記事検索
HOME > 移住する > Iターン >
2017年4月8日 Furusato

転勤先の静岡市を家族みんなが気に入り定住へ。街と自然、ちょうどいい暮らしを満喫中

能登原信行さんは奥さんとともに岡山県岡山市出身。前職で勤務先が静岡市になったことをきっかけに、2001年に家族で静岡県静岡市へ引っ越しました。その後、2006年には静岡市への定住を決意し、転職に踏み切ります。移住に至るまでの経緯や現在の暮らしぶりなどを伺いました。

家族みんなが気に入り定住を決意

静岡県静岡市にある静岡鉄道株式会社によるビジネスホテル「静鉄ホテルプレジオ」。ここでホテルマンとして、静岡を訪れる人々を温かく迎える能登原信行さん。前職在職時の2001年に転勤で静岡市に移り住んだことから、静岡市との縁が始まりました。転勤で静岡市へ移り住んで5年ほど経ったころ、上のお子さんが小学校に上がる際に、能登原さんは静岡市への定住を検討し始めます。

「以前の職場は転勤がつきものだったため、これまで多くの街で過ごしましたが、静岡市は街のサイズがちょうどいいと感じました。また、食べ物が美味しいところも気に入っています。私は魚の中でも特にマグロが好きなんですが、静岡市はマグロのまちとしても有名で。料理が趣味なので、食材が美味しいのは嬉しいですね。」

休日や夜勤明けには能登原さんが食事を作ることも多いそうです。

▲穏やかな海辺は能登原さんお気に入りの散歩コース▲穏やかな海辺は能登原さんお気に入りの散歩コース

静岡市に定住するにあたり、生まれも育ちも同郷・岡山の奥さまから反対はなかったのか伺うと、

「逆に妻から移住を勧められましたね。暮らしやすさはもちろん、下の子どもがぜんそくを持っていたのですが、静岡市に引っ越してから環境か食事のお陰か要因はわからないのですが症状が治まったので、そのことも大きかったのではないでしょうか。子どもも静岡市が気に入っていましたし、友だちと離れずに済んだので良かったと思います。」

 

好きな仕事はそのままに静岡の会社へ転職

転勤で引っ越してきた当初は、職場の方との繋がりはあったものの、知り合いが全くいなかったので不安だったという能登原さん。幸い、暮らしていたマンション内に子どもの同級生が何人か住んでいたため、子どもを通じて近所付き合いが広がっていきました。子どもたちは今も同じ部活で仲良くしているそうです。

「大変だったのは、子どもを保育園に入れる時でしたね。当時はどの地域も今ほど移住支援が充実していなかったので情報が少なく、何度も市役所に通いました。」

能登原さんは静岡での暮らしの中で、徐々に人と人との繋がりを広めていきました。定住にあたり静岡市内の会社へ転職する際に、その繋がりが力になったと言います。

「ホテルマンの仕事が好きなので、転職でも同じホテル関係の仕事を探すことにしました。静岡市のホテル業界で知り合った人に相談して、現在の職場が決まったんです。」

人の繋がり、そして、ホテルマンという好きな仕事が全国共通だったおかげで、一家の静岡定住はスムーズに進みました。

▲転職により家族が気に入った静岡市に定住へ▲転職により家族が気に入った静岡市に定住へ

 

仕事の充実が生活の充実へ

能登原さんは現在、静岡の鉄道会社が運営するビジネスホテルで働いています。フロント業務に当たることもありますが、主にマネジメントの立場としてホテル全体を支えています。そのほか、静岡の観光協会と提携し、宿泊者が滞在を楽しめるようオススメの観光スポットや飲食店、静岡の方言クイズなどのタブレット向けのコンテンツを制作しています。また宿泊プランの企画にも携わっています。

▲コンテンツの制作など、さまざまな業務に携わっている▲コンテンツの制作など、さまざまな業務に携わっている

「数年前に広めの部屋を活かしてヨガマットやストレッチポールをセットにした健康ルームを企画したのですが、当時の反応はイマイチでした。ですが最近、ヨガマットなどの健康器具の貸し出しが増えているので、ちょっと時代を先取りし過ぎたかなと思っています(笑)。」

また社員教育をする立場にもあり、人が育ち、その人が周りから評価されているのを見ると能登原さん自身も嬉しくなるのだそうです。夜勤明けでお疲れのところインタビューを行いましたが、静岡市の魅力を話す能登原さんの笑顔が印象的で、公私ともに充実した毎日を送っていることを伺うことができました。

 

休日は山も海もある市内でのんびり

▲世界遺産に含まれている三保松原も身近な風景に
▲世界遺産に含まれている三保松原も身近な風景に

定住・転職しての暮らしの変化のひとつに、休みが増えたことが挙げられるそうです。

「夜勤の日も午前中には上がれるので、仮眠をとってから料理や散歩をしたりして過ごしています。休日は市内でのんびり過ごしています。」

子どもと休日が合う日は、“オクシズ”へ行くのが定番なのだとか。“オクシズ”は静岡市の中山間地域の奥大井、奥藁科、安倍奥、奥清水の愛称で、豊かな自然が残っています。「魚魚(とと)の里」でヤマメ釣りをした後に、近くの露天風呂がある日帰り温泉にゆったり浸かるのが、能登原さんも子どもも大のお気に入りだそうです。

▲オクシズのお気に入りの温泉からの風景
▲オクシズのお気に入りの温泉からの風景

散歩も好きで、一人での休日には安倍川沿いを歩き、2時間かけて海まで行くこともあるのだそう。

「海も山も近くにあるのが静岡市の魅力ですね。散歩の途中に土手で読書をしたり、近くの温泉に寄ったりと、外で過ごすことがより多くなりました。行きつけの温泉の裏手を登り、そこから富士山を仰ぐのが大好きなんです。」

静岡の豊かな自然と穏やかな気候が、能登原さんを外へ外へと誘っているのでしょうか。

地元のイベントなどに積極的に参加して繋がりを作ることが大切

静岡市発祥のスポーツ・バルーンバレーボールをご存知でしょうか? コートの大きさとルールはバレーボールと同じですが、ビーチボールを使用し、男性2人以下の男女混合6人が1チームとして行うゲームです。静岡市の学校でPTAの親睦活動として広まったため、子どもがいる方は経験者が多いのだそうです。

▲静岡市で人気のバルーンバレー▲静岡市で人気のバルーンバレー

「高校でバレー部だったのですが、子どもの学校のPTA活動でバルーンバレーボールを体験したらはまってしまいまして(笑)。職場の先輩とともにチームを立ち上げ、15人くらいで活動しています。2016年5月に結成したばかりなので現在は下部のリーグですが、勝ち進んで上位を目指したいですね。」

バルーンバレーボールの魅力は単にスポーツだけにとどまりません。試合の対戦相手のチームと飲みに行ったり一緒に練習したりと、競技を通して地域の交流や繋がりが生まれています。

「転勤で静岡市に引っ越してきたばかりの頃から地域の方がよくしてくれたので、今に繋がっていると思います。移住を検討されている場合は、まずは実際に現地を訪れてみて、イベントやお祭りなどに積極的に参加して繋がりを作ることが大切だと感じています。」

取材先

「静鉄ホテルプレジオ」ホテルマン/能登原 信行(のとはらのぶゆき)さん

転勤で引っ越してきた静岡市の環境を家族みんなが気に入ったため、子どもの小学校入学を機に転職という形で静岡市に移住。前職と同じくホテルマンとして働き、職場ではバルーンバレーボールのチームを立ち上げるなどアクティブに活動している。

静鉄ホテルプレジオHP:http://www.hotel-prezio.co.jp/ekinan/

Furusato
記事一覧へ
私が紹介しました

Furusato

Furusato「Furusato」は、NPO法人ふるさと回帰支援センターが運営するWEBマガジンです。 出身地のふるさとに戻るUターンや地縁のない地方で暮らすIターン、定年退職後の田舎暮らしなど、さまざまな形で都会から自然豊かな農山漁村へ移り住む方々のお手伝いをしています。 各道府県の移住相談員がお待ちしていますので、東京・有楽町のふるさと回帰支援センターまで、お気軽にお越しください! [WEB] Furusato:https://www.furusato-web.jp/ ふるさと回帰支援センター:https://www.furusatokaiki.net/

人と風土の
物語を編む

 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

人と風土の物語を編む