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2016年10月5日 ココロココ編集部

11/20(日)まで開催!「茨城県北芸術祭」に行ってきました!

JRに乗り東京から約2時間。自然に恵まれた茨城県北地域は、里山の原風景が残る常陸大宮市、常陸太田市、大子町の山側の地域と美しい海岸線が広がる日立市、高萩市、北茨城市の海側の地域の計6市町からなるエリアです。

この広い県北地域を舞台として、日本最大規模となる国際的な芸術祭「茨城県北芸術祭」が2016年9月17日(土)から11月20日(日)まで開催されます。今回は6エリアの中から、県北山側の地区の「常陸太田市鯨ヶ丘エリア」を巡り、その後に海側地区の「常陸多賀エリア」に移動して「茨城県北芸術祭」を見てきました。現地の様子や雰囲気をレポートします。

KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭とは

風光明媚な海と山が織り成す豊かな自然に恵まれた茨城県北地域は、かつて岡倉天心や横山大観らが芸術創作活動の拠点とした五浦海岸、クリストのアンブレラ・プロジェクトで世界の注目を集めた里山をはじめ、独自の気候・風土や歴史、文化、食、地場産業など、多くの創造的な地域資源を有しています。

芸術祭レポート

こうした資源の持つ潜在的な魅力をアートの力を介して引き出すことにより、新たな価値の発見と地域の活性化を図るため、日本最大規模となる広大な「KENPOKU」地域を舞台として、国際的な芸術祭を開催いたします。(県北芸術祭オフィシャルHPより)

茨城県北芸術祭公式HPへ

 

出発地点は「常陸太田」駅

常陸太田駅

「常陸太田」駅から出発!駅を出ると感じたのは、空気がとっても美味しいことです!駅前の交差点を北へ進み、坂を登って、高台にある芸術祭の舞台・鯨ヶ丘地区へ向かいます!緩やかな登り坂を500mほど上ったところに、鯨の形をした盛り土のある「鯨が丘ふれあい広場」が見えてきます。

鯨が丘ふれあい広場

広場のところで道路が二手に分かれていて、右側を進むと「鯨ヶ丘商店街」へとつながる道です。左側を進むと芸術祭の舞台、常陸太田市郷土資料館「梅津会館」に到着。

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▲「梅津会館」。外観は「サインズ オブ メモリー2016:鯨ケ丘のピンクの窓」(原高史)の一つとなっている

「梅津会館」は、1936(昭和11)年に当時の久慈郡太田村(現在の常陸太田市)出身の実業家、梅津福次郎による寄付で、「太田町役場」として建てられました。塔屋が付いた鉄筋コンクリートの近代的な建物は、当時「県下一の豪華庁舎」と評判だったそうです。建物の中には当時の役場の様子が再現されていました。

作品鑑賞パスポート

「梅津会館」では芸術祭の作品鑑賞パスポートが購入できました。パスポートは各会場に設置されたスタンプを押せるようになっていて、スタンプを30個以上集めると、県北地域の特産品が貰えるそうです!

パスポートをゲットして2F展示スペースに移動します。中には、カッターで建物部分をくりぬいた型紙のような巨大な茨城県の地図のアートが広がっていました。ニパン・オラニウェーさんの「イ/バ/ラ/キ」です。突如現れる白い地図の世界は圧巻でした!

「イ/バ/ラ/キ」▲「イ/バ/ラ/キ」(ニパン・オラニウェー)

 

鯨が丘地区をのんびり散策

「梅津会館」の外観や鯨ヶ丘地区の建物には、原高史さんのアートが施されていて、のんびりとお散歩するだけでも楽しいですね!鯨ヶ丘地区の街並みを眺めつつ商店街方面に移動します。

鯨ヶ丘地区街並み

リビングルーム

「リビングルーム」に到着です。このアートは、空き店舗に、地域の人たちが持ち寄った日用品を配置することで、街中にオープンな「居間」を出現させるというもの。かつて衣料品店だった「旧コウワ」が地域の協力のもと、創造的な空間に生まれ変わっています。文字通り「居間」ですので、ここで休憩もできちゃいますよ!

リビングルームの一部

ちょっとお腹がすいてきたので、斜め向かいにある「くじら屋」で一休み。くじらの形をした人気のスイーツ「くじら焼き」を購入。味は小倉やクリームなどから選ぶことができてフワフワで美味しかったです!ついつい食べ過ぎちゃいそうです。

くじら焼き

ここ鯨ヶ丘地区は高台にあり坂のある風景がとても美しい街!「木崎坂」「下井戸坂」「板谷坂」「塙坂」「東坂」「杉本坂」「十王坂」があり「太田七坂」と呼ばれていて絶景が楽しめます。鯨ヶ丘地区ではアートはもちろん、どこか懐かしい風景をのんびりと楽しむことができて大満足でした。

板谷坂からの眺め

 

続いて常陸多賀エリアへ!

常陸太田市を後にしてバスで東へ約60分。茨城県北地域では海側にあたる日立市の常陸多賀エリアに到着しました。近くには美しい海岸線が広がる地域です。こちらのエリアではどんなアートに出会うことができるのでしょう。楽しみです!

常陸多賀駅

駅前通りに沿って商店街が広がっています。商店街の中にある「多賀パルコ」は地域の人々の暮らしと賑わいを支えてきました。ここでは空き店舗や通りを活用したアートが街を彩っています。

「エレクトロニコス・ファンタスティコス! in 日立」
▲「エレクトロニコス・ファンタスティコス! in 日立」(和田永)

最初に訪れたのは、古い電化製品を使ってオリジナルの楽器を生み出すアーティスト和田永(わだえい)さんの展示ブース。懐かしいブラウン管のテレビ画面をタッチすると音が出る不思議な楽器でした。大人も子どもも楽しそうに演奏していたのが印象的でした。

「スマイリー・バッグ・ポートレート」
▲「スマイリー・バッグ・ポートレート」(青崎伸孝)

「多賀パルコ」には、レジ袋「スマイリーバッグ」に似顔絵を描いて仕上げた青崎伸孝さんのアートや、県北地域の土地の名前が書かれた懐かしい看板を使った中崎透さんのアートなどが盛りだくさん。

「看板屋なかざき」
▲「看板屋なかざき」(中崎透)

 

「旧筑波銀行」ブース

旧筑波銀行

次に訪れたのは、「旧筑波銀行」の建物跡を利用し展示しているブースです。

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▲「ニット・インベーダー in 常陸多賀」(力石咲)

中に入ると、1階ではニットを利用した力石咲さんのアート、2階では廃ビニールやプラスチック素材を使った藤浩志さんのアートが所狭しと展示されていました。

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▲「ポリプラネットカンパニー」(藤浩志)

その発想力とセンスには驚くばかり!私もアートの制作にチャレンジしてみようかなと思ってしまうほど、刺激的な場所です。

 

話題の「カドヤ」へ立ち寄り

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駅に向かう帰りに、常陸多賀のシンボル的な建物「かどや」をリノベーションしたシェアオフィス(店舗)にショップがオープンしたと聞いて、立ち寄ってみました!「森のパン工房」と「café cream」の2店は、イートインもできる気軽に立ち寄れるオシャレな空間でした。

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ホッと一息つける可愛らしいお店で、店内には懐かしいパン焼き機もありました。私は「白玉ぜんざい」と「メロンソーダ」を注文。心もお腹も大満足です。

 

11月20日(日)まで開催!

常陸のおお田守る竜神
▲「常陸のおお田守る竜神」(國安孝昌)

今回まわったどの会場も、芸術祭のディレクター南條史生さんからのメッセージのとおり、海と山が織りなす豊かな自然や歴史と生活に彩られた町の中に「驚きと感動」を誘う最先端の芸術作品で満ち溢れていて、なんだかより茨城県北が身近に感じることができた1日でした!今回は一部をご紹介しましたが、「茨城県北芸術祭」では、他にも魅力的な作品がたくさん展示されています。今年は2016年11月20日(日)までが開催期間となっています。日々に忙殺されて、なかなかリフレッシュできないあなたも、少し足を延ばして美しい県北地域の風景と魅力的なアートの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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