遠野市の観光施設磨き上げプロジェクト(株式会社遠野ふるさと商社)
観光分野1つめの受入れ先は、「株式会社遠野ふるさと商社」です。
遠野市を代表する観光地で、保存古民家や伝統的生活を伝える「遠野ふるさと村」「伝承園」を運営しているほか、岩手県内陸と沿岸の中間休憩所として人気の道の駅「遠野 風の丘」の経営、自社企画品の開発や、ふるさと納税返礼品の発掘やプロモーションなどの事務局業務など、観光に関するさまざまな業務を行っています。今回は、代表取締役社長の杉村亮さんと、遠野ふるさと村マネージャーの松本知浩さんにお話をうかがいました。
「ふるさと商社は、遠野市の地域商社機能と観光機能を担っています。今回募集の地域おこし協力隊になった場合には、ふるさと村や伝承園などの観光施設のブラッシュアップやプロモーションなどを担当してもらいたいと考えています」
と遠野ふるさと商社社長の杉村さんは語ります。
遠野ふるさと村は、広大な土地に点在する茅葺古民家の見学のほか、敷地内にある田んぼ、畑などを用いての農作業、もちつき、遠野名物ジンギスカン、手作り工芸などの体験学習、魚の掴み取りといった自然体験ができる施設です。その風景はまさに遠野物語の世界。映画や大河ドラマのロケなどに使われることもあります。
もう1つの施設、伝承園には遠野物語を柳田國男に語ったとされる民俗学者の佐々木喜善の記念館のほか、ふるさと村と同じく茅葺古民家が展示されており、中には古くから遠野地方で信仰されてきたオシラサマの部屋があります。
今回採用となった地域おこし協力隊には、遠野ふるさと村や伝承園でのガイドやイベント企画・実施を、マーケティングベースで担っていただきます。特にプロモーション関係、イベント企画を強化したく、情報発信力のある若い人材に来てほしいとのこと。
「ふるさと村は、広々とした豊かな里山環境でのお仕事なので、動物や自然が好き、アウトドアが得意といった方、伝承園は、民話・ものがたりなどが好きな方に向いています。どちらの施設をメインで担当するかは、来てくれた人とも相談して決めたいです」と松本さん。
一般観光客のほか、修学旅行の学生や海外からのお客様など、さまざまな年齢や立場、興味の範囲をリサーチし、新たな体験プログラムを作る仕事に魅力を感じる方はぜひ飛び込んでみてはいかがでしょうか。
民話のふるさと遠野・観光コーディネーター(一般社団法人遠野市観光協会)
遠野駅を一歩出ると、目の前にある古民家風の建物。看板には「旅の蔵 遠野(遠野市観光交流センター)」、その下には「遠野市観光案内所」の文字が。ここに事務所を構える「一般社団法人遠野市観光協会」が、地域おこし協力隊の受入れ先として人材を募集しています。
観光協会には現在、事務局長をはじめとして8名の職員が勤務しており、観光案内やお土産品売り場の管理なども担っています。今回は、協力隊が着任した際のパートナーとなる、遠野で観光関連の仕事歴20年という堀内朋子営業担当部長と、案内役を務めていただいたスタッフの千田佳子さんに話をうかがいました。
「業務内容としては、普段の観光客の応対のほか、観光営業が大きな仕事になっています。今は教育旅行の営業がメインですね。今年は観光と文化を結びつけることがテーマになっているので、そういう情報発信できる人に来てもらえたらと思っています」
遠野には、ふるさと村にあるような茅葺屋根の古民家や、遠野物語の世界が残るカッパ淵などの見学観光地のほかにも、神楽やしし踊りなどの郷土芸能、遠野まつりなど、多様な観光コンテンツがあります。また、「日本のふるさと」ともいわれる遠野の風景や昔ながらの生活様式は、最近トレンドとなっている「SDGs」とも相性がよく、こういった流れや特徴を組み合わせた新しいコンテンツも期待されています。
「そういった新しい企画やコンテンツを考えて表現し、情報発信までしていただける方に来ていただきたいですね」
新たなツアー企画やこれまでになかったコンテンツなどを、表面的なものではなく、充分に魅力あるものとして開発するために、外から目線は大切にしつつ、腰を据えて地域に入っていける人が理想とのことでした。もちろん郷土芸能団体などとの受け入れ交渉も必要になりますので、地域の人たちとの信頼関係も大事です。
また、コロナ禍で現在は中断しているものの、花巻〜平泉〜遠野地域は、主に台湾や中国本土からの観光客にも人気で、それらの方々向けに、市を超えた広域でのコンテンツ企画も期待されるところです。
コンサルタントやコーディネート、プランニングなどの経験や興味がある方、SNSなどのメディアを使って情報発信することに興味がある方などはぜひ扉を叩いて見てください。
遠野旅の産直プロジェクト(NPO法人 遠野山・里・暮らしネットワーク)
観光分野3つめの受入れ先は、遠野駅近くの古い商店跡に事務所を構える「NPO法人 遠野山・里・暮らしネットワーク(略称:山里ネット)」。「遠野旅の産地直売所」と書かれたのれんがかかっています。「旅の産直」とはどういうことなのか、主任コーディネーターの田村隆雅さんが説明してくれました。
「地域の暮らしそのものが旅の資源であるという考えのもと、グリーン・ツーリズムを中心とした旅のメニューを提供することで、交流人口増や移住定住促進を図っています。中心市街地を歩いてちょっと変わった体験をする『まちぶら』、農家滞在で生活体験やアクティビティを楽しむ『さとぶら』、農家民宿紹介のほか、農家レストランや直売所などの支援も行っています」
設立から20年、ありのままの暮らしを体験する旅を提案・実施することにより、遠野ファン作りを担ってきた団体です。キーワードは「遠野の暮らしを体感」。この取り組みにより、農泊やグリーンツーリズムの浸透を目指しています。
これらの取り組みによって、遠野市民が自分の地域の魅力を再発見できると同時に、人と人をつなぐという効果もあるのだそうです。
今回の募集する地域おこし協力隊についてたずねると
「市や県、国にプレゼンをして自ら事業を作っていき、地域の人たちとコミュニケーションをよくとりながらコーディネートをしていく仕事をお願いできるような方に来ていただきたいですね。地域の人たちの想いをかたちにしていく地域づくりの仕事も一緒にやっていきたいです」と田村さん。
自ら動き、地域に溶け込み、外からの目線で新たな地域の魅力をコンテンツにできる人に仲間になってもらいたいとのことです。ツアーガイドをしたり、自転車でのツーリングをナビゲートすることもあるので、ある程度体力も必要かもしれません。
いくつかある農家民泊を行っている方の家にもお邪魔してみました。
つくしファームの打越義之さんは大阪のご出身。ブルーベリーや野菜を育て、ドッグトレーナーや狩猟も行いながら、自宅で農泊客を受け入れています。
「ブルーベリー収穫体験もやっているし、商売柄ペットを連れての宿泊も歓迎なので、そういうお客様にも喜ばれています。狩猟では害獣駆除ということで、主に増えすぎている鹿を獲っていますが、その鹿をさばいた鹿肉は犬の餌に最適で、そちらの需要もあります」
ブルーベリーや野菜を育てることができ、ドッグランに必要な広い土地や狩猟ができる場所を全国から探してみたら遠野がヒットしたので移住したと話す打越さん。宿泊客は1日1組限定ですが、家族も一緒に食事をとりながら、いろいろな方との交流できるのがとても楽しいと語っていました。
田村さんや打越さんのように、地域の魅力・資源を活用して事業をつくり、人と人をつなぎ、自らも人とのつながりを楽しめる人。我こそはという方は、ぜひ応募してみてください。
募集詳細・エントリー
募集の詳細、応募条件等は下記をご確認ください。
→募集は締め切りました
<応募に関するお問い合わせ>
一般社団法人遠野市観光協会
住所:〒028‐0522 岩手県遠野市新穀町5-8
E-mail:cooperation-team@tonojikan.jp
電話:0198-62-1333
担当:千田