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【東京×地域】Youth Action School
(1限目/ゲスト:巡の環 信岡良亮さん) イベントレポート

このイベントは終了しました

東京に居ながら全国の「地域」に触れる場として企画された「【東京×地域】Youth Action School」。
地域に関わる仕事や生き方に関心がある学生の皆さんを対象に、毎月開催が予定されている。

1限目のゲストは、島根県隠岐郡海士町(あまちょう)にIターンをし、株式会社巡の環を起業した信岡良亮さん。都市と地方の関係を中心に、島の学びを学生の皆さんと共有した。

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【働くということ】

参加した12人の学生は、大学1年生を中心に商学部、政治経済学部、農学部など専攻はバラバラ。地方出身者が多く、大学卒業後は地元に戻り就職する方法を探っている参加者も見られた。

第一部は、まず信岡さんが自身の経歴を話し、なぜ海士町にIターンをしたのか、株式会社巡の環を起業した想いを伝えた。

信岡さんは東京で就職し、働いても働いても物事の循環がうまくいっていないことに気づき、2007年6月に退社。小さな経済でこそ持続可能な未来が見えるのではないかと、海士町に移住した。小さくても、よりよい未来へ先導する「日本のタグボートになろう」と2008年に株式会社巡の環を仲間と共に企業。

現在巡の環は、島の伝統文化を伝え、企業研修や学習授業を行ったり、AMAカフェを開いたりして活動している。

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【都市と地方との関係】

6年半の島生活を経て、2014年5月より東京に活動拠点を移した信岡さん。現在は都市と農村の新しい関係である「都市農村学」を模索していることと、その内容を参加者に説明した。

「都市農村学」は、これまでの「都市が経済的生産をしているから、経済的に赤字になったりしている地方より偉い」というような価値観ではなく、よりよい両者の関係をどのように築くかを考える学問。信岡さんは「どちらが偉いという話ではなく、人を育て都市に送り出している田舎(=母親的存在)と、お金を稼いでいる都市(=父親的存在)の両者が、どのように日本という家族を運営していくかを考えなければいけない」と言う。

信岡さんは、エコロジーとエコノミーという観点を踏まえて、都市と地方の現状に至った経緯をサッカーのポジションや家族に例えて説明した。
その中で、かっこいいだとかダサいという「価値観」という概念が都市と地方の格差をつくっていたということが、参加者に新鮮に響いたようであった。

第二部は「人口2300人の島から見えてきた、次の日本に必要な力」と題して、エコロジーとエコノミーとのコミュニケーションの違いを体感するワークショップが開かれた。

このワークショップは企業研修にも使われており、3グループに別れ、「対話」と「議論」との違いについて話し合うというもの。15分ほどグループで話し合った後、各グループそれぞれの見解を発表した。

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最後に、各グループの代表者が前に出て信岡さんの話やワークショップを通じての感想を発表。

「何のために働いているのか分からなくなって会社を辞めて企業したのがすごい」、「都市がかっこいいとか田舎がかっこいいっていう価値観の流れが交互に起これば面白くなるんじゃないかと思った」、「エコロジーとエコノミーの違いの問題は、普段の生活の中でもあることなので気をつけたい」と、信岡さんの話がこれからの選択に大いに刺激になり、信岡さんの伝えたいこともしっかりと学生の皆さんに伝わったようだ。

Youth Action School後は交流会が開かれ、学生の皆さんは信岡さんに質問したり、今回のワークショップを通じての感想や気づきを互いに共有したりしていた。

イベントの最後には、信岡さんの著書『僕たちは島で、未来を見ることにした』が2名にプレゼントされる特典もあり、信岡さんとのじゃんけんが盛り上がった。

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ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

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