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2016年5月2日 ココロココ編集部

「美波クリエイターズスクール(MCS)」の日々―地方で成長する4ヶ月間を語る―

徳島県美波町にある「株式会社あわえ」が主催する、地域クリエイター育成のための「美波クリエイターズスクール(MCS)」。
多数の応募者のなかから選ばれて入校した1期生、2期生を社会に送り出し、いよいよ3期生の募集がはじまった。

具体的にどんな活動をするのか、美波町での生活はどのようなものなのか。卒業した先輩たちの活躍も知りたい。 そんな声に応えて、2期生と講師が原点となる「初音湯」に集合。企画で生みの苦しみを味わった話から、居酒屋のおばちゃんとの心温まるエピソードまで、思い出話で盛り上がりつつ当時の活動や暮らしを振り返った。

「美波クリエイターズスクール」座談会メンバーのご紹介

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写真左側より

吉田和史さん(講師)
東京から生まれ育った徳島県にUターンし、株式会社あわえに入社。MCSでは「地域ブランド発信アドバイザーコース」の講師を担当。

山下拓未さん
(株)あわえ創業メンバー。海がきれいで人との関わりが深い美波町に惹かれ移住。MCSを含め、会社の総合的な運営を担当。

村松千歳さん(2期生)
東京で図書館司書をしていたが、「東京に住まなくてもいいのでは」と思い退職。MCS2期生としてまったくのIT素人ながら「WEB技術者コース」に参加し、卒業。現在、(株)あわえの広報を担当。

小川佑真さん(2期生)
奈良県出身。建築会社を退職後、MCS2期生に応募し「地域ブランド発信アドバイザーコース」に参加。卒業後は(株)あわえに入社し、ブランド地鶏、阿波尾鶏を扱うレストラン「odori」のプランナーを務める。

小林武喜さん(講師)
大阪のクラウドシステム開発会社鈴木商店の徳島クラウドオフィス美雲屋に勤務。MCSでは「WEB技術者コース」の講師を担当。

【スペシャルゲスト】
はなちゃん(猫)
ご近所の飼い猫。毎日のように遊びにやってくる。株式会社あわえ名誉会長でもある。

 

受け身の勉強ではなく、オンジョブで学んでいく

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—MCSではどのような勉強や活動をしていたのですか。

村松:私は、WEBに関する知識がなかったので習得できたらいろいろ役に立つだろうと思って「WEB技術者コース」を選んだのですが、一人で作業するよりもみんなでいろんなアイデアを出し合って一つのサイトを作り上げる過程が面白かったです。

小林:MCSの講師を担当することになってまず悩んだのが、WEBの技術や考え方をどうやって教えようかということ。それで、いろいろ考えたあげく、仕事をやりながら学んだほうが早いと思ったんよね。そこで、うちの会社に必要な人材募集サイトを立ち上げることをミッションにして、僕はその制作をフォローしながらWEB技術を学んでもらうことにした。

村松:私たちは5人のチームで一つのサイトの企画から制作までを手がけたわけですが、みんなそれぞれ違うバックボーンを持っていたので、5人のいいところを寄せ集めて作れたと思います。

小林:例えば、企画を提案するには議事録をちゃんと取ったり分析したりする作業が実はすごく重要なことなんよ。村松さんはそれが得意やったなぁ。

村松:企画の提案といえば、定期的にやっていた鈴木商店の社長へのプレゼンテーション。あれは緊張しました。

吉田:そうして出来上がったのが、「エンジニア診断モンスター」。鈴木商店に興味を持った人が質問に答えていって最終的に適性診断できる。

村松:昔のテレビゲームのようなピコピコ音が鳴るところがポイントです(笑)。

エンジニア診断モンスターをやってみる

 

「食」を通して、地域とつながる

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—美波町で暮らしてみた印象は?

村松:たまに漁師さんのたまり場「屯所」に呼んでもらって、おいしい魚や鍋をごちそうになるのがすごく楽しかった。美波町は漁師の町だから、たまにどっさり魚を差し入れしてくれたよね。

小川:僕が今もほぼ毎日昼ご飯を食べに通っているのが、平和園。もともとは飲み屋なのでランチはやってなかったのに、僕たちがMCS生として来ることを知って、「若い子にちゃんと食べさせないかん」とランチを始めたそうで。体調が悪い日なんかは、おばちゃんがメニューにないのに体にやさしそうな定食を出してくれる。

山下:息子みたいだね。

小川:おばちゃんが「あんたらが食べられんのはかわいそうやから、毎日お店を開ける」と言ってくれて。なんかぐっときたんですけど、さすがに週に一日は休んでほしいとお願いしました(笑)。

村松:女子としては、ミスドのドーナツが食べたくなってもすぐに手に入らなかったのがたまに辛かったけど、最近、近くにスイーツのお店ができたので喜んでる。

小川:食に関しては、夜も困らんかったなぁ。MCS生は2人1組で3LDKの部屋に住むんですよ。僕のルームメイトが飲食業の出身だから、うまい酒のアテを作ってくれて。17時にMCSを終えて帰ったら、リビングで酒を飲みつつ2人で話してたね、それこそ寝る5分前まで(笑)。

村松:そんなに仲良かったの!

 

チームで仕事を達成する経験が肥やしに

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—今、社会人になってあらためてMCSを振り返ると?

村松:メンバーの個性をうまく生かしながら、一つの仕事をやり遂げたこと。仕事においてのチームプレイって大事なんだなぁって実感しました。

小川:それに、活動を通じてメンバーに教わることがたくさんありました。阿波尾鶏を扱うレストラン「odori」の販促冊子を初めて作ったときは、編集やDTPの経験があるメンバーにいろいろ教えてもらって新鮮でした。 その冊子は、今後もあわえのメンバーとして僕が企画制作をやっていまきす。

村松:私たちは卒業後にあわえに入社しましたが、他の同期は、個性を磨きさらに可能性の幅を広げていろいろな職に就いています。WEBを通じて地域おこしの支援に取り組む会社やカーシェアの営業、もちろんコースで得た技術を直接生かしてWEBデザイナーになった子もいます。こうして社会で活動していけるのは、MCSで実践しつつ勉強できたことが大きかったと思います。

吉田:ちなみに、カリキュラムがないように思われがちなんやけど、実はみんなが知らないところでちゃんと考えて進めとったからな。

山下:わかりやすいカリキュラムを提示して進めていくとどうしても受け身になってしまう。逆に実践の過程では、真剣に取り組んでいる人ほど疑問がわいてきて、質問することで学び、習得できる。MCSでは、自発的に動ける人がいくらでも成長できるところです。それと、地域の小さなコミュニティや会社のなかで生きるには、コミュニケーション能力が必要です。これがほとんどと言ってもいいくらい。 だから、地域や周囲とのコミュニケーションを大事にできる人ならぜひ応募してほしいですね。

取材先

株式会社あわえ

住所:徳島県海部郡美波町日和佐浦114

http://www.awae.co.jp/

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ココロココ編集部ココロココでは、「地方と都市をつなぐ・つたえる」をコンセプトに、移住や交流のきっかけとなるコミュニティや体験、実際に移住して活躍されている方などをご紹介しています! 移住・交流を考える「ローカルシフト」イベントも定期的に開催。 目指すのは、「モノとおカネの交換」ではなく、「ココロとココロの交換」により、豊かな関係性を増やしていくこと。 東京の編集部ではありますが、常に「ローカル」を考えています。

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 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

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