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2021年1月31日 ココロココ編集部

【協力隊募集中!】二本松市「岳温泉」ってどんなところ?地域で活躍する方々にお話を伺ってきました。

福島県二本松市にある岳温泉は、日本百名山でもある安達太良山(あだたらやま)の麓にある温泉街です。

二本松市では、岳温泉の地域活性化に取り組む地域おこし協力隊を2名募集しています。今回は、その募集イベント「地域おこし協力隊 現地見学説明会・オープンキャンパス~二本松市編~」を訪ねました。

二本松市とは?岳温泉とは?

岳温泉

二本松市は、福島県の中央に位置し、かつては城下町として栄えたことから、霞ヶ城公園などの歴史的遺産や、福島県重要無形民俗文化財の「二本松提灯祭り」、日本最大級の菊の祭典「二本松の菊人形」など観光資源も豊富です。

観光客に人気のシャワーウォーク

観光客に人気のシャワーウォーク

では、今回地域おこし協力隊を募集する岳温泉とはどんなところなのでしょう。岳温泉には、江戸時代から続く長い歴史と共に、その土地の先人たちが築いてきた特有の文化やコミュニティがあります。

「湯守(ゆもり)文化」
湯守は、源泉と引き湯に関わること全ての管理を任されている岳温泉には欠かせない存在です。標高1500m付近の源泉での作業をはじめ、湯樋(ゆどい)と呼ばれる温泉が通る管のメンテナンスや登山道の整備まで、その仕事は多岐に渡ります。特に積雪の多い冬季間は過酷なもの。危険を伴いながらも毎年作業を行っています。

「ミルキーデイ」
毎週月曜日は、湯守たちが「湯花流し(ゆばなながし)」という、湯樋に付着した湯花を流し落とす作業を行っています。いつもは透明な温泉ですが、この日はミルクのような乳白色のにごり湯となるため「ミルキーデイ」と呼ばれており、温泉成分もいつもより濃厚だとか。 

湯花流し(ミルキーデイ)

「岳コミュニティ」
いろんな人が新しいことに挑戦できる場所として生まれ変わりつつある岳温泉。近年はプロのスノーボーダー、アーティスト、地元の大学生、移住者など、全国から様々な活動をする人たちが集まるコミュニティが生まれています。同地域には二本松青年海外協力隊訓練所もあり、訓練生が活動の一環として街づくりに関わっているそうです。

岳温泉観光協会では、観光情報に加えてこうした地域の歴史や文化、温泉街のリアルな日常などをHPで紹介しています。
岳温泉観光協会:https://www.dakeonsen.or.jp/

岳温泉観光協会ホームページ

地域が求めることとは?地域おこし協力隊の仕事紹介

岳温泉街

岳温泉地区では、近年閉店するお店が増えており、温泉街としてのにぎわいや地域力が低下しているという課題を抱えています。この3~5年は特に、街の生き残りが決まる正念場だと地元の方も考えているそうです。

そのため、岳温泉の魅力を活かした商品の開発や、温泉街の再ブランディング、観光に関する企画・マーケティングなど、街に人を呼び込み、地域を一緒に盛り上げてくれる仲間を募集しています。2020年12月現在、岳温泉では2名の地域おこし協力隊が活動しています。今年度は二本松市の地域おこし協力隊8名(企画当時)が連携し、「菊のまち」の新しいPRとして「菊手水」という取り組みを行ったとか。市内全域でのこうした取り組みは初めてで市民の皆さんにとても喜ばれたそうです。

菊手水

菊手水

イベントに参加してきました!地域の方々と現地を散策!

2020年11月20日(金)二本松市・岳温泉で地域おこし協力隊 現地説明会「地域の担い手オープンキャンパス~‟二本松市”にいこう編~」が開催されました。

このイベントは、実際に街を歩きながら、先輩移住者の体験談も聞きつつ、暮らしや仕事のイメージをつかもう!というもの。横浜や東京、札幌などから5名の参加者が集いました。

観光協会や温泉街の空き店舗など、活動にまつわる場所を見学。そして、観光アクティビティにスポットを当てた温泉宿、岳温泉の老舗旅館、名物お菓子を製造・販売する和菓子屋さんなど、まちづくりに携わる地域の人々を訪ね、地域の歴史や現在の取り組み、今後の課題などについて詳しくお話を伺いました。

オリエンテーションの様子

オリエンテーションの様子

岳温泉観光協会の加藤さんが街を案内

岳温泉観光協会の加藤さんが街を案内

岳温泉神社

「岳温泉神社」。街の守り神として地元の人たちに昔から愛されています。

花かんざし

老舗旅館の「お宿 花かんざし」。情緒豊かな宿に一同うっとりです。二瓶さんが、街づくりにかける思いを語ってくれました。

よろずや

地元民の憩いの場「よろずや」。40年続くこの居酒屋で秘密の会議が繰り広げられるとか!

岳温泉観光協会

地域おこし協力隊の活動拠点である岳温泉観光協会。

参加者の皆さんと感想交流

参加者のみなさんは、協力隊として着任した後をイメージしながら地元の人と語り合っていました。

協力隊の丸田さん

地域で活躍する現役協力隊から活動紹介も聞かせていただき、意見交換も行いました!詳しい活動内容を聞けて実感が湧きますね!

地域の方々を紹介!

二本松市役所 高橋久美子さん

二本松市役所 高橋久美子さん
地域おこし協力隊の担当を務める高橋さんは、「行政だけではできないような、柔軟な地域おこし策で地域が元気になればと期待しています」と話します。イベント当日は二本松市、岳温泉の概要や暮らしについて丁寧に説明をしていただきました。

鈴木安太郎さん

温泉宿「mt. inn(マウントイン)」 代表 鈴木安太郎さん
5年前にUターンしたという鈴木さんは、温泉宿「mt. inn(マウントイン)」を経営しながら、岳温泉観光協会の理事を務めます。「地域おこし協力隊と一緒にふるさとである岳温泉の活気を取り戻したいと思っています」。

老舗旅館「お宿 花かんざし」二瓶明子さん

老舗旅館「お宿 花かんざし」 二瓶明子さん
「お宿 花かんざし」の女将 二瓶さんは、岳温泉観光協会の代表理事でもあります。「岳温泉はこれまで天災や戦禍に何度も見舞われてきたのですが、その度に先人たちが街を復興させてくれて、今があります。だから自分も力になりたいとの思いからこの地域の町づくりにも取り組んでいます」

「玉川屋」渡辺茂雄さん

「玉川屋」代表 渡辺茂雄さん
岳温泉の名物「くろがね焼き」を作る和菓子屋を営みながら、登山ガイドとしても活動。観光協会の一員として街づくりにも関わっています。かつては岳温泉の源泉を守る「湯守」としても活躍されていました。「山が好き」「温泉を守りたい」という想いを燃やしながら、地元の歴史や人の想いを伝え続けています。

岳温泉で活動する先輩隊員のリアルな体験談

一人目は鈴木祐太さん。神奈川県出身ですが、お母様が二本松市出身。子どもの頃に登った安達太良山の記憶がずっと心に残っていたそう。 そして東日本大震災をきっかけに協力隊に応募しました。

着任後は、インバウンド事業に携わり海外出張を経験。現地の旅行会社に岳温泉をPRするなど、観光誘致先を開拓していったそう。「ふるさとCM大賞」という大きな事業も担当し、地域の魅力を伝えるために市内を奔走。おかげで仲間が増えたといいます。

その他にも野ウサギ追い体験イベントやサイクリングネイチャーツアーなど多くのイベントに携わり、周りの人と協力しながら苦労を乗り越えてきたそうです。

鈴木さん曰く「3年間は思っていたよりも短い」とのこと。限られた任期をどう使うか、ざっくりでも過ごし方をイメージするといいかもしれませんね。

二人目は丸田陽加里さん。広島県出身、横浜育ちの丸田さんは、「新卒で大手機械メーカーに就職し、福島県郡山市の支社に勤務していましたが、安達太良山が好きすぎて移住しちゃいました!」と元気に話してくれました。

丸田さんの主な活動は情報発信を通じた岳温泉のPRです。インスタグラムやSNSの運用、スタイリッシュなWebサイトの制作、山好きのハートを掴む「山旅」という誘客事業や動画制作など。山好きの丸田さんならではの視点を活かし、様々なアイデアを形にします。もちろん、デスクワークだけでなく実際にPRチラシを手配りすることも。こうした地道な努力が実を結び、現在はSNSのフォロワー数が増加するなど、情報発信が強化されたそうです。

丸田さん曰く「地域の人との関係性づくりについては、実際に地元の飲食店にご飯を食べに行くなど、顔の見える関係をつくることが大切」。何度も顔を合わせる機会を作るなど、ここでも地道な努力が大切なんですね。

二本松市・地域おこし協力隊募集中!

歴史ある岳温泉を守り、先人たちの想いをつなぐ地域の人々と、まちの魅力を活かして新しいことに挑戦する地域おこし協力隊。引き継がれた文化と新しい文化が融合する岳温泉だからこそ生まれる、新たな地域づくりに一緒にチャレンジしませんか?

二本松市 岳温泉での地域おこし協力隊に興味がある方は、こちらをご覧ください。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

人と風土の
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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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