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2016年1月20日 ココロココ編集部

信州・信濃町の地域資源と魅力を探る

北の妙高山を背に、東西南北を5つの名峰「北信五岳」に囲まれた高原の町、信濃町。中心に野尻湖の清流をたたえる山と水の里は、年間を通したレジャースポットとして古くから親しまれている。

信州を題材とした数々の名句を残した俳人・小林一茶の生まれ故郷でもあり、自然の宝庫に育まれた独自の文化が今も息づいている。

町内の中心部には、上信越自動車道の信濃町インターチェンジがあり、東京からは車で約3時間半、北陸エリアからは2時間ほどと、アクセスが良いのも魅力だ。

四季折々の豊かな恵み

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長野県の北端に位置する信濃町は、相原村・富士里村の合併後、信濃尻村・古間村が仲間入りする形で、1956(昭和31)年に誕生した人口9千人の町。

四方にそびえる北信五岳の雄大な山並みと、野尻湖に抱かれた高原地帯は、春は山菜採り、夏は釣りやカヌー、秋はきのこ狩り、冬はスキーやスノーボードと、四季折々のアウトドアレジャーを楽しめる名所として、多くの観光客を魅了している。

山々の裾野に広がる深い森は、林野庁より「森林セラピー基地」に指定されており、昔ながらの散歩道を整備した「癒しの森」の散策コースもお勧めのスポットだ。黒姫高原から日本の滝百選、地震滝(苗名滝)までを歩くロングコースや、リョウキンカが群生する湿原を抜けて御鹿池を中心に散策するショートコースがあり、「森林メディカルトレーナー」の資格を持つ町民ガイドによる様々なプログラムを体験できる。

清らかな水と澄んだ空気、有機質たっぷりの火山灰土。標高の高い良質な環境で育まれたトマトやトウモロコシなどの高原野菜も美味しい。温度差の激しい寒冷地ならではの香り高い“零下そば”や“コシヒカリ”も町を代表する特産物として知られている。

 

俳人・文人に愛された歴史と文化の町

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自然が織り成す風景や、農村の暮らしを詠った俳人・小林一茶の生まれ故郷であり、終の住処でもあった信濃町は、古くから多くの俳人・文人に愛されていた。小丸山公園の「一茶記念館」や小林家の墓がある「俳諧寺」など、一茶の原点となった風景とその足跡を辿れる地でもある。

また、1962(昭和37)年から始まり、50年以上続けられている野尻湖湖底発掘では、これまでに大量のナウマンゾウの化石を含む8万点近くの化石遺物が発見されている。出土品のほとんどは、湖畔にある「野尻湖ナウマンゾウ博物館」で展示されており、5万年以上前の太古の世界を体感できる。

 

国内外の交流が盛んな風土

野尻湖の湖畔には、軽井沢の次に古い避暑地として、大正時代から外国人宣教師が移り住んだ「野尻湖国際村」がある。

有名になりすぎた軽井沢の喧騒から逃れようと湖畔に居を構えた彼らは、自然本来の循環に寄り添うシンプルな暮らしを実践。その精神は、当時建てられた木造の古いコテージが250軒、丁寧に修繕を積み重ねて使用されている現在に脈々と受け継がれている。

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近年は、県外から移住した若い世代の動きにも注目が集まっている。信濃町生まれの吉原豪さんが代表を務める東京のWeb製作会社LIGが、2014(平成26)年にオープンした「LAMP」は、1975(昭和51)年創業のサンデープラニング・アウトドアスクールの宿泊施設をリニューアルしたゲストハウス。

どこか懐かしさを感じさせる内装は、壁の塗装から床張りまで、すべてスタッフが手掛け、一泊2700円という破格の宿泊料金を実現。

アウトドアイベントはもちろん、フィリピンから英語講師を招き、一緒に暮らす「フィリピン留学 in 長野」など、年齢・職業を問わず、誰もが参加できるユニークな企画を通して、多様な文化交流を生み出している。

 

まちづくりの新たな担い手

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NPO法人「ふるさと回帰支援センター」の調査によると、長野県は移住希望者の間で人気が高く、ランキング調査でも常に上位を占めている。豊かな自然環境だけでなく、首都圏から近く、これまでの繋がりを維持しながら新たな暮らしを始められるという点も理由の1つ。

子育てに最適な環境を求めて移り住んだ家族から、定年後に長年の願いを叶えようと移住を決意した夫婦、自分に合った働き方や生き方を模索しようと新生活を始めた若者まで、様々な移住者が暮らしている。

信濃町は、地域に眠っている特性を掘り起し、まちづくりに新風を巻き起こしている彼らの存在に着目し、移住者の多様なニーズと、少子・高齢化による人口減少対策の必要性から、住民をはじめ、産業界や行政機関や教育機関、メディア、行政の参画による「信濃町みらい創生会議」を設置。

快適な受入れ体制を整えるべく、空き家の情報発信を行う「空き家バンク」の導入や、町営住宅の提供、就労・起業支援、子育て・教育環境の整備に取り組んでいる。

信濃町ならではの“ありえない”魅力と面白さを届ける移住者支援サイト「ありえない信濃町通信」(https://shinanomachi-iju.jp/)を運営するなど、積極的な情報発信にも努めている。

2016年1月からは、総務省の「地域おこし協力隊」制度を活用して「信濃町プランニングディレクター」の募集も開始。(詳細は:https://cocolococo.jp/6877

信濃町の地域資源を再編集しながら、独自の企画や取り組みを進める新たな担い手に大きな期待が寄せられている。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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