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2017年10月15日 ココロココ編集部

南房総2拠点大学キックオフイベント【イベントレポート】

9/21(木)、南房総2拠点大学キックオフイベント「小商い?廃校活用?メディア? 南房総ローカルビジネス論」が東京の新宿HAPONで開催されました。
南房総市では現在、空き施設や古民家を活用したサテライトオフィスや宿泊施設ができはじめ、新しい「仕事の形」を模索する人たちが集まりつつあります。このイベントでは、南房総や他の地域で既にローカルビジネスをされている三人のゲストをお呼びし、それぞれのご活動とそこに至るまでの経緯について、お話いただきました。今回はその様子をご紹介します!

参加者同士の自己紹介タイム

イベント当日、会場には約30名ほどの参加者がいらっしゃいました。まずは近くの席の方とお互いに自己紹介からスタートです。

出身地トークやイベントの参加理由などのお話で盛り上がり、会場は和やかな雰囲気になりました。

南房総市の魅力や取り組み

まずは、南房総市役所の金井さんから、南房総市の魅力についてお話いただきました。

自然が豊かな土地にも関わらず、東京から日帰りで行き来できるので、2居住地域として利用される方が増えてきています。高速バスやアクアラインなど交通の便も良いため、土日や休暇を利用して訪れる方も多いとのこと。

皇室に献上するビワや伊勢エビ(房総エビ)、アワビなどの特産物も豊富で移住にうってつけの環境です。

ゲストトーク

南房総や他の地域で既にローカルビジネスをされているゲスト3名による、ローカルビジネスの実情や今のビジネスモデルが確立されるまでの経緯、ご経験などをお話しいただきました。

・丹埜倫さん(株式会社R.project代表取締役)
お一人目は2006年に株式会社R.projectを設立され、現在は千葉県内外の7つの市町村で合宿事業を展開されている丹埜さん。ご自身が中学校時代に通った千葉県鋸南町の保田臨海学校を千代田区から譲り受け、リノベーションの末に「サンセットブリーズ」という人気合宿施設として再生されました。

丹埜さんが今のビジネスモデルのヒントになったと語るのは、大学時代に経験したスポーツ合宿での出来事。スカッシュに熱中していた丹埜さんは、100人程の部員で民宿に4泊した際に、大学の合宿係が民宿のおばちゃんに300万円の現金を手渡していた光景を目にして衝撃を受けました。
単価も安く、学生相手の事業にも関わらず300万円という金額が古い民宿に払われていることに大きなギャップを感じたとのことです。

新しい事業モデルを模索していた時期に、その時の記憶が蘇り、千代田区が保有していた保田臨海学校が閉鎖されるというタイミングも相まって、施設運営事業に踏み切った丹埜さん。その後は順調に事業を拡大され、2015年からは訪日観光客向けのバジェットトラベル事業も開始。日本橋横山町、日本橋馬喰町、葛飾区柴又で3つの施設を展開されています。

・寺川広貴さん(株式会社DIGLEE代表取締役)
2015年に東京の本社機能と販売店「Sweets Concierge(スイーツコンシェルジュ)」を残し、工場など大半の機能を南房総に移転されたという寺川さん。自らも2拠点生活を送られているという寺川さんの、ビジネスを見極める視点や移転後のエピソードをお伺いしました。

企業の地方移転には、当然ながら従業員の地方移住が伴います。特に家族を持っている従業員にとっては大きな決断になりますが、実際は全従業員の15%が南房総に移住してくれたそうです。
以前から会社のビジョンを共有できていたことに加え、東京から比較的近いということや、のほほんとした地域の空気が従業員の移住を後押ししてくれたと寺川さんは語ります。

残る従業員85%については、地元の「高齢者・障がい者」を積極的に雇用されました。仕事の仕組みを単純化したり、仕事の割り振りを工夫して、雇用に関しても大きな問題はなかったとのこと。南房総市は就業希望者のうち高齢者が3分の1を占めているという状況のため、雇用面でも地域の課題解決に繋がっていますね。

・東洋平さん(無印良品ローカルニッポンライター/南房総市クラウドソーシング事業講師)
現在、無印良品の公式オウンドメディアである「ローカルニッポン」というサイトの南房総地域の担当されている東さん。
地域活性化はもちろんのこと、都心で窮屈な思いをしている友人が多くいたため、南房総の豊かな自然環境を活用してなにかできないかと考えていたこともあり、2011年に南房総への移住を決意したとのことです。

これまで80本以上の取材記事を執筆され、南房総の中でも幅広い人脈を持っている東さん。地域で小商いを実施されている方々の事例をたくさんご紹介いただきました。
ご自身も、お米の自家栽培や音楽活動など多岐にわたる試みをされているとのことです。10月、11月に開催される現地講座イベントでは、メディアコース(南房総を舞台にローカルメディアをつくり、自走させることを学びます。)のメンターとしてご参加いただきます。

トークセッション

さて、ゲストトークのあとはゲストのお三方のトークセッションです。南房総でローカルビジネスをスタートした際の住居の問題や、2拠点生活での都心との行き来に関してなど、リアルなお話をたくさんお伺いすることができました。 特に印象的だったのは、イベント参加者から「ビジネスの種の見つけ方」を質問された丹埜さんが回答された、「一般論で考えると人が気づいていないようなビジネスは見つけられないので、固定観念は持たないように意識している」というお話です。

合宿施設運営という業界で、既にある仕組みから新しい事業モデルを確立し、成功されている丹埜さんのお話には説得力を感じますね。

南房総の食材を使って懇親会!

本編終了後は、ケータリングをいただきながらの懇親会。気になるメニューは、南房総「やぎ農園」さんが生産されたオクラやにんにく、生姜、空心菜などを使用した「カレー」。美味しくいただきました。

南房総2拠点大学キックオフイベントを終えて、実際にローカルビジネスを検討されている方や地域課題の解決に興味のある方などにとって非常に「リアル」で新鮮な情報が盛りだくさんだったように感じます。

次回はぜひ、実際に南房総に足を運んでリアルな空気を感じ、働くこと・暮らすことについて考えてみてはいかがでしょうか。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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