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2017年9月19日 奈良織恵

暦(こよみ)を感じて暮らすこと

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8月末に開催した「地域移住ラボフィールドイン和歌山」の中で、和歌山県田辺市に移住したゲストの方から「暦とおむすび」の話があったのがすごく印象に残っていて、最近、改めて「暦と暮らし」について考えてみています。

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暦とは?(Wikipediaより)

時間の流れを年・月・週・日といったといった単位にあてはめて数えるように体系づけたもの。さらに、そこで配当された各日ごとに、月齢、天体の出没(日の出・日の入、・月の出・月の入)の時刻)、潮汐(干満)の時刻などの予測値を記したり、曜日、行事、吉凶を記したものも含める。
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その移住者ゲストの方は、家のすぐ前に大きな木があって、その木との位置関係で、
「夏は太陽が真上を通る」「秋が近づくにつれて、だんだん確度が変わってきたな」
みたいなことを日々感じている、とのこと。

それを聞いて、素直に、単純に、
「あー、私は日々の暮らしの中で、太陽の軌道を意識することは皆無だな」
と気づかされてしまいました。

そうか、そういえば地球は太陽のまわりをまわっているのだった。
月は地球のまわりをまわっているのだった。
その、天体同士の位置関係をベースに、1年を365日にわけて、1日を24時間として、「時間」を刻む「時計」を頼りにして日々を暮らしているのだ。
学校で習ったけど、すっかり忘れていたし、意識はしてなかったな。

普段の私にとって、暦といえばGoogleカレンダー!
忘れてしまうことがないように、すべての予定をGoogleに入れて、1時間前にアラート出してもらって。合間時間にもTODOを詰め込んで。

天気も気温も、窓を開けてみれば分かるのに、横着してそれをせずに、スマホをみて、
「あ、今日は雨だな」とか「寒そうだから上着持っていこう」とか、意思決定をしています。

管理しているのか、管理されているのか分からない状態・・・

もちろん、東京で暮らしていても、ふと空を見上げて、「あ、今日は満月だなぁ」と気づくことはあるし、季節の変わり目に「暑くなってきたなぁ」「今日は涼しいなぁ」と感じることはある。

でもその頻度が少なく、たま~にある「ふとした瞬間」だけなので、点になってしまっていて、線になっていない、「暦」としてつながっていないという感覚があります。
季節の変化、太陽の軌道の変化を、日々の中で少しずつ感じる習慣が失われているなと。

一方で、房総や遠野などに、定期的に通うからこそ感じる季節の変化というのもあります。

房総は、1~2週間に一度くらいのペースなのですが、行く度に、山の緑の感じが違っているのがよくわかります。シラハマ校舎のほったらかし菜園の雑草の成長具合とか、プラタナスの木の葉でできる木陰の大きさとか、蚊に刺される数とかで、意識せずとも季節を感じます。

遠野は、山菜の季節、田植えの季節、夏野菜の季節、稲刈りの季節など、もともと季節ごとのイベントで行くことが多いので、暮らしそのものが暦みたいな感覚です。

そもそも、お米づくりは年に1回しかできないし、育苗から脱穀までの年間作業カレンダー自体が、1年間の暦そのものといえるのかなと。
仮にあと30年やったとしても、30回しかチャレンジできない。

普段の仕事だと、「PDCAを早くまわそう」とかいっちゃうけど、自然の流れ、暦を考えると、あんまり目まぐるしいのもどうなんですかねー。

と、なんだか東京に疲れている人みたいな投稿になってしまいましたが(笑)、まあ、そんなこともなく元気です。ただ、年齢を重ねてきた中で、興味は確実にこっちの方に向かっているなと、感じてます。20代の頃はこんなこと、1ミリも考えなかったなー。
暦を感じる暮らしのつくり方、マイテーマのひとつです。

奈良織恵
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私が紹介しました

奈良織恵

奈良織恵横浜市出身、東京都港区と千葉県南房総市の2拠点生活。 両親とも東京生まれ東京育ちで、全く田舎のない状態で育ったが、父の岩手移住をきっかけに地方に通う楽しさ・豊かさに目覚める。2013年に「ココロココ」をスタートし、編集長に。 地方で面白い活動をする人を取材しつつ、自分自身も2拠点生活の中で新しいライフスタイルを模索中。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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