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2018年3月21日 ココロココ編集部

食の宝庫!銚子・旭・匝瑳でのどかな暮らしを感じる移住体験ツアー【イベントレポート】

銚子市、旭市、匝瑳市、海匝(かいそう)地域の獲れたての新鮮な食材と、自然豊かな暮らしを見聞する「食の宝庫!銚子・旭・匝瑳でのどかな暮らしを感じる移住体験ツアー」が2018年1月27日(土)と28日(日)の二日間で開催されました。昨年夏にも行われた銚子市・旭市に加え、新たに匝瑳市も加えた冬のツアー。現地の様子をレポートします。

「食の宝庫!銚子・旭・匝瑳でのどかな暮らしを感じる移住体験ツアー」いよいよスタートです。参加者のみなさんは東京駅に集合。千葉県銚子市・旭市・匝瑳市はどんな街なのでしょうか?2日間とても楽しみです!

匝瑳市からスタート!

東京を出発して約2時間、最初に到着したのは匝瑳市にある遠山さん宅。遠山さんは、心理カウンセラーの資格を活かしながら、「筆文字セラピストたんたん」として活動しています。参加者は遠山さんの住む古民家や離れにあるアトリエを見学。古民家の家賃は格安、水道代ゼロ、籾殻と菌によるバイオトイレ活用など、遠山さんの生活は驚きの連続。遠山さんからは、地域の人の目が暖かく人が良い。小学校は学年問わずお兄ちゃんお姉ちゃんが面倒みてくれる優しい校風と移住後の生活についてお話がありました。また、千葉市や成田空港、都内にも通勤する人もあり、匝瑳市への移住は、様々なライフスタイルが楽しめることを強調していました。

遠山さんの住む古民家

オーナーの遠山さん

 

新鮮な魚介たっぷりの昼食を堪能

続いて訪れたのは、同じ匝瑳市内の「丸仙会館」。地元で捕れたおいしい魚介類を九十九里海岸を望みながら楽しめる人気店です。参加者はこちらで昼食休憩。お店の方からは、匝瑳市の暮らしについて、新鮮で美味しい魚介野菜が1年を通して獲れて、伊勢海老釣りも楽しめる。自然災害も少なく住みやすい、とのこと。続いて匝瑳市の担当者からも、都内からの自動車や電車のアクセスが良いこと、植木産業が古くから盛んな街であることなどお話がありました。

「丸仙会館」

昼食の海鮮丼

 

「千葉科学大学」を見学

バスは匝瑳市を後にして銚子市へ。薬学部、危機管理学部、看護学部があり多くの優秀な人材を輩出する「千葉科学大学」に着きました。目の前が海!という絶好のロケーションにあるマリーナキャンパスでは、全国に先駆けて危機管理学部が設立されています。また、市民向けに公開講座を開いたり、図書館や食堂を開放したりしているのも特徴。小・中学生対象の実験講座も行っているそう。参加者は図書館やキャンパス内を散策。すぐ近くにある屏風ヶ浦の美しい景色も楽しみました。

「千葉科学大学」の外観

図書館を見学する参加者

 

美しい外川の街を散策

参加者は、外川の美しい街並みを抜けて銚子電鉄「外川」駅方面へ。外川で活魚・鮮魚・貝類等の仕入れと販売、魚介類の加工販売を行う「島長水産」が運営する「外川ミニ郷土資料館」に到着です。ここでは、島田社長から外川地区の歴史などについてお話がありました。

「外川地区は今から400年前に紀州からの移住者によって作られた街。現在はシャッター街が目立ってきているが、この郷土資料館もリニューアルし、飲食施設なども併設する予定。今後も空き家のリノベーションも進めて街に人を呼び、外川を活性化させてモデルケースを作りたい。銚子全体を盛り上げていきたい」と島田社長。その後も社長のご案内のもと、外川の街並みやリノベーション予定の住宅を散策、見学しました。

「外川ミニ郷土資料館」の島田社長

外川の街並みを散策

 

日本唯一!手作りゴム風船工場を見学

続いて訪れた「株式会社マルサ斉藤ゴム」は日本で唯一の手作りゴム風船工場。先代から事業を引き継いだ風船職人の伊藤さんにお話をうかがいました。伊藤さんは銚子に来て3年目。銚子の人は、穏やかで家族や時間を大切にする性格が魅力とのこと。参加者は、風船が完成する工程を見学。どのように風船に色を付けていくのか?など質問をする場面も。初めて目にする工場内にみなさん興味深々の様子でした。

日本で唯一の手づくりゴム風船工場

風船職人の伊藤さん

ゴム風船をつくる道具

 

地域のために復活したかっぱ資料館を見学

1日目の宿泊先近くにある、かっぱ資料館「大内かっぱハウス」に着きました。ここでは元銚子市長の大内さんが所蔵するかっぱの絵画や置物、石像など約4000点を展示しています。館内に所狭しと展示してある様々な河童作品。資料館は一時休止をしていましたが、銚子市の活性化に協力する企業が運営を担い再開。妖怪コーナーも新設するなど、賑わいを取り戻しています。

かっぱの展示物

 

老舗の宿で交流会!

「大新旅館」は、1645年(正保2年)創業。銚子を代表する宿、“料理の大新”として、伊藤博文、大隈重信、後藤新平、島崎藤村など多くの要人・文人に愛されてきました。宿では銚子の新鮮な海の幸がいっぱいの夕食とともに交流会が開かれました。会には本日外川を案内して頂いた島長水産の島田社長や、手作りゴム風船工場をご案内いただいた(株)マルサ斉藤ゴムの伊藤さんの姿も。参加者同士移住について語り合ったりと交流会は終始和やかな雰囲気。人と人との距離が近くアットホームな雰囲気も銚子の魅力ですね。

「大新旅館」

 

旭市の特産品がいっぱいの道の駅から二日目がスタート!

ツアー2日目は旭市の「道の駅季楽里あさひ」からスタート。年間100万人が訪れる人気スポットで、旭の地元生産者が丹精込めて作る新鮮な野菜や果物をはじめ、肉や水産物、花などでいっぱいです。施設内では地域住民が生産した野菜や雑貨などを販売するスペースを持つことも可能。現地での起業や小商いなどを始めるステップとしても道の駅を気軽に利用してほしいとのこと。参加者も真剣に話を聞いていました。

話を聞く参加者

 

地域医療の核となる病院へ

道の駅を後にした一行は「江波戸いちご園」でいちごオーナー制などの説明を聞いた後、千葉県東部から茨城県南東部在住の約100万人が利用する「総合病院国保旭中央病院」を訪れました。地域医療の核となる基幹病院です。病院のスタッフの方から、最先端の放射線治療や病院の概要、発展の歴史について伺いました。旭市は医療体制が整っているので、健康や病気のことは心配することなく移住して欲しいと心強いお言葉も。参加者は病院内の見学の他、建物最上階から見える旭市の美しい眺めも楽しみました。

「総合病院国保旭中央病院」

 

真逆の発想のレストランで絶品ランチ

この日の昼食は「総合病院国保旭中央病院」の1階にあるレストラン「KITCHEN TSUNAGU」へ。オーナーの豊田さんは恵比寿の「ウェスティンホテル」や西麻布のダイニングバーなどでシェフとして第一線で活躍した後、旭市へUターン。病院内の飲食店とは真逆のイメージにある同店をオープンしました。

参加者に向け話をする豊田さん

「農家さんや生産者さんなど周りの方々に刺激を受けて生活をしている。旭市は食材の良さはもちろんのこと、人として好きになれる方ばかりで人の縁が縁を呼ぶ。農家さんや生産者さんはのんびりとした雰囲気があるかもしれないが、全くそうではなくロックな気質の方が多い、日々勉強です。」と話していました。

絶品のランチメニュー

 

ツアーのクロージング、古民家カフェでの意見交換

「旭食肉協同組合直売所」

昼食の後、旭市で生産された肉や加工品が手に入る「旭食肉協同組合直売所」を経て、最後に訪れたのは、匝瑳市にある古民家カフェ「たけおごはん」です。

名古屋から移住したご主人は奥様の地元・匝瑳市で「たけおごはん」をオープンさせました。店内は縁側から差し込む光がとても優しい日本家屋独特の懐かしく温かいつくり。参加者は、しっとりもっちりの生地が美味しいロールケーキとコーヒーを味わいながら、今回のモニターツアーの意見交換会が行われました。ツアー後に行われた参加者からのアンケートでは、農産物・海産物に満足した、人柄の暖かさを感じたというプラスの意見が多く見られました。また、学校や病院など自分ではコンタクトが取れないところを見ることができたのが良い、移住した人の意見が聞けて現実的に考えることができた、住人になったつもりで地元の人と話ができたのが良かった。など前向きの感想が多く、今回の参加者の移住に対する思いの強さが伝わってきました。 

「たけおごはん」

ツアーの感想を話し合う参加者

今回のツアーを通して見えてきたのは、土地の利と人とのつながりを大事にした生き方。そして街や人が誰よりも好きだという思いの強さです。移住はその人にとって人生における大きな決断です。移住前は仕事や生活面など見えない部分が多く不安ですし、自身の生活はもちろん大事です。しかしそれ以上に大切なのは、街や人とともに成長していきその幸せをより多くの人と共有していくこと。ご近所の方と楽しく会話をして心安らかな毎日を送ることも幸せ、起業して街に新しい風を送ることも幸せなことです。まずは気になる地域を納得がいくまで訪れて、今よりも街や人をもっと好きになり、地域を大切に思うことが移住への道標になるのではないでしょうか。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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