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2016年4月20日 松永直

ニア東京で心と体の充電を~五感で楽しむ沢歩きレポート~

多摩川源流部にある「山梨県小菅村」。緑豊かで昔ながらの静けさの残る小菅村はまさに日本の原風景。

東京からも比較的アクセス良く訪れることができるこちらで多摩川源流を体感できるプログラムがあるということで2016年2月20日(土)に開催された「冬の沢歩きプレツアー」に参加させていただきました。

新宿から中央線・青梅線にのって2時間程かけて奥多摩駅へ。冬の沢歩きプレツアーはこちらの奥多摩駅での集合から始まりました。ウッディな駅舎にすでにワクワク。

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奥多摩駅はまだ東京都ですがここから車にのって小菅村へ向かいます。小菅村は多摩川の源流部に位置し、山梨県の入口にあたります。村のほとんどが森林と山というとても自然豊かな所です。奥多摩駅から小菅村までの道中は奥多摩湖を横目に気持ちのいいドライブ時間。特定非営利活動法人多摩源流こすげの寺田寛さんから当日の流れや小菅村のことを聞いているうちにあっというまの40分程の道中。いよいよ小菅村に到着です。

 

うれしい想定外 けんちんのふるまい

今回のプログラムは昼食は付いておらず各自で持参、ちょっとした小菅の物産をお味見できる程度…ということだったのですが、まず到着したのは小菅村の青柳つやさん宅。なんと前日にこのツアーのことを寺田さんが話した所、「けんちんを作ってあげる!」ということに突如なったのだとか。まさかのうれしいお宅訪問からはじまった「冬の沢歩きプレツアー」。具沢山でしかもつやさんの採った天然のきのこまで入って、いくらでも食べられてしまうおいしさのけんちんにほっこり。けんちんはこすげの郷土料理なんだそうです。

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とても大きなお鍋にびっくりするほどたっぷりのけんちんを作ってくださっていました。この日は雨でとても寒い日だったので、より一層の感激です。お手製のお漬け物も絶品。

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そして小菅の物産、わさび漬けやさしみこんにゃく、お漬け物などもお味見させていただきました。つやさんとのお話もとっても楽しく。もうこれで今日は満足!と思ってしまうほどの幸せな時間でしたが本番はここからです。

 

役場にて沢歩き仕様に着替えをしていざ出発!

けんちんのふるまいで心もお腹も満たされた所で再度車に乗って役場に移動します。そして胴長と呼ばれる長靴と水中に入れるズボンが一体化したものを貸してくださり、皆でその格好に着替えていざ出発。着替えると一気にテンションがあがりますね。当日はあいにくの雨でしたがワクワクした気持ちはそれ以上に! 胴長を履いているので川の中に入ってもへっちゃらです。

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早速ヤマメを源流ツアーガイドの加藤源久さんが発見!

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川の中を歩いてさらに進みます。皆でナガレタゴガエルという川の中で越冬する、発達した水かきが特徴の珍しいカエルを探しました。さすが加藤名人!雄と雌のナガレタゴガエルを発見です。

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皆で動きながらも、それぞれのペースで思い思いにできるのもこの源流ツアーの素敵な所だなと思いました。また、歩きながら主催の特定非営利活動法人多摩源流こすげの方々からお話聞いたり、参加者同士でも交流したり。体験だけではなく、横のつながりもまた楽しいひと時でした。

川だけではなく、鳥のこと、木のこと、動物のこと、何でも教えてくださった加藤名人、楽しい時間をありがとうございました!

川の音を耳にしながら、静かな源流を歩く時間は本当に心地のよい時間でした。 そして何より、川の中をズンズンと歩くという体験ってなかなかできないですよね。自然を丸々感じられる源流体験ツアーはきっと四季が変わるとまたグッと違うものになるんだろうなと思うと、ぜひまた参加したいです。

 

役場に戻ってまた小菅の食を楽しみ、温泉へ

自然をたくさん満喫したあとは役場に戻り、着替えタイム。そしてそのあとにはあたたかい飲み物とおやつのふるまいがありました。疲れて冷えてちょっぴり小腹がすいていてとってもうれしいタイミング。本当は天気がよければ源流散策の合間にいただく予定だったそうです。次回参加した際には気持ちいい空気の中、いただけるのを楽しみにしています。

小菅の特産の雑穀を使ったお菓子。

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小菅名産チャーちゃん饅頭。りんごやいも、あんこやおかず系まで、どれにしようか迷ってしまいます。でもこの迷う時間がまた楽しいんですよね。

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そして最後のお楽しみ、小菅の湯に移動です。希望者のみの入浴ではありますが、タオルなし620円、タオル付820円で入れます。トロトロのお湯は芯からあたたまって、お肌もツルツルになって、この温泉だけでも訪れたいくらい小菅の湯のファンになってしまいました。それもそのはず、こちらの小菅の湯は世界でも珍しい高アルカリ性温泉で「美人の湯」としての評判も高いのだとか。参加者のみなさんとお湯に浸かりながら1日の思い出を話せたのもよかったです。

小菅の湯には物産館も併設されており、お昼や沢歩き後にいただいたものなどを購入することもできました。

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源流の村へぜひ足を運んでみてください

今回は冬の源流ツアーでしたが、今回主催をされたNPO法人多摩源流こすげでは様々なツアーやイベントを開催しています。

5月1日には春の沢歩きツアーが開催され、募集が開始されています。
http://npokosuge.jp/blog/news/1259

7月中旬〜8月下旬には、夏らしくもっともっと源流の中を楽しめる源流体験ツアーを開催予定です。
http://npokosuge.jp/project/genryutaiken

季節ごとに様々な形で源流を楽しめるイベントなどがありますので気になる方はぜひWEBサイトやFacebookをチェックしてみてくださいね。

GW中の5月4日には多摩源流まつりという小菅村のお祭りもありますよ。
http://www.vill.kosuge.yamanashi.jp/tourism/news/2016/03/post-30.php

都内からたった2時間で訪れることができる自然豊かな日本の原風景。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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松永直

松永直東京都出身。料理家および食に関するライター。 大学卒業後、マーケティング会社勤務を経て料理の道へ。主な活動は出張料理、食品メーカー向けメニュー開発、地域と都市をつなぐフードイベント企画・運営、企業や学校での料理教室など。 また、地域おこし協力隊として移住した友人と「しまの食堂」を立ち上げ、愛媛県上島町の食材を使った料理を都内各地で提供している。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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