希望を抱いて移住したものの、残念ながら「失敗」という結果に終わってしまうケースもある。いくつかのケースから失敗の原因を探ってみよう。
失敗ケース1 地元のコミュニティに積極的に関われなかった
隣に住む人の顔も分からなくても不自由なく生活ができる都会の暮らしとは違い、過疎化が課題となっているような地域に移住すると、生活をするためにもコミュニケーションの意味が重要さを増してくるもの。
都会生活での感覚を引きずったままで、地元コミュニティに入りきれずに失意の中で都会に戻る、という結果にもなりかねない。
「自然の中の暮らし」に憧れて移住したSさん(33歳)の場合
環境保護や自然に囲まれた生活に子供の頃から憧れを持っていたSさんは、インターネットや雑誌の情報から長野県のある村に移住した。 雑誌などには「地元の人も喜んで受け入れてくれる」といった、いいイメージしか書かれていなかったのだが、実際に暮らして見ると微妙に違ったそうだ。
地元のコミュニティに溶け込むことができないまま半年ほど暮らして見たけれど、寂しさと閉塞感が湧いてきて、ひっそりと都会に舞い戻ることに。
あとから振り返ってみると、同じ村でもエリアによっては受け入れ方にも温度差があったことと、Sさん自身も積極的に地元のコミュ二ティに入っていくという気持ちが持てなかったことが原因だったようだ。
事前に何度も通ってみたり、地元の自治体に相談するといった準備も不足していたことも残念な結果を招いた原因だろう。