上がりました。さらに、フィールドワークで収穫したトウモロコシもあり、それぞれ自ら採ったトウモロコシの味を楽しんでいました。
地元の方からは「若い人がイベントで大勢来てくれて嬉しい」、「雪はごーぎ(※)だけども、人が優しくて、お米も美味しくていいところだよ」、などの声も聞くことができました。
※ごーぎ:十日町の方言で「すごい」や「とても」の意味
交流会は美味しいご飯とお酒で大盛り上がり。講師の山田さん作成の「十日町の四季」のスライドショーの鑑賞や、地域に実際に暮らしている方と交流できたことで、さらにたくさんの十日町の魅力に触れていました。
2日目は雲海撮影からスタート !
2日目の早朝4時、希望者による雲海鑑賞と撮影が行われました。芝峠温泉「雲海」の近くが雲海スポット。この日は、うっすら出ていた「雲海」を見ることができました。参加者は思い思いに撮影。朝のひんやりとした空気感や早朝のやわらかい光でまた違った雰囲気の写真が撮影できたようです。
1日目の振り返り
朝9時、松代中部地区のコーディネーターである富澤さんのお宅に集合。2日目の撮影の前に、講師の山田さんから昨日撮影した写真のフィードバックがありました。昨日撮影した写真から各自10枚ずつ選び、それぞれについてプロの目線での評価やアドバイスを頂ける貴重な体験。写真は同じ地区を撮影していても、参加者それぞれの目の付け所が異なっていて皆さんとても勉強になったようでした。
2日目フィールドワークスタート!
2日目のフィールドワークは、希望する地区を回れるよう3班のメンバーを少し入れ替えて行われました。 松代中部地区は朝市からスタート。曜日限定でやっている小さな朝市ですが、新鮮な野菜が沢山並び、絶えずお客さんがきていました。そこからは班ごとに自由行動。あいにくの雨で「人がいるかな?」と心配しつつも、地区を車で、徒歩で回りながら、地域の人と交流する時間になりました。
松代中部地区を散策中に出会った赤いヘルメットがキュートなお母さん。「お父さんの土地で畑をしてるのよ~」と笑顔で話をしてくれ、地区の歴史を教えてくれました。一つ一つの出会いが十日町の魅力である人の温かさを教えてくれました。
峰方地区は、地区の人に案内してもらいながらブナ林を散策。自然と共生している地域であることを再認識できた時間でした。
「雲海」にてワークショップと2日間の振り返り
約2時間のフィールドワークを終え、芝峠温泉「雲海」に集合です。この2日間の振り返りを、地元のお母さんたちが作ってくださったお昼ごはんを食べながら行いました。この為に作ってくださった料理は、地元の食材をふんだんに作った郷土料理。どれも美味しく参加者は大満足。舌でも地域の魅力を感じていました。
お腹がいっぱいになった後は、グループに分かれてワークショップ。この2日間を踏まえ、グループごとに「十日町の魅力」と「フォトブックタイトル案」を話し合い、発表・共有しました。
1つ目のグループのタイトル案は「だーすけ好きなんそ、十日町!」。
「だから好きなんだ」という十日町の方言を使い、フォトブックを通してどうして十日町が好きなのか、を伝えたい、と発表しました。
2つ目のグループの案は「とんでこい!十日町!」。
「走っておいでよ」という十日町の方言をタイトルに使い、フォトブックを通して十日町へ行きたくなるような魅力を伝えたい、と話していました。
3つ目のグループのタイトル案は「ふところろ 十日町・やさしさのひみつ」。
フォトブックを通して十日町の人やまちの懐の広さを伝えたい、と発表しました。
さらに、参加者がそれぞれの感想を共有しました。参加者からは「地域の人とふれあうことができ、また来たいと思った」という声や「写真の撮る際の視点を学ぶことできた」などの声が上がり、満足度の高い様子がうかがえました。
最後に今回、地区を案内していただいたコーディネーターのうちお2人からもお話がありました。
里山プロジェクトの小山さんからは、「次に一人で来ても、きっと十日町のひとは温かく迎えてくれます。また来てください」。そして地元の富澤さんからは、「里山は天と地の境界線。草刈りや手入れを頑張っているところとありのままの自然が残っているところに境界線がある、それが里山なんです」と、里山での暮らしを維持していくには、地元の人たちの手入れが必要だと参加者にお話されていました。
最後に記念撮影!
参加者それぞれがたくさんの十日町の魅力に触れ、さらに写真の技術も向上させることができた2日間でした。
この「PHOTOLAB とおかまち~暮らしを伝える写真講座~」で参加者の撮影した写真をもとに、十日町の暮らしと魅力を伝えるフォトブックを制作します。撮影イベントは全2回を予定。次回は冬編で2018年の1月に開催予定、参加者の募集は2017年の11月頃からを予定しています!