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2016年11月9日 ココロココ編集部

はじまりは南房総から!「ローカルビジネス拠点を作る ブートキャンプ」イベントレポート

2016年9月10日・11日、10月1日の計3日間にわたって「ローカルビジネス拠点を作る ブートキャンプ」が行われました。東京から高速バスで片道90分。往復しても交通費5,000円以内に収まる千葉県南房総市は、2拠点居住やローカルビジネスのスタートアップ、パラレルキャリアを行う場所として注目されている地域です。

今年度、南房総市とココロココ編集部が連携し、南房総市の地域課題解決と新しいローカルビジネス拠点の創出を目指して「ブートキャンプ」を実施することになりました。3日間の様子をレポートします!

9月10日レポート

■9月10日午前 「ローカルビジネス講座」スタート!!

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南房総市でローカルビジネスプランを考えるブートキャンプがいよいよスタート!参加者は房総半島に住む現役の大学院生から南房総市が地元の方や房総半島でサイクリングを楽しんでいる方、すでに東京と二拠点生活をはじめ、今後南房総で何かしたい!と考えている方、そして遥々、新潟県から来た方まで。多様なバックグラウンドを持った10人の参加者たちは、”これから何かを始めるきっかけ”を見つけに南房総市にやってきました。

自己紹介をした後は、早速「ローカルビジネス講座」がスタート!今、南房総市が抱える課題や超高齢化社会、人口減少の一途をたどる現状、市の特産や産業などの概要について南房総市からプレゼンがありました。その後は、今回のブートキャンプの講師である、一般社団法人村楽の東大史さんから「脱・東京ビジネス概論」として地方で仕事をするための知識を、合同会社HAPONの永森昌志さんからは、実際に南房総と東京を行き来する暮らしについて実体験を交えてお話してくださいました。

 

■9月10日午後 空き公共施設等のフィールドワーク

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 午後からは、市内の中でも東京圏からの距離が特に近い内房地区の施設巡り。内房の海に面した「原岡市営住宅」、廃校になって間もない「旧・岩井小学校」、大正時代に隆盛を迎えた「岩井民宿街」の3ヶ所をビジネス構想の拠点としたフィールドワーク!施設を巡りながら「ここはカフェに使えそう!」「地図で見た感じより、海が近いんだ!」と現場を実際に見に行くからこそ分かることを実感されていました。また、各施設の状態、使用範囲を南房総市の職員に熱心に質問し、アイデアを膨らませていきます。

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見学の後は、フィールドワークでわかったこと・感じたことを共有するワークショップが行われました。膨らませたアイデアと施設の惹かれたポイントをワークシートに記入し、気付いたことを全員で共有。その後、「岩井民宿街チーム」「原岡市営住宅チーム」「旧・岩井小学校チーム」と、ブートキャンプでビジネスプランを考えたい遊休不動産ごとにチームに分かれました。初日の講義・フィールドワークはここまで!

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夕食は、楽しいBBQの時間となりました。

 

9月10日レポート

■9月11日午前 廃校舎をリノベーションした「シラハマ校舎」を見学

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2日目は白浜地区にある廃校になった小学校をサテライトオフィスにリノベーション中の「シラハマ校舎」に行ってきました。施設を運営される多田朋和さんに施設について説明を受け、参加者の皆さんからは「資金はどうしているのか?」「古い施設を使う上で、耐震、防火対策はどうしているのか?」などとても具体的且つ経営的視点からの質問をされていました。

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■9月11日午後 チームで遊休不動産の活用プランを考える

 その後は南房総市役所に場所を移し、「一般社団法人村楽」の東さんから「ビジネスモデル」についての講座が行われました。ワークシートを使って行われたこの講座では、事業のコンセプト(概念)・ターゲット(対象)・バリュー(価値)・プロフィット(利益)・リソース(資源)の5項目を考え、ビジネスプランを組み立てていきました。

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悩みながら各項目を書き終えた人もいれば、スラスラと書いてしまう人も。自分のアイデアを各項目に当てはめて書くことで、これから企画に落とし込む上で考えが足りているポイント、不足しているポイントを見つけることができたようです。

 

■次回10月1日はビジネスプラン発表会!各チームでアイデアを煮詰める期間

ブートキャンプ初回の2日間はここまで。2回目ではビジネスプランの発表会があります。各チーム、遠隔地にいるメンバーとネットを使って意見交換をしたり、都内に集まって会議をしたりと、発表会に向けてプランを仕上げることに余念がありません。

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10月1日レポート

■10月1日午前 発表プランのブラッュアップ

3週間の期間を経て、参加者の皆さんは再び南房総市役所に集まりました。

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午後の最終発表会に向け、準備も追い込み!あるチームは、プレゼンの時間内で発表をするための練習を重ね、あるチームはお昼を食べながら最終の打ち合わせをしていました。それぞれのチームの発表が楽しみです!

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■10月1日午後 いよいよ発表会!

 午後からはいよいよ発表会!南房総市内の空き公共施設を使ったビジネスプランの発表が行われました。参加者は、「岩井民宿街チーム」「原岡住宅チーム」「旧・岩井小学校チーム」の3つに分れています。

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 1番手は、「岩井民宿街」チーム。
アクアラインの開通により日帰りで南房総市に遊びに来る、市外の人たちをターゲットした施策となっています。元々、部活動や学校行事の合宿先として発展してきた「岩井民宿街」ですが、現在は、前述の通り、アクアラインを使えば日帰りで遊びに来ることができ、民宿に宿泊する機会は少なくなってたりとニーズが変化しています。また、少子化、後継者問題など民宿を取り巻く環境も変化し、将来、廃業が見込まれる民宿が増えることが予想されます。この課題に対し、チームは日帰り客をターゲットに、多種多様な店舗を揃えたり、観光客が訪れる場所を海側だけでなく、豊かな里山にも誘導するようにしたりと、リピートしたくなるような場所へと作り変えること。市外と市内のコミュニケーションを活発にすることで、経済を回すことを考えたプランでした。

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 2番手は、「原岡市営住宅チーム」。
「ロングステイ型インキュベーションスペース」として、1次産業(漁業)・再生可能エネルギー事業・健康福祉産業・滞在観光レジャー産業を組み合わせたプランを発表。実現されれば地元の資源をフル活用し、スペースと地元の人たちの関わりを作る場となりそうです。

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そして最後は「旧・岩井小学校チーム」。
小学校だった各施設を、複合施設ととらえ、市外から来た人、市内の人も集えるスペースとなるようなプランでした。地元の人が使えるような映画館、忘年会や同窓会で使える、地元食材を使ったカフェ&ダイナー。他にもサテライトオフィスやペットと一緒に旅行を楽しむ人をターゲットにドッグラン&アジリティー(犬の障害物競争)など、幅広く利用することを提案されました。

 

南房総市ではじめるビジネスのきっかけに

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南房総市でローカルビジネスプランを考える3日間のブートキャンプは無事終了しました。はじめて南房総市に来た人はもちろん、南房総市を訪れたことがある人も深く南房総市を知る3日間となりました。参加者各々の視点と遊休不動産が掛け合わされて生まれたアイデアは、南房総市の未来をイメージさせるものでした。今後は、今回の3つのプランを市役所で検討し、近い将来、もしかしたら(!?)この企画のどれかが実現されるかもしれません、とのことでした。

南房総市ではじめるビジネスのきっかけ「ブートキャンプ」はこれにて終了です!

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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