自己紹介を兼ね、グループごとに時間内でレゴを積んで高さを競い合う。前回より天井が低めながら、工夫されたレゴタワーがそれぞれ完成。参加者に一体感が生まれ、これで一気にアイスブレイク。
第一部のローカルセッション、山中さんとのトークセッションに入る前に、まずは、回を重ねる度に思考が研ぎ澄まされたコーディネーター泉山(ココロココ副編集長)の総括から。
■2014年のローカルシフトを総括する7つのキーワード
- 地方移住もイロイロある。地方都市、田舎、島、被災地、、、それぞれの事情が違い、分けて議論する必要がある。
- 各地のメリット、デメリットがある。福岡は空港や田舎が近い。京都は町屋、文化が近い。富山は北陸新幹線、雪。ニア東京。
- 地方に移住するには、家ではなく、シゴトがネックになる。
- 結局、移住できているにはフリーランス。会社員はできるのか?
- 行き来する働き方は、移動の時間とお金のどうするか。
- 2地域居住は体力勝負。草むしり、家の管理、地域とのつながり。子どもを自然で育てながら、東京で働く。
- 里山はまさに自然の生態系で、自分が生きていくには、屠殺し、命をいただくこともある。そこで感じる命の大切さ。
といった各回のリアルな意見に基づいた総括となった。
移住の前段階をコミットする。次に、この総括をもとに、ゲストの山中さんとのディスカッション。
山中さんは、ご自身の経験から、移住のネックとなっている仕事の問題を解決すべく活動している。東京で地域活性に奔走している人たちが物理的な活動を一緒にできる環境を整え、移住手前でも地方にコミットして働くことのできる場所作りを目指している。
今まで、リタイア後の中高年層が多いと思われていた地域移住、実は、25歳から29歳が一番多いという統計だそう。仕事、結婚、子供等、様々な条件が移住を難しくしている現状があるようだ。
また、Uターン、Iターンの他に、Jターンというワードが。Uターン先での仕事や生活、育児の問題から、 その手前の地方都市へ移住するJターンが増えているとも。移住先に、最低限自分たちが楽しめるネットワークとインフラがあることが重要だ。
移住先での仕事も生活も分散しているソースを集積することで、新しい可能性が見えてきそう。
移住ボードゲーム作り!!続いて、おもちゃコンサルタントの安藤さんがボードゲームの奥深さを伝授。安藤さんは、普段は子供視線のまちづくりをされているまちづくりコンサルタントでもある。
まず最初に、安藤さんオススメのDixitというフランスのボードゲームを実際に行った。顔を合わせてコミュニケーションをとりながらできるボードゲーム、絵柄のシュールさと美しさも魅力の一つ。運と実力のバランスがきちんと考えられており、本当に奥深い。
そして、いよいよ移住ボードゲーム作りへ。
ルールとゲームの大枠は安藤さんがあらかじめ準備して下さっており、ワークショップでは、ゲームの勝敗条件、それぞれの居住地で得られる資源カードの内容、ゲーム内で就ける職業をグループごとに考えた。
今回のボードゲームのために用意された居住地は、東京、地方都市、田舎、村の4地点。22歳から40歳までの人生を、職業と居住地を選びながら進める。それぞれの居住地で得られる資源をカードで、転職に伴うリスクやトラブルもきちんと表現されており、ルール説明の段階からかなりワクワクするもの。
ゲームの勝敗条件を考えることはイコール自分たちが人生の中で何を求めているかということ。
周囲からリア充と評価されることなのか、お金なのか、資源なのか…。各グループごとに、シンプルなものから、数式を用いた複雑なものまで様々。
また、居住地ごとの資源カードの作成も東京と他の地域との違いを具体的にイメージする良い機会となった。
東京と村が比較的カードが作りやすいのに対し、地方都市と田舎は最後まで白紙のカードが残ってしまいがち。具体的なイメージができていない地域にはやはり移住がしにくいのかもしれない。ボードゲーム作り、プレイの前からかなり白熱した時間となった。
移住ボードゲームで繰り広げられる様々な人生移住ボードゲーム完成後は、食事を楽しみながら交流会。ワークショップの振り返りや普段の活動の話まで、会話は尽きない。
一層和やかな雰囲気になった会場で、いよいよ移住ボードゲームがいよいよスタート!23歳から40歳までの人生をロールプレイする。
ボードゲームの中では、結婚や転職それに伴う移住から、失業といったシビアなものまで様々。
同窓会の場面では、お互いがどんな人生を送っているのか紹介しあう。誰が一番魅力的な人生を送っているかを評価し、ポイントが加算されるチームも。みんな必死にアピールする。
移住ボードゲームが終了し、様々な人生を経験した参加者。現実の世界でも実現してほしいこと、絶対に現実になってほしくないこと等々…。参加者それぞれの感想を語っていたが、移住ボードゲームという新しい遊びに、目からうろこの様子だった。移住ボードゲームを体験することによって、モヤモヤしていた理想の地方への暮らしや働き方が具体的にロールプレイできて、イメージしやすいですね。