記事検索
HOME > おすすめエリア > 信濃町 >
2016年2月4日 ココロココ編集部

「これまで無かったものをつくり出す楽しさがある」-信州・信濃町を語りつくした3時間-

北信五山の麓に広がる自然豊かな小さな町、長野県信濃町。長野県の湖の中で最も透明度が高いと言われる野尻湖や、四季を通じてアウトドアを楽しめる場所がたくさんある美しい町です。

そんな信濃町の地域資源を再編集しながら、独自の企画や取り組みを進める地域おこし協力隊「信濃町プランニングディレクター」の募集スタートに合わせて、信濃町で活躍する魅力的な方々のお話を聞くことができるイベントが開催されました。

信濃町のおいしいごはんも振る舞われた今回のイベントの様子をレポートします!

s0129今回のイベントが行われたのは、上野にあるシェアオフィス&コワーキングスペースとして有名な「いいオフィス」。

会場には、イベントテーマに関心を持って25名ほどの参加者が集まりました。今回は「信濃町プランニングディレクター(地域おこし協力隊)」の採用説明会を兼ねて、信濃町からのゲストもお呼びしたトークイベントとなりました。

s0129コーディネーターは信州移住計画の柚木真さん。柚木さんのコーディネートで会場の雰囲気も和やかです。

 

信濃町には無限の可能性がある

s0129

最初のゲストスピーカーは、信濃町のゲストハウスLAMP支配人の堀田樹さん。堀田さんは、信濃町の魅力として挙げた中で「意外と変わった人、おもしろい人、若い人がいる。」という点を挙げました。信濃町には、堀田さんの運営するゲストハウスLAMP、そして運営母体であるWeb制作会社のLIGのサテライトオフィスもあり、若者やU・Iターンの方も多い様子。

それから「無限大の可能性。ないものを作っていく楽しさ」もあると語ります。未経験ながらゲストハウスの立ち上げ・運営に続き、レストランやアウトドアスクールもオープンさせている堀田さん。

地方でチャレンジしたい方にはまだまだたくさんの余地を残した土地かもしれません。堀田さんも、「ここにそれ作っちゃう?」「ここでそれやっちゃう?」とびっくりするような異色の組み合わせがおもしろい何かを作っていく楽しさを共有できる人が増えたら嬉しいと語りました。

 

信濃町の大自然が、おいしい農作物を育む

s0129

次のゲストスピーカーは、「日本一の米を作る男」落影農場の斉藤寛紀さん。 斉藤さんは、自分が撮影したという水田風景や真っ白な雪で覆われた黒姫山の姿、日常の写真など、日々の暮らしの中で見つけた信濃町の美しさをスライドショーで紹介してくれました。

斉藤さんが畑仕事するにあたって大切な存在だと強調していたのは、雪。豪雪地帯でなにかと邪魔者扱いされてしまいがちな雪ですが、斉藤さんにとって雪はなくてはならないものだそう。

一番の主力商品であるお米は黒姫山の雪解け水を使って栽培されており、美味しいお米を作るためには沢山の積雪と、その雪解け水が欠かせないといいます。

「黒姫山の写真ばかりになってしまいました。」という斉藤さんでしたが、田んぼから見る黒姫山の景色の美しさだけでなく、信濃町の自然に対する愛情や感謝があるのだろうことが伝わってくるお話でした。

 

今求められる「信濃町で暮らすことの楽しさを伝える人」の存在

s0129

ゲストからのお話しの後は、地域おこし協力隊制度を活用した「信濃町プランニングディレクター」の募集について、信濃町役場から説明がありました。

「お試し住宅」を利用した移住交流や、観光、駅伝などのスポーツ企画、農業分野での移住体験を通して、信濃町の人口増・移住定住施策を積極的に立案し、新しい信濃町の魅力や強みを発見・発信する人材を3名募集しています。

新たしいアイディアを積極的に立案し、それを実施することが求められる「信濃町プランニングディレクター」。新しい試みを町役場職員と一緒に作っていくことができる柔軟な雰囲気がありました。

 

柔軟な募集要項

会場が一番食いついていたのが、「副業OK」という点。堀田さんまで「僕もプランニングディレクターになって、ゲストハウスを副業に…」と話しだすほど。

「申請をだしていただいた上で、ご家族で移住される方などが生活費を稼ぐための副業することもOKですし、3年後に定住することを見据えて起業を含めた副業を軌道に乗せていくというのも問題ない。」と信濃町役場の柄澤さんも話します。

s0129

「道の駅で売ってる農産物を、海外のファーマーズマーケットみたいに大規模でおしゃれな感じにやったら、クオリティの高い野菜ばかりだから町外からたくさん買い物にきてくれそうだよね。僕がやりたいくらいだな。」と、これまた堀田さんが冗談まじりに楽しいアイディアを話すと、「今日は野尻湖、明日は黒姫。そんな風に場所を変えながらマーケットを開くのもいいかも。」と斉藤さんもアイディアを語ります。

「テントをトラックに積んじゃってね。」と、「副業」というキーワードから始まったふたりのビジネスアイディアは広がりをみせました。

子どもも大人も、みんな信濃町のことが大好き。にも関わらず、仕事する場所がないから仕方なく町を出ざるを得ない状況も、アイディアを出し合って「仕事をクリエイト」することで打開できれば。そんな希望も聞こえてきた。

町独特の文化や暗黙の了解も、知らない体でずんずん踏み込んで来たという堀田さん。どこにいても「出る杭は打たれる」ものだけれど、「あまり気にしない人の方が田舎に向いているかもしれない。行政と民間を融合してくれる人がいたらおもしろい。」と斉藤さんも付け加えました。もちろん、移住して突然出来る人は少ないはず。暮らしや遊びを楽しみつつ、住んでみて少しずつ力を発揮してもらえれば、と話しは進みました。

時に真剣に、時に笑いを交えながら、住んでいて感じる信濃町のリアルをぶっちゃけてくれました。

 

信濃町のおいしいごはんとお酒で、交流タイム!

s0129

トークイベント後は、交流会です。都内のフランス料理店で約7年働いたのち、おいしいキノコを求めてたどり着いた信濃町にあったゲストハウスLAMPに転職してしまったという料理人の河崎さんによる、信濃町の野菜を使ったお料理が振る舞われました。ひとつひとつの説明がどれもおいしそうで、会場の熱気も高まります。

一度雪の下で眠らせたものを掘り起こすことで甘味の増す雪下野菜を使ったお料理や、落影農場のお米を信濃町の水で炊いたごはんなどが並びます。

s0129 ちなみにメニューは
<雪下野菜>
◎ニンジンとキンカンのサラダ
◎ニンジンスティックとディップソース
◎ほうれん草のオムレツ
◎ほうれん草のおひたし
◎あっかたポトフ
 +
◎落影農場の「日本一のお米」のごはん(違いを実感してもらうために普通の炊飯器炊き)
◎LAMP特製野沢菜漬け&ぼたこしょう

s0129信濃町近辺の日本酒やビール、ブルーベリージュースにルバーブジュースなど飲み物もたくさん。

s0129落影農場の斉藤さんの音頭で、乾杯!

参加者は、長野県やその他地方への移住を考えている方や、現在進行形で他地域の振興活動に携わっている方など様々。「移住」「ローカル」といったキーワードにアンテナを張っている方ばかりなので、会話が盛り上がります。

s0129なんと、町役場の方による信濃町ガイド付き「ゲストハウスLAMP宿泊券」のプレゼントが!

信濃町を知らなかった方も、好きで何度も訪れている方も、今回のイベントに参加して信濃町の魅力に触れ、信濃町への興味が強くなったり、中には移住がぐっと身近になった参加者もいたようです。

ココロココ編集部
記事一覧へ
私が紹介しました

ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

人と風土の
物語を編む

 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

人と風土の物語を編む