記事検索
HOME > 編集部コラム > 土地 > 半島 >
2018年11月11日 奈良織恵

半島と私

$title;

こんにちは。
ココロココ編集部、半島暮らし学会房総半島担当の奈良です。
先日初めて能登半島の先っちょ、珠洲市に行ってきました。
※数年前から「半島の先っちょで〇〇を叫ぶ」という企画をしているので、私も能登半島の先っちょで叫んできました。

最近ことあるごとに「半島、半島」といっている私。
仲間とともに「半島暮らし学会」(←勝手学会)まで立ち上げて、ゆるやかに活動をしているわけですが、「なぜ半島なのか?」と聞かれると、なかなか、ひとことで明確には答えられません。

ざっくり考えると

1.ポテンシャルを感じる
2.中途半端が好き
3.遺伝子レベルで惹かれる

の3点です。

1.ポテンシャルを感じる

これは、単純に「島」と比較して、全然注目されていないから「掘り下げ甲斐」「盛り上げ甲斐」があるということです。
「島」には、離島をテーマにした「離島経済新聞」のようなメディアもあるし、「アイランダー」みたいに、全国の島好きが集まる大きなイベントがありますが、半島にはそういうものがありません。
三方を海に囲まれて、個性的なカタチをしてて、海も山もあって、独自の文化もあって…超面白いのに注目されていない!というのが半島の魅力です。


2.中途半端が好き

「島」は定義がはっきりしていて、日本国内には418個の有人離島があり、無人を入れると6852個と明確に言えるのですが(※数値は離島経済新聞HPより参照)、半島は日本に〇個という明確な定義がありません。国土交通省の方でも、おそらく正確には答えられません。

また、島に住んでいる人は、「自分は島人である」という自意識がありますが、半島に住んでいる人には「半島人」の意識は希薄です。
そもそも、陸続きなので、半島エリアと半島以外エリアの境界線も曖昧です。

私自身は、(社会人としてどうなのかとは思いますが)比較的、モノゴトの境界線が曖昧で、グラデーションを好む人間です。仕事とプライベートも混同しがちだし、何でも白黒つければいいってものではない、という考え方。
好き嫌いもそんなにはっきりしていないし、優柔不断であるともいえます。

海も山も好き、街も田舎も好き。
そんな私にとって、いろんなものが許容される、半島の多様性と包容力が魅力なのかもしれません。


3.遺伝子レベルで惹かれる

「遺伝子レベルで」というのは、うまく説明ができないときに便利な言葉です(笑)。
要は、理由はよくわからないけどなぜか好きということですね。

恐れ多くも「半島暮らし学会」ということで「学会」を名乗っているにも関わらず、何も研究せずに、単純に遺伝子のせいにしてしまっていいのか?という疑問はあるのですが・・・
でもなぜか、半島の話をしていると、複数の人がこの「遺伝子」「DNA」というワードを口にするんです。

山があると頂上を目指して登りたくなるように、半島があればその先っちょに行きたくなる…
そんな何かがあるのかもしれません。


ちなみに、この文章は、房総半島から東京に戻るバスの中で書いています。
普段なら90分で程度なのに、今日はアクアライン大渋滞により4時間以上かかっています。
昨日までは能登半島にいましたが、のと里山空港から羽田まではたったの1時間、ドアtoドアでも3時間はかかりませんでした。
遠いと思っていた能登半島が近くて、近いと思っていた房総半島が遠い。
交通手段や渋滞状況なども鑑みて、半島アクセスマップをつくりたいなぁ。

ということで、渋滞するバスの中で、半島について考えたのでまとめてみました。

奈良織恵
記事一覧へ
私が紹介しました

奈良織恵

奈良織恵横浜市出身、東京都港区と千葉県南房総市の2拠点生活。 両親とも東京生まれ東京育ちで、全く田舎のない状態で育ったが、父の岩手移住をきっかけに地方に通う楽しさ・豊かさに目覚める。2013年に「ココロココ」をスタートし、編集長に。 地方で面白い活動をする人を取材しつつ、自分自身も2拠点生活の中で新しいライフスタイルを模索中。

人と風土の
物語を編む

 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

人と風土の物語を編む