自己紹介からスタート!あっという間に友達に
JR「長野」駅から車で約40分走ると見渡す限りの銀世界が広がっている町、信濃町に到着します。シナノユキアソビ!の会場「地域交流施設」には続々と首都圏から参加者が集まり、雪を見た子どもたちからは「早く雪遊びをしたい!」との声があがります。地元信濃町の子どもたちも集合し、まずは自己紹介からスタートです。
参加者同士ペアになり「よろしくね!」などと声を掛け合い、握手や会話をして親睦を深めます。集合時には、緊張からかお父さんお母さんから離れない子もいましたが、あっという間に仲良くなっていきます。子どもたちが仲良くなるのに暮らしている場所は関係なさそうです。子どもたちにつられて大人も交流が始まり、和やかなムードでイベントがスタートしました。
「信濃町クイズ!」で町のことを知ろう
次はスライドを使って「信濃町クイズ!」の時間です。長野県の地図から信濃町の位置を当てる問題や、ご当地ゆるキャラ「一茶さん」を当てる問題など全10問の構成。問題が出題される度に、子どもたちは元気に手を上げて回答していました。地元の子どもたちの中には全問正解の子も。自分が暮らしている町に関心を持っている子どもたちの姿は、どの地域でも見られるものではないと思います。こんなところから地元を愛する気持ちが生まれるのかもしれませんね。
クイズの後は今回のイベント趣旨についてのお話。シナノユキアソビ!ではグラウンドに雪の公園を作り、みんなで協力して、一人ではできないものを作ること、友達をたくさん作ることが目標。1日目の今日は、「すべり台」グループと「かまくら」グループに分かれてデザインを考えること、グループ内で発表をし合って一つの形にまとめて模造紙に完成予想図を書くことがミッションとして発表されました。
グループに分かれてデザイン開始!
早速、すべり台とかまくらのデザインを考えようとしたところ…「外に出たい!」「雪で遊びたい!」と子どもたちの声。自分の背丈以上に積もった雪に触れたことがない子どもたちもおり、わくわくが止まりません。子どもたちの期待に答えて、一旦外に出てみることに。
外にはすべり台とかまくらをつくるためにうず高く積まれた雪の山が準備されていました。地元の子どもたちは外に出るや否や、雪の山に走ってのぼり雪を投げたり遊び始め、またそれを見た首都圏の子どもたちもつられて遊び始めました。会場に子どもたちの楽しそうな声が響き渡ります。
1時間ほど遊んだところで雪遊びは終了。後ろ髪を引かれながらも、室内に戻りすべり台とかまくらのデザイン検討に移ります。
「あんなに大きいから階段をつけよう!」「かまくらの中にはみかんを置くよ」など子どもたちは思い思いのデザインを描いていきます。子どもたち同士で相談しながら描いたり、家族みんなで和気あいあいと描き起こしたりと自由なスタイルで描かれていくデザイン。デザインを考える子どもたちの表情は真剣そのものです。
その後、グループごとに集まって出来上がったデザインを見せ合い、それぞれの良い部分の吸い上げ作業。みんなで協力して思いを一つにしてデザインを完成させ、大きな模造紙に書き写しました。どんなすべり台やかまくらができたのでしょう?グループごとに発表です。
「かまくら」チームは、ネコとカメの姿が絶妙に融合した可愛らしい「ねこかめくら」と緑色のキャベツ頭が特徴の「キャベドックかまくら」をデザイン!斬新さと自由すぎる発想力に脱帽です!
「すべり台」チームは、すべり台遊び初級者から上級者までみんなが遊ぶことができる、こちらも斬新なデザインの子どもたちの夢がいっぱい詰まったすべり台!両チームの発表時は、携帯カメラなどで写真をとる親御さんなどで記者会見状態でした(笑)。どちらも今から完成が楽しみです!
地元食材たっぷりの料理で懇親会!
頭も体も動かしてお腹が空いてきたところで、地元の方を交えて懇親会の時間です。並べられた料理は信濃町の野菜を使った天ぷらやミートローフ、煮物や蕎麦など地元のお母さん方が腕を振るって作った絶品揃い!お母さん方とともにイベントの運営を担当された「NPO法人ざいごう」古澤さんのお話の後、乾杯が行われ懇親会がスタート。地元の方たちと参加者がテーブルを囲み、信濃町の暮らしや雪国の生活について教えていただきました。
地元の方の中には、東京から移住された方もいらっしゃっており、「毎日きれいな黒姫山が見られて、スキー場も近くて、近所の人も優しいし、今日みたいなイベントにも呼んでもらえて楽しいわ。」との声もありました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、1日目はこれにて終了。会の最後には、お母さん方が「いつでもまた遊びにおいでね、待ってるよ。」と子どもたちに笑顔で話しかけている様子が印象的でした。
いよいよ2日目。製作開始!
雪がちらつく2日目は自分たちで描いたデザインをもとに、すべり台とかまくらを製作していきます。1日目懇親会で仲良くなった地元の方たちもお手伝いしてくださるとのことで参加いただきました。
かまくらチームは、スコップやスノーダンプを使って雪を崩して運ぶのですが、慣れない雪かき道具と想像以上の雪山の固さや重量に参加者一同悪戦苦闘。しかし、地元のお父さんたちはさすが!「信濃町では雪とともに生活しなくちゃいけないからね。雪かきは毎日の日課だよ。」と話しながらも、あっという間に雪を切り崩していく姿に参加者からは拍手も。切り崩した雪を子どもたちがスノーダンプで運び出す見事な連携プレイも編み出されていました。
すべり台チームも大きな雪山に登り、デザインに沿ってスコップなどを使い階段やスロープを作っていました。形が出来上がってくるに従って、待ちきれなくなった子どもたちはタイヤチューブを使って試乗会を開始!どこまで遠くまで滑ることができるか競争する姿も。子どもたちの歓声が早くもグラウンドに響き渡ってました。
形が出来上がったすべり台とかまくらにカラーペイントを施し完成です。みんなで協力して汗だくになって完成させた作品を見て参加者一同、感無量の様子。信濃町に世界で一つだけのすべり台とかまくらが出来上がりました!昼食を食べたらみんなで遊ぼう!
昼食は1日目に引き続き、信濃町食材をつかったお母さんたちの手作り料理が振る舞われました。お餅や漬物、豚汁、さらには夏に収穫し冷凍保存していた信濃町産ブルーベリーをいれたヨーグルトも。手作りの美味しい料理が、雪まみれになって作業した参加者の体にほっこりと沁み渡りました。
世界に1つだけのすべり台とかまくらで「ユキアソビ」!
午前中に降っていた雪もすっかり止み、青空が広がったグラウンド。午後は待ちに待った雪遊び開始です!すべり台ではタイヤチューブに乗って、列車のように連なりみんなでスロープを滑り降りる遊びが人気でした。かまくらでは中に入り雪に囲まれた空間を楽しむ人やかまくらに登って下にいる人たちと雪合戦する姿もありました。
丸1日一緒に過ごしたこの頃にはみんな友達。自分たちでルールを作り新しい遊び方を生み出したり、小学校高学年の子たちが低学年の面倒を進んで見たりと、自然の中で遊ぶことで身につく力もありそうだと感じました。参加していた親御さんからは「普段はお友達から誘われるのを待っていることが多いんですが、今日は自分から積極的に話しかけ遊んでいる。そういう一面もあったんだなあと気づきました。」と子どもの成長に気づく場面も。
他に雪を楽しむゲームも行われました。あらかじめ雪に埋めておいた信濃町特産の雪中キャベツを見つけるゲームです。今回はゲームなので大人たちで雪の中にキャベツを隠しましたが、畑では雪の中でキャベツや人参などが育てられています。雪の中で育てられた野菜は甘みが増して絶品。雪国・信濃町ならではの特産品です。
よーいドン!で雪原に飛び出した子どもたちは、雪まみれになりながらキャベツを掘り当てていきます。ものの数秒で掘り当てる子やハズレばかり引いてしまう子など会場は大盛り上がり!途中行方不明になりかけるキャベツもありましたが、隠された20個のキャベツは時間内に無事発見。見つけたキャベツはプレゼントという嬉しい特典付きでした。
続いてもう1ゲーム。ゴール地点に置かれた信濃町産寒締めほうれん草をうつ伏せの状態からスタートしダッシュで奪い合う、「ビーチフラッグ」ならぬ「スノーほうれん草」。スタートするやいなや、深く降り積もった雪に足を取られる人や転ぶ人が続出!今年は例年より雪が少なめだそうですが、それでも大人の膝あたりまで埋まってしまいます。こちらのゲームは大人の部も開催され、大人も子どもも雪まみれになってゲームを楽しみました。ゲットしたほうれん草はもちろんお持ち帰り。お家でも今回のイベントや信濃町のことを思い出してくださいね。
楽しい時間はあっという間。信濃町での再会を約束してお別れ
午後3時、楽しかった雪遊びもおしまいの時間です。この二日間で友達になった子同士、別れを惜しむ姿や再開を約束する姿も多く見られました。地元の方たちもなんだかさみしそう。「また遊ぼうね!」と楽しかった思い出をいっぱい持って帰路につきました。
信濃町は日本屈指の豪雪地帯。雪と聞くとネガティブな印象を持つ方も多いのが現状ですが、信濃町には雪を使った生活の知恵と楽しい暮らし、豊かな自然、優しい人たちとの出会いがたくさんありました。 田舎がない方、自然とともに暮らしたい方など、今回のような形から地方との関係性を築いていくのも1つの手段です。信濃町での暮らしや移住にご興味がある方は、ぜひ現地を訪れてみてはいかがでしょうか。今後もイベントを開催予定ですのでお楽しみに!