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2017年9月5日 ココロココ編集部

「あなたにやさしい街うぇるかむ銚子・旭ツアー」に行ってきました!【イベントレポート】

東京と比べて夏はマイナス5度と過ごしやすい気候の千葉県の太平洋側に位置する街、銚子市・旭市。新鮮な野菜や肉、魚など豊富な食材の産地として美しい海がある街並みとして魅力が満載です。その銚子市・旭市を存分に楽しみ体験できるツアーが2017年8月26日(土)と27日(日)に開催されました。田舎暮らしをいつかしてみたい、移住を考えてみたいなど、移住に興味がある人達に向けて開催された「あなたにやさしい街うぇるかむ銚子・旭ツアー」の様子をレポートします。

±5度の気候が過ごしやすい!ツアーは銚子市からスタート!

犬吠埼灯台

東京を出発して車で2時間30分。まず初めに到着したのは銚子のランドマークである「犬吠埼灯台」です。バスを降りてまず驚いたのが、出発した東京都内と比べて涼しいことです!夏は東京と比べてマイナス5度、冬はプラス5度の過ごしやすい気候が銚子市の特徴とのこと。レンガ造りの「犬吠埼灯台」は、2014年に「点灯140周年」を迎え、太平洋を見守り続けています。灯台の中に入ることができ、九十九里海岸にちなんだ99段のらせん階段を上ると灯台の上から太平洋の雄大な景色を見ることができました!また、「犬吠埼灯台」は今年の夏に公開されたアニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のモチーフにもなっていて、アニメファンの聖地巡礼ブームがここ「犬吠埼灯台」にも起こるかもしれません。

子育て環境の良い銚子でカフェをオープン

続いて銚子市役所近くの路地にある「Cafe A plus(カフェアプリュス)」に到着です。「Cafe A plus」の坂尾さんはご夫婦でカフェを経営。ご主人は東京都内で修行し、地元銚子市でお店をオープンするために帰郷。創業するにあたって、銚子市に空き店舗活用事業補助金制度があることを知り、市の制度を利用しカフェのオープンに至ったとのこと。東北出身の奥様も銚子での暮らしや子育て環境の良さを気に入っているそうです。

「Cafe A plus」

お店には銚子の食材を使用したメニューがたくさん!今後は銚子のキャベツを使ったシュークリームを考案中とのこと。参加者はここでランチタイム。ジューシーなチキンステーキや地元産メロンをつかったシャーベットがとても美味しかったです!

坂尾さんご夫妻

地元市民交流の場「銚子セレクト市場」でゲストトーク!

続いて向かったのは「銚子セレクト市場」。「銚子セレクト市場」はお土産や農産物・水産物を販売する地域密着型の商業施設。カラオケ大会やビアガーデンなどのイベントが開催されたり地元醤油を使用した健康レシピセミナーが開催されるなど、地域住民同士や地域住民と外部から来る方の交流の場にもなっているのが特徴。ここでは2名のゲストからお話を伺いました。

銚子に移住された伊藤貴明さん

まず、移住者の伊藤貴明さんからは移住の体験談やお仕事についてお話を頂きました。埼玉県出身の伊藤さんは日本で唯一の手作りゴム風船の工場「伊藤ゴム風船工業所」に勤務。もともと田舎暮らしがしたいという思いがあったそうで、自動車のデザイン関係の経験もあり職人気質な伊藤さんは、インターネットのサイトでたまたまみつけた風船職人の仕事が銚子市にあるということから移住を決意。今では風船職人の後継者として日々奮闘しています。伊藤さんは今後について、風船を使ってさらに銚子を盛り上げていきたいと話していました。加えて、銚子の人たちは人懐っこい人が多く外部の人でも地域に溶け込みやすい、移住者を受け入れる体制が整っている、とご自身の経験も踏まえてお話しているのが印象的でした。

「NPO法人ちょうしがよくなるくらぶ」の亀野陽太郎さん

続いては、「NPO法人ちょうしがよくなるくらぶ」の亀野陽太郎さんです。「NPO法人ちょうしがよくなるくらぶ」では、「ちょうしがよくなるまち銚子」を実現するための情報発信を行うことで、健康に対する意識や毎日の行動を変える商品を提供しています。例えば、単なる社員旅行ではなく、海に囲まれた環境の中で、健康増進、チームビルドを目的に、銚子の観光資源や食材を活用したツアーを企画したり、婚活ツアーを企画。その他にも地元企業とコラボレーションしての銚子産の野菜や魚を使った健康食品を開発するなど精力的に活動する亀野さん。元旅行会社勤務でアスリートという経歴を持つ亀野さんの企画力とパワーには驚きました!

お試し住居を見学!

「銚子市お試し住居」の外観

「銚子セレクト市場」を後にして次に向かったのは、気軽に銚子暮らしを体験することができる「銚子市お試し住居」です。建物は昭和33年築の5DK。銚子駅まで徒歩約10分の立地です。広い和室と庭、キッチンや冷蔵庫など生活に必要なものはほぼ備え付けられていました。

住居の内観

市ではお試し住宅を、生活するうえでの利便性の確認や移住に向けた住居探し、仕事探しの拠点として活用してほしいとのこと。参加者からは「広い!」「住んでみたい!」との声もあり、参加者からは実際に住むという目線での質問も見られました。

移住して10年。海の側で暮らす生活

続いて、イルカクジラウォッチングを行う「銚子海洋研究所」に到着です。大阪から移住して現在ウォッチングガイドしている大富奈穂子さんにお話を伺いました。イルカのトレーナーに憧れていた大富さんは、「銚子海洋研究所」の求人を見つけて応募し移住。現在は「銚子海洋研究所」所長でありご主人でもある宮内幸雄さんと共に働いています。銚子は大きなスーパーが近くにあるなど不便はなく、教育・子育て環境も充実していることも魅力の一つ。また、近所付き合いが温かく野菜や魚などを頂く機会が多い、すごくのんびりとした雰囲気の街です、と紹介がありました。

「銚子海洋研究所」の大富さん

外川の街を散策。絶品海鮮に舌鼓!

1日目も終盤。本日の宿泊先である「民宿文治」へ。「民宿文治」は地元の海鮮魚介料理が自慢の宿。参加者は宿に到着後、夕暮れ前に外川漁港の街並みを散策に出かけました。碁盤の目のような坂道がある街はレトロな雰囲気で美しく、海と街のコラボレーションが印象的でした。

散策途中には、お試し住宅制度を利用して外川地区に移住した久芳さんのご自宅も見学。美しい海が見える久芳さん宅のロケーションに参加者一同感動していました。その後参加者は「民宿文治」に戻り夕食をとりながらの交流会が開かれました。「民宿文治」のご主人からは、漁業で繁栄した外川の街について、外川の碁盤目状の街は、紀州和歌山と深い関係があるなど、ご自身の体験談も交えて楽しくお話してくださいました。参加者のみなさんは新鮮な銚子の海鮮料理に舌鼓。美味しい食事とともにみなさん交流を深めていました。

銚子電鉄の乗車体験から2日目がスタート!

レトロな外川駅舎

2日目は銚子電鉄の乗車体験からスタートです!銚子電鉄は関東の最東端を走る、1922年設立の鉄道会社。イルミネーション電車やお化け屋敷電車など様々な企画を開催したり名物「奇跡のぬれ煎餅」を販売してアピールするなど注目を浴びています。参加者は外川駅から銚子駅までの9つの駅を20分かけて乗車。今でも地域住民の足として活躍する銚子電鉄に実際に乗り、情緒あふれる駅舎などを楽しんでいました。!

飯岡漁港で海釣り体験!

銚子駅に到着です。銚子駅からは再びバスに乗り銚子市のお隣、旭市にある飯岡漁港へ向かいます。バス内では旭市役所の榎澤さんから、旭市は肉・魚・野菜がなんでもとれる豊かな街であること、東日本大震災の津波で大きな被害を受けたことについてお話がありました。飯岡漁港の漁獲量は県内2位で特にシラス漁が盛ん。漁港近くにある「いいおかみなと公園」から漁港へと続く堤防は釣りを楽しむ方が多く初心者でも狙いやすいと評判の人気スポットだそう。漁港に到着すると、参加者は釣り経験者と初心者のグループに分かれて海釣り体験をしました。

海釣り体験をする参加者

初心者には旭市内の釣りインストラクターのみなさんが、餌のつけ方や釣竿の使い方までひとつひとつ丁寧に指導。初めて触れる釣り道具に悪戦苦闘する姿も。今回釣りが初めてという参加者の中には開始数分後にハゼを釣り上げる強者も!大いに盛り上がりました!この地域での暮らしに、釣りは重要なスキルなのかもしれませんね。

絶景の刑部岬でランチタイム!

「カントリーハウス海辺里」の近くにある刑部岬の高台からの眺め

海釣りを楽しんだ参加者は、昼食の会場である日本の夕陽百選の宿に選ばれた地魚料理の店「カントリーハウス海辺里(つべり)」へ向かいます。ここでは「カントリーハウス海辺里」を経営する傍ら「NPO法人光と風」の代表として活動している渡邉義美さんから、東日本大震災からの復興に向けたNPOの取り組みや「復興かわら版」発行などのお話がありました。

「NPO法人光と風」代表の渡邉義美さん

渡邉さんは「若い人たちが活動に参加して地域をよく知って地域に誇りを持つことが大事、復興には若い力が必要だ」と話していました。昼食後は近くにある「飯岡刑部岬展望館」を参加者全員でぶらり。美しい景色に記念撮影をする方も多く見られました。

「あさひパークゴルフ場」を見学!

続いて向かったのは旭市が運営する「あさひパークゴルフ場」です。九十九里浜に面しているので潮風を感じながらプレーができると評判。パークゴルフはボールを打ってカップにいれるだけで誰でも気軽に楽しめるのが特長です。クラブなどはレンタルできるので、手ぶらでOKなところも嬉しいですね!この日は見学でしたがスタッフさんのご好意で試し打ちをさせていただけました!初めてのパークゴルフに参加者のみなさんも楽しそうでした。

「旭市防災資料館」を見学。ツアーの振り返りも

「いいおか潮騒ホテル」の外観

「いいおか潮騒ホテル」は、東日本大震災からの復興の象徴として、また地域の観光産業活性化のシンボルとして2015年にリニューアルオープンしました。建物の東側1Fには、東日本大震災の記憶を展示した「旭市防災資料館」があり、当時の津波の様子やその後の復興の様子などが展示されています。「旭市防災資料館」の濤川孝三郎さんからは震災当時の様子や被害状況、復興までの動きについて映像を交えてお話いただきました。お話の後には千葉県庁の曽根さんが参加者のみなさんとフリートーク。参加者のみなさんに今回のツアーに参加しての感想を伺いました。参加者からは、「食べ物が美味い。人柄が良い地元の人が多く安心した」、「住み心地が良さそう。家族みんなで楽しむことができた」、「地元をより良くしようとしている人達が多く地元愛を感じた」、「自由に街を散策できる時間があって地元の人と接する機会があったのが良い」などの感想があり、今回のツアーで銚子市・旭市にいい印象を持った方が多い印象でした。

「道の駅季楽里あさひ」

最後に、旭市の新鮮な野菜や果物、肉や魚が豊富に揃う「道の駅季楽里あさひ」、匝瑳(そうさ)産の新鮮な農特産物が揃う「ふれあいパーク八日市場」でショッピングを楽しみ参加者は帰路につきました。移住するということは人生において重要なターニングポイント。焦らずに地域をよく知ることが重要です。今回のツアーをきっかけに、良い思い出ができたからもう一度銚子市・旭市を訪れてみよう、自分も一緒に地域を盛り上げてみたいから活動に参加してみよう、という小さな一歩から始めてみることが、移住を叶える近道になるのではないでしょうか。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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