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2017年12月6日 ココロココ編集部

阿波安房サテライトサミット!~西の徳島、東の房総~【イベントレポート】

2017年11月9日(木)、東京・有楽町にあるLEAGUE有楽町で、阿波安房サテライトサミット!~西の徳島、東の房総~が開催されました。サテライトオフィスの先進事例として知られる徳島(阿波)と、「2地域居住」や「廃校活用」で注目を浴びており、サテライトオフィスもいよいよこれからという南房総(安房)。異なる2つの土地からゲストをお呼びし、サテライトオフィスのあり方・可能性を考えていくイベントの様子をレポートします。

まずは自己紹介から

まずは南房総の特産品びわカステラをほおばりながら、お名前、出身、職業、イベントに参加された理由など、参加者同士でゆるく自己紹介。今回はサテライトオフィスがテーマのイベントということもあり、都内で働いている方が多かったようです。

自己紹介の様子

緊張がほぐれて少し和んだところで、いよいよ本編に入っていきます。

ゲストトーク 徳島と南房総、今までとこれから

アイスブレイクが終わると、ゲストによるトークタイム。今回は3人のゲストをお呼びしました。

吉田基晴さん

ゲストの1人目は、ソーシャルベンチャー「株式会社あわえ」を設立し、徳島県美波町を中心に、ローカル課題のソリューションに取り組む吉田基晴さん。徳島のサテライト事業について、ご自身の事例と共にお話ししていただきました。

もともとは東京で企業経営に携わっていた吉田さんですが、人材採用という壁、そして満たされない都会の生活への違和感から、四国は徳島へ移住。地方に本社を移してまず感じたのは、公私の両立・充実感の違いだったそう。「職住遊の空間が近接したことによる生活への効果は大きいと思います。」働く環境への満足感が高まるだけでなく、プライベートの時間も確保できるようになるのは、地方の大きな強みですよね。ちなみに、東京本社時代から社員数は4倍に増え、人材採用の問題も解決したのだとか。

お話の中で私の心に響いたのは、「課題自身が地域の資産」という言葉。地域の中で起きている問題をネガティブにとらえるのではなく、それを1つのチャンスと見て、ポジティブに向き合っていく姿勢があるからこそ、地域ビジネスとして住民の方からの信頼を得られているのだろうと感じました。

また、あわえが取り組むデュアルスクール事業も非常に興味深い!「デュアルスクール」は、都会と地方、両方の土地のメリットを取り入れていく、新しいかたちの教育活動をサポートする事業です。あわえが対象とするのは、都市部と徳島間を往来する人びとですが、南房総も“デュアルスクール”にふさわしい土地ではないかとのお話もありました。というのも、徳島以上に都市部との距離が近いため、親はもちろん、子どもにとっても負担の少ない2拠点生活ができるだろうとのこと。南房総のデュアルスクールという、実現性のあるお話にワクワクしながら聞き入ってしまいました。

丸山孝明さん

2人目のゲストは、徳島県神山町に株式会社代官山ワークスのサテライトオフィスをもつ、丸山孝明さんです。

名前の通り代官山に本社オフィスがある「代官山ワークス」は、全国の農家さんのネットワーク構築をはじめ、ファーマーズマーケットやマルシェなどの企画運営をおこなっています。その他にも、引退後のスポーツ選手が農業に従事することで、農業の3K(キツイ、キタナイ、カッコワルイ)イメージ払しょくを目指す、スポーツキャリア事業という珍しい取り組みも。

丸山さんが、神山町にサテライトオフィスを開設したのは2016年のことですが、なぜ神山町だったのでしょうか…?初めて訪れたきっかけは、たまたま友達が神山にいたからとのことですが、「自治体の人が神山町の夢を語っていたんですよ。なかなかないことなので、この町なんか違うな、って可能性を感じました。」神山町に熱い何かを感じ、この地にサテライトオフィスをオープンすることに。

丸山さん曰く、「神山町の合言葉は『やったらええやん』。とにかく町の人がおもしろがってくれるんですよ。」自分たちがやりたいと思ったことを、否定せず、受け入れ、応援してくれる。そんな神山町のような雰囲気が、サテライトオフィスにふさわしい土地のポイントなのかもしれません。また、「地方には、ナンバーワンは少ないが、オンリーワンならたくさんある」という言葉からは、良い点も悪い点も含め、その土地にしかない何かを発掘し、活かしていこうとする姿勢の大切さを感じました。

多田朋和さん

3人目のゲストは、合同会社WOULD代表の多田朋和さんです。香川県高松市出身の多田さんは、大学進学と同時に上京。大学ではデザインを学び、内装会社に就職しました。しかし身体に無理を感じ、仕事を辞め、8年前に南房総へ移住することに。都会の生活で疲れた人々が癒されるような空間を作れたら、との思いが強まっていたと言います。

そんな多田さんが移住先、そして起業先として南房総を選んだのは、「何もないことにポテンシャルを感じた」 からだそう。ゼロだからつまらない、ではなく、ゼロだからこそやりがいがある。多田さんのこの考え方は、地方で起業する際には少なからず求められるものではないでしょうか。

そして多田さんは、この数年で「シラハマアパートメント」「シラハマ校舎」をオープンさせました。シラハマ校舎は地元小学校をリノベーションした施設で、南房総サテライトオフィス事業の拠点の一つになっています。今年度のグッドデザイン賞を受賞し、「無印良品の小屋」も話題に。地元の有機野菜を使用したレストランや、設備の整ったおしゃれなゲストハウスも併設しており、サテライトとしての機能は十分です。

南房総という土地に魅せられ、移り住んだ多田さんが考える、南房総サテライトオフィスの今後とは…?「海の浜風を活用した風力発電やカーシェアリング事業ができたらいいなと思っています。トライアンドエラーでやったことのないことに挑戦していきたいです」安房・南房総のこれからが楽しみになるようなお話でした。

阿波と安房、2つの異なる土地それぞれの共通点と独特な点が垣間見えたゲストトーク。参加者のみなさんの中で、サテライトオフィスのイメージがだんだんはっきりしてきたのではないでしょうか。

南房総市とお試しサテライトオフィスツアーの紹介

ゲストトークのあとは、南房総市役所の方による南房総の紹介タイム。東京近辺に位置しながらも、海や山に恵まれた南房総には、気候、特産品、観光資源、地域コミュニティなど、都心とは違う魅力がたくさんあります。

そんな南房総市の魅力を肌で感じられる、お試しサテライトオフィスツアー12月の部が12月9日(土)に開催予定!南房総お試しサテライトオフィスツアー

会場にいらっしゃる、過去のサテライトツアー体験者の方にお話をうかがうとこんな感想が。

・普段とは気分を変えて仕事に臨めると思った。・アイデアを出す場にぴったり。・Wi-Fi環境が整っているのが最高!仕事するのに支障がなかった。

気になる方は、ぜひツアーに参加してみてはいかがでしょうか。

阿波と安房を比べてみる

続いては、ゲストの3人と、南房総の移住コーディネーター永森さんによるトークセッション。

この機会に、阿波・徳島と安房・南房総の特徴をそれぞれ整理し、似ている点・違う点を比較してみることに。

・交通の便は?・地域住民の雰囲気は?・ローカルビジネスを発掘していく際のポイントは?などのトピックに沿って、互いの土地の強みを再確認することができました。

同じサテライトオフィスに向いている土地といえど、魅力の違いが所々あるのはおもしろいですよね。

みんなで交流会

最後はケータリングをいただきながら、ゲストと参加者の交流会。

交流会の様子

南房総にある八木農園さんの野菜を使用したお料理がおいしい!

また、阿波と安房→アワアワ→泡泡…ということで(笑)、飲み物に枇杷ジュースのソーダ割も用意。枇杷ジュースはもちろん、南房総の商品です。

枇杷ジュース

それぞれが会話を通して、ゲストの方に気になる質問を投げかけてみたり、参加者同士がつながったり、お知り合いの方は互いの近況を報告しあったりと、にぎやかな交流会となりました。

徳島と南房総―。サテライトオフィスで注目を集める2つの土地について知ることのできた今回のイベント。場所を移せばとりあえずサテライトとは呼べますが、場所を移すこと以上に、その土地に何を見出し、何に取り組んでいくかが大切になるのではないでしょうか。さまざまな角度からサテライトオフィスについて考える機会になりました。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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