住まい、住宅支援
移住者に対して、住環境をサポートしてくれる自治体を数多い。サポートの方法にも様々なスタイルがあるので、条件などを確認するとともに最新の情報を集めることが大切になりそう。
■「空き家バンク」を活用してローコストで住まいを確保する
日本の社会は完全に住宅ストックが過剰な、つまり家が余っている状況になっていきている。過疎や高齢化によって居住人口現象に悩む地域には住み手のいなくなった「空き家」が増え、自治体の悩みの種となっている事も多い。定住人口の回復と、空き家活用の一石二鳥をねらって「空き家」を紹介・あっせんする事業をおこなっている自治体も増えている。
各自治体ではインターネットを通じて情報を提供しており、数百万円の土地付き一戸建て住宅や、家賃数万円からの掘り出し物件もみつかることがあるので、電気や水道など生活インフラの確認は必要になるが、ローコストで移住先の住まいを確保する手段として、まずはチェックしてみるといいだろう。
例えば綾部市のケースをみてみよう。 空き家はたくさんあっても、売却することや人に貸すことに対して抵抗感を覚える地元の人も多い。そこで、市と「里山ねっと・あやべ」も市と共同で田舎物件情報を提供している。スタッフを中心に、自分たちの住む地域での空き家情報を収集して、物件の紹介にあたっている。
子育て支援
小さな子どもがいるファミリー層の移住者に対して、子育て面でのサポートを行っている自治体も多い。子育てしやすい環境づくりを行うことで、定住人口の確保をはかろうというものだ。例えば、乳幼児や児童の医療費免除、保育料や学資手当の支給、おむつ代の助成金支給、修学旅行の交通費補助、出産の祝い金支給、小中学校入学時の祝い金支給など資金面での支援を行っている自治体が多く、そのスタイルもさまざまで複数のメニューを用意している自治体もある。子育て支援は都市部の自治体でも行っているが、地方自治体では特色を持った独自の試みを行っているケースも多いので注目しておきたい。
一方で、資金面以外でもソフト面での子育て支援を行う自治体も増えている。例えば北海道東神楽町では独自の子育てSNS「はなっぴぃ」を運営し、子育てに関する様々な情報を集めるとともに、親同士がお互いに助け合うことができる交流の場を設けている。また、岩手県奥州市では「子供の居場所」づくりに取り組んでいる。公共スペースを活用して小学生から高校生までが立ち寄れるフリースペースとして開放、さまざまな世代の子どもたちが一緒に活動することで社会性を育んでいける仕掛けを行っている。
子どもと一緒の移住、また移住先での出産や子育てを考えているのなら、こうした支援制度についてもうまく活用してみよう。