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2015年7月3日 大川 晶子

「よしかナイト ~有機の里・吉賀町の獲れたて野菜ゴロゴロカレーを食べる~」イベントレポート

有機農業の里として知られる島根県吉賀町。中国山地に抱かれ、山口県と広島県に隣接しています。島根県吉賀町役場産業課と一般社団法人村楽が主催し、吉賀町の魅力を伝え、地域おこし協力隊を募集するイベントが6月27日(土) に東京・神田にあるシェア型複合施設「the c」で開催されました。

※島根県吉賀町の地域おこし協力隊の募集は、6月29日(月)で締め切りました。
詳細:一般社団法人 村楽http://www.sonraku.org/yoshika

イベントは、第1部の吉賀町地域おこし協力隊相談会(個別相談)と第2部の交流トークセッションとの2部構成。第2部の参加者は、Iターン希望者や環境社会学を専攻する大学院生、有機野菜に興味がある人など。30人弱の参加者が吉賀町の魅力に触れました。

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まず、中谷勝・吉賀町長が有機の里「吉賀町」についてアピールしました。
東京23区の半分ほどの面積を有し、92.2%が森林という吉賀町は、大井谷の棚田が棚田百選に選ばれるなど、美しい自然に恵まれています。今では町全体で取り組んでいる有機農業は、30年ほど前から柿木村地区で始まりました。 また、子育て世代のサポートに取り組んでいて、給食費と保育料完全無償化し、高校卒業まで医療費を全額助成しています。 食育にも取り組んでいて、学校給食で吉賀町産の自給率は、米100%、野菜50%です。 子どもが健やかに育つのにぴったりな環境だということが伝わってきました。

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続いて、島根県吉賀町役場産業課の長藤朋弘さんが「吉賀町地域おこし協力隊 募集・採用の説明」を行いました。
「有機の里として町おこしをしている吉賀町ですが、人口減少と少子高齢化で地域の産業を担う人がいないのと、外からの視点で吉賀の地域素材の良さに気づいてもらおうというのが狙いです」と長藤さん。

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今回、地域おこし協力隊は「地域ブランド化推進員」と「椎茸生産促進研修員」が募集されました。
「地域ブランド化推進員」は、生産者・加工者・流通販売事業者をつなげる仕事で、例えば、野菜を作りすぎてしまった生産者を加工者に紹介して製品化するような仕事をイメージしています。 「椎茸生産促進研修員」は、吉賀町の特産品である椎茸に関する業務で、菌床椎茸の生産技術を学び生産活動を行います。 どちらも、地域活動への参加や協力隊同士の連携が図れる人、という要項のほか、それぞれの任務に求められる条件が発表されました。

応募は6月29日(月)で締め切りましたが、詳しい募集要項や問い合わせ先は、 一般社団法人 村楽のホームページhttp://www.sonraku.org/yoshikaをご覧ください。

また、今回の地域おこし協力隊の募集に際して行われる「よしかツアー」の案内もありました。
7月11日(土)午後から12日(日)午前まで、町の概要や配置先の様子、業務概要などを知ってもらうため、現地ツアーを行う予定とのことで、こちらの詳細も上記HPに掲載されています。 スライドを使って、この「よしかツアー」でまわる場所の見所をレポートしてくれました。

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ゲストプレゼンテーション・トークセッション 「よしかの魅力を語ろう。」では、中谷町長と長藤さん、そして吉賀町産業課課長の山本秀夫さんの三名が、改めて吉賀町の魅力をアピールし、その後、参加者からの質問に答えました。
山本さんが、「よしか米」のブランド化に取り組み、米粉を使ったういろうや愛知の製造会社と協力して吉賀町産の米でみりんを作っている話をすると、参加者から「米を使った化粧品などの開発をする予定はないですか?」と吉賀町の取り組みに興味を持った質問が寄せられました。 現在はその予定はないそうですが、今後は外からの意見を取り入れながら開発をしていくそうです。

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そして、皆さんお待ちかね!
交流タイムでは、大阪の薬膳カレーの伝道師あらため、神!の畑田昌輝さんによる薬膳カレーが振舞われました。 会場内に入るなり、カレーのおいしそうな香りが漂い、ずっとその香りに包まれながらイベントが行われていたのです。 使用する野菜と米はすべて吉賀町産。地域アドバイザーの千田良仁さんからの「吉賀町の野菜で料理を作って欲しい」という依頼で作られました。

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「依頼を受けて調べたら、吉賀町は有機野菜の里とのことで嬉しくなりました」と畑田さん。
「栄養たっぷりの食事を食べることで、おいしさはもちろん、体の調子がよくなるのを実感して、レシピや素材、さらには生産者さんにまで興味を持ってくれたら」と願いを込めて料理しています。 そして、「今後は地域で余っていたりするものを活用して商品開発をしていきたい」と話していました。

今回振舞われた薬膳カレーは、米とカレールーだけでも70品目が摂れ、動物性脂を一切使用していません。 吉賀町の熟成味噌と普通の味噌をそれぞれ仕上げに使い、2種類の味のカレーが振舞われました。 カレーはコクがあり優しい味で、体の中がじわじわ暖かくなるのを感じました。 吉賀町の米と雑穀を混ぜたご飯は噛みごたえがあり、一皿でお腹いっぱいに。

吉賀町のおいしさが詰まったカレーを囲んで、参加者同士や吉賀町の方々と話が弾み、吉賀町の魅力十分に味わえたイベントとなりました。

大川 晶子
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大川晶子

大川 晶子1986年、静岡県三島市生まれ。エディター・ライター。 京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科(近代建築史専攻)を卒業し、住宅やインテリア雑誌の編集部を経てフリーランスとして活動しています。たくさんの人・もの・ことに触れてその魅力を伝えることで、一人でも多くの方の暮らしをより豊かなものにできたらと思っています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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