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2019年5月30日 ココロココ編集部

高知県移住体験ツアー“かわ・うみ・まち”で暮らす魅力”に参加して来ました!

移住を考えたとき、地域選びに迷っている方も少なくないはず。「いの町」・「須崎市」・「高知市」で地域のおいしいものを食べたり、そこに暮らす先輩移住者の話を聞いたり・・・。高知県の 3市町を巡るツアーが2019年4月20日(土)・21日(日)に開催されました。そのツアーの様子をレポートします。

異なった環境を巡る「高知県移住体験ツアー」。「いの町」での“川暮らし”体験からスタート

このツアーの特徴は「川」・「海」・「街」と異なった環境を有する自治体を回ること。複数の自治体を巡るツアーは、行程の効率を重視すると、通常は環境の似た隣接自治体を回ることが多くなってしまいます。今回のツアーでは違った暮らしを見て回ることで、自分に合った環境に気づくきっかけづくりにと企画されたといいます。3つの市町を巡りながら、先輩移住者やキーマンにそこでの暮らしを聞いていきます。

そんなツアーで最初に訪れたのは、“川暮らし”のできる、高知市のお隣にある「いの町」。高知市中心部からは車で30分ほどの距離にあります。街の中心部は仁淀川の恵みを受け、土佐和紙発祥の地として発展してきた歴史を持ち、中山間部にも吉野川や雄大な山々が広がります。

そんないの町に到着した参加者は「土佐和紙工芸村クラウド」で紙すき体験に臨みました。まずは和紙の原料を金網を張った桁(けた)ですくい、前後左右に細かく動かす「溜めすき」からチャレンジ。職人さんの手際良い作業は圧巻!職人さんの指導のもと紙すきに挑みますが、原料が均一にならずに悪戦苦闘する姿も。

紙漉き体験

体験してみると結構大変!チャレンジする姿は真剣そのもの!

出来上がった和紙に、用意された色とりどりの草花でデコレーションして、思い思いのデザインに。参加者の中にはアーティスト顔負けの独創的なデザインを完成させる強者も!紙すき体験が終わる頃には、ちょっぴり緊張していた参加者同士も自然と会話が弾み、和やかな雰囲気になっていました。

和紙にデコレーションする子ども達

お花をデコレーションして完成!きれいにできたかな?

紙すき体験を楽しんでいると、あっという間に昼食の時間に。仁淀川沿いにある「波川公園」に移動し、待ちに待ったランチタイム。お弁当は、廃校となった小学校を拠点に活動する農家レストラン「なつめの木」を営むお母さんたちの手づくり。地元の美味しい食材たっぷりのお弁当に、澄んだ青空と空気、仁淀川の美しい流れに囲まれてのランチは最高でした!

「なつめの木のお弁当」

お手製のお弁当。地元の食材たっぷりです。

仁淀川の恵みを感じる街歩き

昼食後は、先輩移住者の小野さんからのお話がありました。小野さんは神奈川県からいの町に移住して、現在は地域おこし協力隊として活躍中。前職のスポーツバイク関連の仕事を生かし、サイクルイベントの開催など自転車を通して地元の観光を発信したり、古民家や空き店舗を修復して街の活性化事業に携わっています。

小野さんの写真

先輩移住者の小野さん。移住後は食材が美味しく、食べ過ぎで10kg以上増量してしまったとか

いの町への移住はお子さんが生まれたことがきっかけで、自転車に乗れて暖かく気候の良いところを探していたとのこと。様々な人との出会いが不安を払拭してくれて、小野さんの移住を後押してくれたそうです。現在は、週末に家族でバーベキューを楽しんだり、夏には川遊びをしたりと、家族と一緒の時間が増え生活の満足感が向上したと嬉しそうに話す小野さん。参加者にユーモアを交えてわかりやすく話してくださいました。

その後、小野さんのアテンドで「まち歩き」へ出発。公園を出て、仁淀川にかかる通称「銀橋」を渡って中心部の商店街へ。町内は歴史が深い商家の街並みが広がります。

銀橋からの風景

橋からは「仁淀ブルー」と称される澄んだ青色と新緑が映える山々が織りなす景色に一同うっとり。

町内の空き店舗再生に携わっている小野さんが、現在改装しているという店舗を見学させていただきながら、改装にまつわる苦労話も伺いました。地域おこし協力隊卒業後にはここで飲食店やオフィスのオープンを計画しているそうです。いの町の活性化や新たなコミュニティの発信にもつながる小野さんの活動、今後の動きにも注目したいですね。 まち歩きの終点である「紙の博物館」で仁淀川の流れに支えられた紙すき文化を学んだ参加者は、いの町を後にしました。

参加者たち

改装中の店舗の写真

改装中の店舗。新たなコミュニティ発信地として生まれ変わる予定。

“海暮らし”須崎市で海の幸を堪能

続いて訪れたのは“海暮らし”のできる「須崎(すさき)市」。高知市中心部から車で50分ほどの距離にある須崎市は、農業と沿岸漁業、カンパチ、鯛などの養殖が盛んに行われている地域です。

すさきまちかどギャラリー外観

まちの発展に貢献した商家・三浦家の元邸宅を活用した「すさきまちかどギャラリー」

一行は、古い商家を利用した観光案内所兼交流施設「すさきまちかどギャラリー」で説明を受けたあと、移住支援やまちづくりを行う「NPO法人暮らすさき」のアテンドで、海沿いに広がる街並みを散策しました。中でも特徴的だったのは、完成したばかりの津波避難タワー。須崎市は海沿いということもあり、防災・津波対策に力を入れています。このタワーは、高さ19.7m、331名が収容可能で、いざという時によりスムーズに避難できる建物として2019年3月に完成しました。美しい海沿いの暮らしが魅力の須崎市。より安心安全なまちづくりが暮らしやすさにプラスになりそうです。

津波避難タワー

防災対策も着々と進められています

説明を聞く参加者たち

一年中玄関にしめ飾りを施す独特の文化には驚きの声も

太平洋に面した須崎の海は、入り組んだ地形に多彩な漁法を持つことが相まって、獲れる魚種の豊富さは日本有数。「須崎の魚」はクオリティの高さからブランド化されているといいます。一行は海産物加工の老舗「宮進商店」を訪れ、小うるめの丸干しや本からすみを試食。あまりの美味しさに商品を買い求める参加者が続出していました。そのほか、毎年夏には花火大会が行われる「富士ヶ浜」などを散策。参加者は終始和やかなムードでのんびりとまち歩きを楽しみました。

宮進商店での写真

「宮進商店」で海の幸を試食。手が止まらない参加者も

移住者の心強い味方、NPO法人暮らすさきの大崎さんと先輩移住者鈴木さん

まち歩きのあとは、古民家素泊まり宿「暮らしのねっこ」で、先輩移住者にお話しを伺います。登場したのは「NPO法人暮らすさき」の事務局長・大崎さんと須崎市安和地区でシーカヤックのツアーを行う先輩移住者の鈴木さん。

会場の「暮らしのねっこ」は須崎での暮らしを体験できる宿泊・レンタルスペースで、高知の伝統工法で建てられた店舗兼住宅を改装して作られました

大崎さんが所属する「NPO法人暮らすさき」は、移住相談や仕事・空き家の紹介を行なう移住検討者の強い味方。大崎さんからNPOの活動内容や、自然と食が魅力の須崎市を元気にしたい想いを伺いました。
鈴木さんは、高知市内からの便も良く自然豊かな須崎市は自身が希望する環境が全て整っており、街の人は皆親切で顔見知り、地域の集まりも多く楽しい毎日を過ごしていると近況を聞かせてくださいました。文化会館の職員として働く鈴木さんは、仕事についても言及。仕事を得るには地域の人と繋がりを持つのが重要で、自分にできることと地域にあるものを探し、移住前に何度か通って見つけておくことがおすすめと話してくれました

1日目の最後は、「すさきまちかどギャラリー」に会場を移して交流会。高知の新鮮な食材を使った美味しい料理を堪能しながら、参加者同士で話したり、移住担当者に積極的に質問する姿も見られました。

すさきまちかどギャラリーでの交流会の様子

交流会の様子

「高知市」で都市ならではの賑わいと生活環境を見学

2日目は都市機能が充実する高知市で“街暮らし”を見ていきます。朝、「高知城」の追手門前に集合した参加者は300年以上の歴史を持つ「土佐の日曜市」を見学。毎週日曜日に開かれており、追手門の前から東に延びる追手筋沿いに、バラエティに富んだ約420の店舗が1km以上も並びます。

日曜市の写真

賑わう日曜市。中にはヤドカリの販売も!

店舗には新鮮な野菜や加工品、植木、金物などが所狭しと並びます。食べ歩きを楽しみに訪れる観光客はもちろん、300年続いているとあって地域に根付いている様子がうかがえます。「いも天」や「アイスクリン」などのご当地グルメを片手にのんびりと散策を楽しみました。

いも天と参加者

名物いも天を片手に散策♪

元洋裁学校をリノベーションした複合施設「コレンス」へ

日曜市を後にした一行は、「高知城」から東へ徒歩20分ほどの距離にある「コレンス」へ。閉校した元洋裁学校をリノベーションしたクリエイティブな建物で、ピザ屋やカフェ、アトリエといったテナントが入居するおしゃれで素敵な空間です。

ここでは「コレンス」のスタッフで先輩移住者でもある岡本さんにアテンドいただきます。「コレンス」のテーマは新陳代謝ができるテナントビルで、入居者は現状回復の必要なしで壁や床などの自由なリノベーションが可能。2Fにはギャラリーもあり、この日は写真展が開催中。遊び心も満載な「コレンス」は、仕事場としてはもちろん、コミュニティ発信の場として重要な拠点になりそうです。

元洋裁学校をリフォームした「コレンス」

ユーモアたっぷりにお話しする岡本さん。気さくなお人柄が魅力です。

見学後は岡本さんと一緒にまち歩き。商店街を通り、次の目的地「Hostel Kochi TAO」へと向かいます。途中すれ違う街の人々に気さくに挨拶をしていた岡本さん。高知市内での暮らしが垣間見え温かい気持ちになりました。

ゲストハウス「TAO」で地域のキーマンと意見交換

ホステル・ギャラリーの機能を持つ「TAO」。1Fには「大衆酒場Day&Sea」とギャラリースペース、2Fは全16ベッドのホステルエリアとなっています。ここでは岡本さんに加え、「大衆酒場Day&Sea」をオープンした先輩移住者なえださんご夫妻からもお話を伺いました。

なえださんご夫妻。お二人のほんわかマイペースな語り口調に癒されました

岡本さんは神奈川県から25年前に移住。現在は街のキーマンとして、街の活性に尽力されています。大阪出身のなえださんご夫妻は、お遍路さんやアウトドアレジャーがきっかけで移住。現在市内で仕事をしながら「ネオ大衆酒場Day&Sea」の運営に携わっています。

移住は地域に馴染むことが大切という岡本さん。土佐弁を話す努力から始めたところ、街の人との関係が良い方向にシフトしていったと話していました。なえださんご夫妻は、自然と地域に馴染んだので移住前と大きく変わったことはない、SNSがきっかけで地域の人と繋がり、日曜市などに積極的に出向き顔を覚えてもらったのが大きいと話していました。ピン!っと感じる何かがあった時が移住を決めるタイミングだと話すなえださん。綿密な下調べも大事だが、フィーリングも大事という意見は2組とも共通していました。この日は店のオープン前にも関わらず美味しいランチをご用意いただきました。

楽しかったツアーも大詰め。2018年に開館した四国最大級の図書館「オーテピア」で2日間の感想や高知県や訪れた各地域への移住についての質問・疑問が交わされました。

図書館、高知未来科学館などが入る複合施設「オーテピア」。

参加者からは、のんびりとしていて雰囲気が良い、穏やかな暮らしができそう、近所づきあいが温かそうなどプラスのイメージ。タメになるお話しをたくさん聞くことができた先輩移住者との交流については、フワッとした感じで移住を決めている移住者も多いことが意外だったとの声もありました。

移住相談会では疑問や悩みを解消

また、多く寄せられたのが移住後の仕事や具体的な暮らす環境についての質問。担当者からは、仕事、場所など何を優先するかで地域はある程度絞ることができる、夏も冬も何回も訪れるのがおすすめ。高知市など都市部に移住してから自分に合う地域を探していく2段階移住や各種補助制度も活用して移住を検討してほしい。高知県は各市町村に窓口が常設されているので、気軽に相談に訪れてほしいと話していました。

今後も開催される「高知県移住体験ツアー」、気になる方は・・?

美しい川の流れと雄大な自然がある「いの町」、太平洋の恵みにあふれた「須崎市」、都市基盤の整った「高知市」。3市町それぞれの魅力があり、ライフスタイルも様々。移住後の生活がリアルにイメージできたツアーでした。移住後の暮らしや仕事選びなど気になることは、地域に足を運び、地域の人と触れ合うことが解決への近道になるのではと感じました。

高知県では7月にも移住体験ツアーの開催を予定しています。
詳細はコチラをご覧ください。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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