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2015年11月16日 安藤“アン”誠起

『まるで留学キャンプ』体験リポート

自分の住んでいる地域には、まだ気づいてない魅力的なスポットが数多く埋もれている。そんな“当たり前のニッポン(地元の豊かさや強さ)”を、外国人の視点を交えて再確認し、さらに彼らと英語を使って一緒に楽しもうというのが、今回紹介する『まるで留学キャンプ』。イベントを主催するのは長野県塩尻市で活動する地元愛あふれる市民団体ゴー・グローカルだ。

そうはいっても、この『まるで留学キャンプ』、2泊3日も外国人と一緒に過ごすって大丈夫? 英語力も不安なので、ちょっぴりドキドキ、それでもワクワク。さてさて、何が起こるのやら…。

ベースキャンプは再生民家

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今回、活動のベースキャンプとなるのは、塩尻市街からさらに車で30分ほどの緑豊かな洗馬(せば)エリアにある“柏茂(はくも)会館”。ここは、塩尻市が使われなくなった民家を買い取って再利用した施設なのだ。

必要なのは、目力、ジェスチャー、デカイ声!

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はじめにゴー・グローカルの代表・土屋みどりさんのご挨拶。
「英語を話すのに自信がない方は、キャンプに参加されて少し不安かもしれないですね。でも、英語に必要なのは、目力、ジェスチャー、それとデカイ声(笑)。完全な英語の文にしなくても、とにかくわかっている単語を口にするだけでも良いので、どんどん話してみてください。相手にわかってもらえなかったら、同じ事をもっと大きな声で言えばいいんですよ!」

なるほど、そう言われると、何だかそんなに難しく考えなくてもイイ気がしてきたぞ。

ちなみに、今回の『まるで留学キャンプ』のプログラムは以下の通り。

Day1
○オリエンテーション
○自己紹介ワークショップ
○アメリカ出身者をリーダーにした調理実習

Day2
○興龍寺にて座禅会
○住職にQ&A
○昼食/信州蕎麦
○木曽堆朱の研ぎ出し体験
○奈良井宿(重要伝統的建造物群保存地区)を散策
○信州郷土料理の夕べ

Day3
○キャンプのまとめを英語でスピーチ
○野外バーベキュー
○閉会式

 

いざ、プログラムがスタート!

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最初のプログラムとなるのが“自己紹介ワークショップ”。正直、「英語で自己紹介?はじめからハードル高いなあ〜」と思った次第。ホントに大丈夫??
キャンプの英語顧問を努めるケルトン先生がルールを説明。どうやら、各個人が自分を紹介するキーワードを何個か紙に書き、それを他の人が当てるというゲーム形式のワークショップのようだ。

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例えば「28」と書いたら、それは「自分の年齢」かもしれないし、「この地に来た回数」かもしれない、「あるいは今のボーイorガールフレンドの数?」だったりして。また「Shiojiri」と書いたら、自分の出身地だけでなく、母親の出身地である可能性もあるし、あるいは日本で一番好きな場所かもしれない。それを英語で当てていくのだ。

ケルトン先生が見本を見せた後に(それが彼の自己紹介でもある)、いくつかのグループに分かれて皆でトライ!

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これ、やってみるとなかなか楽しい(この日の夜も、この続きをやって盛り上がったぐらい)。答えは英単語を言うだけでも良いので、英語力が必要なようで、案外そうでもない。知っている単語&ジェスチャーを使って、それなりに受け答えができちゃうのだ。

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何度かグループをシャッフルして一段落したところで、今度は皆で円となって、改めて自己紹介タイム。先ほどのワークショップのおかげで緊張感が薄れたせいか、うまく話せなくても、なんだか気が楽なのだ。それに何人かとは、すでにお互いの情報を共有できているので、時には外国人がフォローしてくれたりもして…。

 

テキサス料理を皆でクッキング

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一連の自己紹介タイムが終わったら、少し休憩して次のプログラム。今回はテキサス出身の参加者・コートニーがリーダーとなり、皆でテキサス風の料理を作るという。メニューはハンバーガー、チキングリル、ポテトサラダ、それと塩尻野菜を使ったスープ。3つのグループに分かれて、それぞれ野菜を切ったり、ゆでたジャガイモをつぶしたり、ハンバーグの肉をこねたり。

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キッチンでは「fry(焼く), mix(混ぜる), mash(ゆでた芋をつぶす)」など、調理英語が飛び交いながら、持ち場の調理を行っていく。料理のプログラムって効果的だなと思った。例えば、同じナイフを使って切るでも、peel(皮をむく), chop(みじん切りにする), slice(薄く切る)の違いを、実際に体験して覚えられちゃうのだ。料理は日常生活に密にリンクするので、今後も英語を学んでいくなら、かなり実践的かつ、活用度の高いプログラムになるはず。

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“こうすると、この留学キャンプをもっと活用できるのかな”と思ったのは、外国人が言ったことを復唱してみること。そのまま言ってもいいし、主語を変えてみてもいいと思う。例えば、「I’m kneading hamburger meat!(私はひき肉をこねている)」と言ったら、「You’re kneading hamburger meat!!」みたいにオウム返しで話してみる。そうすると、彼らが実際に使う表現がわかるだけでなく、それを自分で使う(話す)事もできる。この方法、オススメです!

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日本人と外国人が交互に座って、ディナー&英語トーク!

皆で協力し合って、1時間半ほどでディナーは完成!テーブルを囲み、できあがったハンバーガーにかぶりつく。パクパクムシャムシャ…。基本的に日本人、外国人、日本人、外国人…と交互に座り、ここでも英語トーク。「It’s yummy!(うまいね~)」「I like it!(これ、好き)」にはじまり、料理ネタやら、自己紹介の続きやら、旅行の話やら、ちょっとした身の上話やら…。こんな風に楽しい雰囲気だと、あまり英語を話せなくても、知ってる単語を何とか使って、自分から話そうとするんですね。

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「これ、英語で何て言うんだっけ?」という場合は、ケルトン先生や土屋さんをはじめ、キャンプには英語&日本語に精通したスタッフが在中しているので、彼らに聞いてもいい。そのシチュエーションで話したい言葉こそ、自分にとって必要な英語。そこで使うからこそ、一層英語が身につく。これもゴー・グローカルの基本コンセプトだ。

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〆のデザートはケルトン先生作のスペシャル・スィートパイ! その後も、自己紹介ゲームの続きをしたり、ジェスチャーゲームをしたり、ワイワイガヤガヤと、初日の夜は更けていくのであった。

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安藤“アン”誠起
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安藤“アン”誠起

安藤“アン”誠起旅と人、そしてクワガタを撮り続ける写真作家。 タレントや文化人のインタビュー撮影をはじめ、各雑誌やカタログでの撮影多数。一方で写真作家としても活動し、カブトムシ&クワガタやアウトドア関連の児童書、奄美群島・屋久島といった主に島旅系の撮影&執筆も数多く手がける。近年は野外でのフィールドワーク講座や、写真教室なども開催。総合情報サイト all aboutではカブトムシのガイドとして活躍。また、長野県塩尻市のCMC(チーフ・メディア・キュレーター)に就任し、メディアを活かした地方創生に積極的に取り組んでいる。 ■著書 『カブトムシ&クワガタ百科』(誠文堂新光社) 『日本と世界のカブトムシ クワガタの飼いかた』(実業之日本社)『カブトムシとクワガタ飼いかた&図鑑』(実業之日本社)
 『親子でアウトドアあそび』(主婦の友社) 『ネイチャーガイドと歩く屋久島』(実業之日本社)
など

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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