安芸の古民家で心落ち着くワーク体験
宿泊した「MUROTO base55」で朝食と簡単な仕事を済ませ、安芸市にある古民家ゲストハウス「Hostel 東風ノ家」に向かいます。
「Hostel 東風ノ家」は宿泊だけでなくレンタルスペースとしても利用できるゲストハウス。昭和12年築の木造平屋はとても風情があり、一歩踏み入れただけで心が安らぎます。
各スペースには「草木」「虎」など名前があり、一人仕事やワークショップ等、目的に合わせて使い分けられます。
オーナーの仙頭杏美さんはここ安芸市の出身。前職で高知県東部の魅力を伝える企画編集・ライターをしていましたが、「やはり地域を盛り上げるプレーヤーが必要!」と2020年、宿を開業しました。
宿泊だけで完結せず、街の日常に入り込んでもらいたいという仙頭さん。
「海辺で仕事できるように持ち運びできるデスク・パラソルも貸し出しています。街の商店で買い物したり、宿のカフェラウンジで地元の方とお話ししたり……また来たいと思っていただけるような体験を提供したいです。安芸市や高知県東部のファンが増えていくと良いなと思います」
名物「釜揚げちりめん丼」をいただく!
安芸漁港の水揚げ量が最も多いのはシラス。その「ちりめんじゃこ」を使用した「釜あげちりめん丼」はまさにご当地丼。市内では16店舗で食べることができるそうです。私たちは「廓中ふるさと館」でいただきました。
このお店では「かき揚げちりめん丼」も人気です。ちりめんじゃこと山菜のかき揚げの下に、さらに釜揚げしらすが敷き詰められているというボリューム感!柚子果汁で作られた「ゆず酢」をかければ、揚げ物でもさっぱり食べることができました。とても美味しかったです!
朝ドラの舞台にもなった「野良時計」
昼食後は「廓中ふるさと館」周辺を散策。地元のガイドさんに案内していただきながら、まずは安芸城跡へ向かいます。
鎌倉時代の1308年頃に築城された安芸城は安芸氏代々の居城でしたが、戦国時代末期の1569頃に長宗我元親との合戦に敗れ、焼失しました。現在は市立の歴史民族資料館と書道美術館があり、今も残るお堀などからもその歴史を感じることができます。
「土居廓中」は、江戸時代に土佐藩家老五藤家により形成された武家町。国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されており、町割や道路の形状、道幅などが当時のままになっています。
竹やウバメ樫の生垣、安芸川の河原石や古瓦を赤土で固めた練り塀、自然石の縁石を使った側溝、強風の風向きによって右瓦と左瓦に葺き分けられた屋根瓦など、特徴的な景観を形成する要素が盛りだくさん。
明治時代の文明開化の薫りを伝えるものも残されています。
「野良時計」は、土居村の大地主だった畠中源馬が、野良仕事をする人に時を知らせるため、明治20年頃に制作。NHK朝連続テレビ小説『ノンちゃんの夢』(昭和63年)の舞台にもなりました。
なんと歯車から分銅まですべてが手作りなんだそう。現存する最古の国産時計ということで、1996(平成8)年には国の登録有形文化財に指定されています。
海に向かって飛び出すカフェ
続いて訪れたのは、芸西村にあるカフェレストラン「SEA HOUSE」。全面ガラス張りの店内からは、空と太平洋を独り占めにできる絶景が広がります。
贅沢にも、2階一番奥の席でフレンチトーストをいただきました!この食パン、同じく高知県の安田町にある「ものづくり工房 安田」の「極生食パン」を使用。ハチミツや練乳を配合して作られたふかふかのパンにベリーソースがたっぷりかかっていて、頬が落ちそうでした……。
海の味覚を堪能できるパスタや高知県産の米を使った御膳などフードメニューも豊富なので、お昼時に訪れるのもおすすめです。
ここでもパソコンを開いて少しお仕事。
旅の最後に立ち寄りたい。絶景の道の駅
高知旅も終盤。空港へ向かう前に、「道の駅やす(ヤ・シィパーク)」に立ち寄りました。
まずは「直営土産物 ヤ・シィ店」でお土産探し。柚子酒や柚子ポン酢、柚子のラングドシャなど柚子尽くし。他にもレトルトの「土佐くじらカレー」「はちきん地鶏のチキンカレー」や、ブリやカツオなど魚介の缶詰など、高知らしい土産物がたくさん。どれも捨てがたく目移りしてしまいました。
私が買ったものの中でも特におすすめしたいのが「土佐ぶんたん(果皮砂糖漬け)」。ぶんたん果皮の酸味、苦味と砂糖がマッチしていてとても美味しかったです!
お土産を買った後は、「ヤ・シィパーク」内を見学。運営会社「株式会社ヤ・シィ」の専務取締役・堀川里望さんに案内していただきました。
堀川さんのおすすめが「レストラン&カフェ mana*mana」内で販売している「フルーツアイスバー」。色とりどりのアイスが並んでいて、写真映え必至です!店内の海側はオーシャンビューのカウンター席に。テラス席もあり、ここで海を眺めながら仕事をしたらとてもはかどりそうです。
パーク内の砂浜に接する部分には、板張りの「ボードウォーク」が設置されています。歩くも良し、写真を撮るのも良しのおしゃれな雰囲気。
夏場は海水浴場としても開かれるそう。シャワーや更衣室などが完備されているほか、浮き袋・パラソル・ビーチチェア等のレンタルもあります。高知最後の思い出として、ここで海水浴を楽しむのも素敵ですね!
まとめ
3日目は、安芸市の歴史や自然環境に触れられる一日でした。古民家ゲストハウスや砂浜、少し遠くに見える山、土居廓中の街並みなど、安芸市ならではの空気を堪能することができました。
安芸市へは高知駅から土讃線で一本。高知に来たらぜひ訪れてほしい場所です。
ワーケーション環境としても、身近な自然環境や地元の方と交流できる場、買い出しにも困らない程よい市街地感と、欲しいものすべてが揃った立地と言えます。
ここでは紹介しきれなかった「手結港可動橋」や港の夕凪など、時間が止まっている気さえする穏やかな街の雰囲気。足を運んで、そして可能なら少し長めに滞在して、ぜひ味わってください。
以上、高知旅3日目は山岸がお届けしました!