松崎町って?
松崎町は、静岡県の伊豆半島南西部の海岸沿いに位置する総人口6700人ほどの小さな町。町のキャッチフレーズは『花とロマンの里』で、『世界の中心で、愛を叫ぶ』のロケ地としても有名です。変化に富んだ海岸線や豊かな自然環境があり、全国60の町村と地域が加盟する「日本で最も美しい村連合」にも加盟しています。2018年には伊豆縦貫道が開通し、首都圏や各地域からのアクセス性も向上。より気軽に訪れることができる西伊豆のリゾート地です。
産業は、農業をはじめ林業や漁業、温泉資源を生かした観光業が盛ん。史跡も多く残されていて、町内を散策していると、土蔵などでよく見られる「なまこ壁」が施された建物をあちこちで目にします。「なまこ壁」とは壁面に平瓦を並べて貼り、瓦の目地に漆喰を蒲鉾形に盛り付けて塗る工法で、松崎町では今も190棟もの「なまこ壁」の建物が残されています。
町内を散策しているとレトロな雰囲気を感じるスポットが多いことに気づきます。松崎町ではなんと橋にまで「なまこ壁」が!「ときわ橋」には「なまこ壁」と芸術的な漆喰画がコラボレーションしていて、まさに松崎町ならではの風景です。
そのほかにも駿河湾越しに見える富士山や石垣で作られた「石部の棚田」、「田んぼをつかった花畑」として有名な「那賀大規模花畑」など町内は見所がいっぱい。週末になると多くの観光客が、美しい自然を求めて訪れます。
さらに、松崎町は食の宝庫であります。毎日水揚げされる新鮮な魚介類、さくら餅などに使われる塩漬けのさくら葉は、町の特産品で全国シェアの70%を占め、様々な商品にも。そのほか、県内では3番目の生産量を誇るポンカンや、TV番組で数多く紹介された「アサイミート」の川のりコロッケなど、食の話題は尽きません。
貴重な資源を守るためツアーが開催。参加して町をさらに見てきました!
そんな松崎町の地域資源である自然環境と伝統文化の再生体験をするプログラムが3/9(土)・3/10(日)の2日間にわたって開催されているという話を聞き、参加させていただくことに。
まず同行したのは「なまこ壁」の補修体験。現役左官職人でもある中村さんが、丁寧に参加者にレクチャー。悪戦苦闘しながらも徐々にコツをつかみ何度もトライする人も。昔ながらの伝統技法に触れることができるのは貴重な体験であり、やってみると維持していく大変さを感じます。中村さんのアトリエには、漆喰でつくられた数々のアート作品が所狭しと並び、まるで美術館のよう。町の人いわく中村さんが作る仏像などにどことなく可愛らしい表情が垣間見えるのは、中村さんのお人柄によるものだそう。
次に訪れたのは、国の重要文化財にも指定されている「岩科学校」。なまこ壁や唐破風など日本の伝統的な様式にアーチ型の窓や半円形のバルコニーといった洋風を採り入れた伊豆地区最古の小学校です。現在は学校としての役目を終え、一般公開中。館内では、明治時代の教室の様子や左官技法を巧みに融合させた入江長八作の「千羽鶴」が描かれた見事な欄間を見学することができます。おすすめしたいのは、建物中央にある傾斜角60度の階段!壁のように立ちはだかる階段は、登ってみるとスリル満点です!
次に訪れたのは、棚田が残る石部地区。ホタルの里の復元体験を行います。石垣で作られた棚田風景が美しいこの地区では、かつてホタルが乱舞していたそうですが、山林整備できる人手が不足した結果、ホタルは姿を消してしまったといいます。昔のようなホタルの里を復元し、ホタルがよみがえる空間にするため、元小学校教師でもある土屋さんがホタルの復元活動を行なっています。参加者は土屋さん指導のもと山林に入り、枝打ち・清掃・ホタル水路づくりなどを行い、復元作業の体験を行いました。
「半農半ITブートキャンプ」に参加してみませんか
食・建築・農業といった町に残る文化と自然環境。この豊富な資源を次の世代に繋げるべくツアーやイベントを開催しています。この取り組みをさらに盛り上げていくために、「半農半ITブートキャンプ」という新たな取り組みを開始しています。
このキャンプは、自然に囲まれ農ある暮らしを楽しみながら、プロの在宅ワーカーとして活躍したい人を短期間で育成。キャンプ中は、伊豆松崎産の品種「栄久ぽんかん」を生産している農園での収穫作業も行い、農業の後継者育成も視野に入れた活動も。美しい町を活性化させ、場所を選ばない働き方を叶える「ITブートキャンプ」の試み。新しい働き方や農ある暮らしに興味がある方は、松崎町 を訪れてみてはいかがでしょうか。