『南房総2拠点大学』現地講座イベントレポート【前編】

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10/21(土)と11/11(土)の全2回、南房総市で『南房総2拠点大学』現地講座が開催されました。
南房総市では現在、空き施設や古民家を活用したサテライトオフィスや宿泊施設ができはじめ、新しい「仕事の形」を模索する人たちが集まりつつあります。このイベントでは、ローカルビジネスを「小商い」コース、「社会起業」コース、「メディア」コースの3つに分け、参加者それぞれのニーズにあったビジネスを学び、新たなアイデアを考えました。
今回はその様子を2回に分けてご紹介します!

南房総市に集合!「旧平郡保育所」でオリエンテーション

■10:00 「道の駅富楽里とみやま」に集合

小雨降る中、朝から活気のある道の駅に続々と参加者が集まりました。そこから車で10分ほど走り、富山エリアにある「旧平郡(へぐり)保育所」に移動します。2016年度3月まで保育所として利用された後、現在は「おためしサテライトオフィス」として活用されている施設です。

■10:30 オリエンテーション

旧平郡保育所で参加者同士の顔合わせ

本講座の前に、保育所内でオリエンテーションを受けました。はじめに、南房総市役所の金井さんと根形さんから市の紹介がありました。観光・特産品の情報や、データで見る南房総市について聞き、理解を深めます。講座のタイムスケジュールの確認や、各コースの講師紹介が続きます。
その後はいよいよコース開始です!参加者は「小商い」コース、「社会起業」コース、「メディア」コースのうち、事前に希望していたコースに分かれてそれぞれの会場に向かいます。

■11:15~19:30 コースごとの講座

 

小商いコース

副業から気軽にはじめる仕事づくりを学ぶ「小商いコース」は、まず現場視察ということで、市内で小商いを実践している2名の方のお宅へ行きお話を伺いました。

1人目は、メダカ養殖を行う原さん。

自宅でメダカ養殖をしている原さん

原さんはご自宅の庭や畑に発泡スチロールの容器、ビニールシートを活用した池を設置し、さまざまな種類のメダカの養殖を行っています。

ビニールシートを利用した養殖池

生活の負担にならない、ほとんど自然に任せる程度の世話をすることで、小商いを楽しんでいるようでした。

2人目は、自宅の庭でハーブや珍しい野菜を育てる柴田さんです。

柴田さんの話を聞く参加者

柴田さんは「ショップフィールド」というサイトを自分で作成し、栽培したハーブや野菜などを販売する小商いを行っていました。

普通のハーブや野菜を育てるのではなく、希少価値のある、他に誰も作っていないようなものを育てることで、少ない生産量でも生活できる工夫をしています。

続いて、このコースのメインである講座を行うため、古民家をリノベーションした「ヤマナハウス」に移動しました。
まずは昼食を取りながら、参加者・講師・スタッフ全員で車座になっての自己紹介タイム。

輪になって自己紹介タイム。距離も縮まります。

前職での経験を活かした小商いやお店を始めたい方、DYI上級者の2拠点居住者など、個性と思いを持ったメンバーが集まりました。

続いて、このコースの講師をしていただいている、伊藤洋志さんに「小商いの始め方」について講座を行っていただきました。伊藤さんは、各地で床を張るワークショップを開催したり、モンゴル武者修行ツアーを企画したりと、さまざまな「ナリワイ」で生計を立てている、まさに小商いのプロです。

伊藤さんによる講義。参加者も真剣に聞き入ります。

講義のあとは、伊藤さん作成の小商いシートを使って、参加者一人一人が自分の考えている小商いモデルを作成しました。

意見交換をしながら小商いモデルを作成

そして参加者一人一人の「経営会議」を行い、小商いモデルをブラッシュアップしていきます。あっという間に日が暮れ、続きはDAY2へ続くことになります。講座の最後には、次回までに何らかのアクションを起こすことが課されました。参加者の皆さんのアイデアが実際に形になるのが楽しみです!

 

社会起業コース

地域資源や課題を活かした起業を考える「社会起業コース」。はじめに南房総市商工課の根形さんの案内で、富山(とみやま)エリアの観光や農業に関連する場所を回りました。

まず訪れたのは、岩井海岸沿いに広がる「岩井民宿街」。後継者問題に悩む民宿も少なくないといいます。民宿街を歩いていると、海からの強風を防ぐためか、生垣が高い住宅がちらほらと見られました。

住宅と同じくらいの高さの生垣

次に行ったのは「富山農産物加工施設」。中を見ることはできませんでしたが、施設の前で根形さんから説明があり、参加者は活発に質問していました。

根形さん(写真中央)から話を聞く参加者

旧平群保育所に戻ってお昼休憩をはさんだあとは、いよいよ講義とグループワークに移ります。

根形さんからは、市の農業と観光、そして獣害について講義を受けました。近年農家を悩ませているのが、動物による農作物などへの被害、獣害(じゅうがい)だといいます。特に多いのはイノシシによる被害。地元からの参加者いわく、夜に山道を運転していると子連れのイノシシに出くわすこともあるとか。

続いて、南房総市地域おこし協力隊員の瀬戸川賢二さんと、「一般社団法人村楽」の東(あずま)大史さんによる講義です。

インバウンド観光担当の瀬戸川さんからは、ご自身が立ち上げた「南房総サイクルツーリズム協会」の事例から、南房総での観光を考えるフレームワークを教わりました。

南房総サイクルツーリズム協会の瀬戸川さん(右)

地方を舞台に数々のプロジェクトの立ち上げに関わってきた東さんには、社会起業の先進事例を紹介していただきました。夢はあるけれど競争が激しい市場経済向けの商品と、地味ながら経営の安定に貢献する非市場経済向けの商品を組み合わせることが、イノベーションの鍵になるのだといいます。

講義のあとは「観光」「農業」「獣害」の3つのチームに分かれ、用意されたワークシートを使って、各分野の課題と南房総でのソーシャルビジネスを考えます。

各チームを回ってアドバイスする東さん

はじめは「社会起業ってなんだ?」と、いまいちイメージがつかみにくい様子の各チームでしたが、徐々に議論が盛り上がります。この日のうちにかなり詳細なところまでアイデアを詰めていたチームも。「これは絶対いける!」という声も聞こえてきました。

ワークシートを使ってアイデアをたくさん挙げています

 

メディアコース

ローカルメディアについて学ぶ「メディアコース」は、バスに揺られて房総半島南端のサテライトオフィス「シラハマ校舎」へ。

まずは、ゲストである影山裕樹さんと東洋平さんのお二人による講義を受けました。

影山さんの講義

雑誌やウェブマガジンの編集をはじめ、アートフェスティバルの企画・ディレクションなど幅広く活動されている影山さんからは、全国におけるローカルメディア 事例を。無印良品のサイト「ローカルニッポン」で南房総エリア担当のライターである東さんからは、南房総でうまれている地域の課題ソリューション事例を紹介していただきました。

そしてそのあとはA・Bの2チームにわかれ、南房総におけるローカルメディアについてアイデア出しに挑戦。
ここでは、「メディアカード」「房総カード」なるものが登場しました!

メディア機能を持つアイテムが載った赤の「メディアカード」と、房総半島をイメージさせるアイコンが載った青の「房総カード」。これらを机の上いっぱいに広げ、互いを自由にかけ合わせていくことで、よりクリエイティブなアイデアがうまれることが期待されます。

カードを使ってアイデアを掛け算!

そうしてカードを参考にしながら、両チームが考えたアイデアにはこんなものが。

Aチーム
野良猫や野良犬が多く、それらのほとんどが殺処分されてしまうという地域課題に対し、動物に癒しを求める人たちとのマッチングができないだろうかという提案。「ゲストハウス」×「ペット」というカードの組み合わせがヒントのアイデアだそうです。

Bチーム
お祭り行事の多い房総の楽しさを、地域の人だけでなく、地域の外から来た人とも共有できるような仕組みづくりを考えてみたいとのこと。「スタンプラリー」×「祭礼」の組み合わせからひらめいたようです。

カードがあることで、会話にもきっかけができやすくなり、みなさん盛り上がっていた様子でした。

2日目の全体発表に続きます!

■19:30 解散

最後に講師からの講評と、次回に向けたアドバイスをもらってこの日の講座は終了しました。どのコースの参加者も、時間いっぱいひたすら頭を使って、これからの南房総でどんなものを生み出したいか考えていました。3週間後に行われる第2回までに、この日練ったビジネスモデルを形にし、参加者全員の前で発表します。
全体発表会ではどんなアイデアが披露されたのでしょうか?後編に続きます。

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ココロココ編集部

ココロココ編集部cocolococo

ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。
目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。
東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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