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2019年12月5日 岩手移住計画

「サステナブル」で岩手らしい暮らしを家族みんなで考える 岩手県移住交流体験ツアーレポート

沿岸部を縦断した第1弾 、県北部で地域に根ざした仕事を体験した第2弾に続いて、11月の3連休を利用し盛岡広域の八幡平(はちまんたい)市、雫石町(しずくいしちょう)、盛岡市をめぐる「岩手山を望む【岩手型サステナブル】のすすめ」を実施しました。今回はファミリー向けのモニターツアーということで首都圏在住者を中心に3世代のご家族やご夫婦、親子にご参加いただきました。このツアーを運営している岩手移住計画の手塚がご報告します(岩手県移住交流体験会ツアーは、みちのりトラベル東北、岩手移住計画が運営しています)。

持続可能なパーマカルチャーを実践する「ピネムの森」

2泊3日の旅のスタートは盛岡駅。東京駅から盛岡駅までは最速で2時間10分ほど。今回の訪問先となる八幡平市、雫石町はどちらも盛岡駅から車で1時間半以内の圏内にあり、岩手では「盛岡広域」エリアとして共通のパンフレットやサイトなども制作しています。

八幡平市で最初に訪問したのは、夫婦で移住しパーマカルチャーを実践する松本篤央さん・中村明子さんの「ピネムの森」。もとは民宿だった建物をリノベーションしそのまわりの土地も畑や屋外キッチンとして手入れをしている空間です。

松本さん夫婦が運営する「ピネムの森」

かわいらしいてづくりの看板

パーマカルチャーは、「永久の」という意味のパーマネント、「農業」のアグリカルチャー、そしてカルチャーを掛け合わせた言葉で、人と自然との持続可能なかかわり方を追及するデザイン手法やライフスタイルのこと。

参加者を案内する松本さん

参加者を案内する松本さん

松本さんは東日本大震災当時、東京電力に勤めるサラリーマンでした。福島第一原発事故でエネルギーや社会のあり方に疑問を感じるようになり、東京とは環境の異なる八幡平に暮らす知人のもとに通うようになったと言います。その後移住し2014~2017年は明子さんとともに八幡平市地域おこし協力隊として拠点づくりに取り組んできました。

松本さんは「収入は会社員時代の3分の1か4分の1くらいになったけど、とにかく幸せ」と今の暮らしについて語りました。一方で、「ピネムの森」で飲食業や宿泊業に挑戦しようとして疲弊してしまった経緯も紹介。参加者は、まさに体当たりで持続可能な暮らしを模索しながら実践してきた2人のお話に共感するところが多い様子でした。

外観からは想像もつかないほど色とりどりで鮮やかな室内に、参加者もうっとり。また、動物性たんぱく質を使わないビーガン料理の、想像を超えたおいしさと見た目の美しさに再びうっとりしながらランチをいただきました。八幡平市の移住施策担当者からも「生まれてからずっと住んでいても、八幡平でよかったと今も思います。最近は『スパルタキャンプ』をきっかけに八幡平に来た 若い人たちの起業も増えるなど市内で様々な動きがあります」と力強い八幡平推しのあいさつをいただきました。

ビーガン料理でランチ

ビーガン料理のランチ

馬との暮らしを体験し、岩手での生活を想像

続いても八幡平市地域おこし協力隊を経て地域で活動している移住者のもとへ。馬と暮らし、乗馬やホーストレッキングを通じて八幡平の自然の魅力を伝える「MATOWA(マトワ)」という活動をしている阿部文子さんです。

阿部文子さん

阿部文子さん

東京出身の阿部さんは、父親の出身地である盛岡で10代を過ごした後、アンティーク雑貨を買い付け輸入するなど海外経験も豊富。「様々な環境の地で過ごしましたが、八幡平は海外に引けを取らない美しい自然と文化があり、どんなに大変なことやつらいことがあってもそれを忘れさせてくれる美しい空が見られる」と雄大な自然の中で暮らす醍醐味を語りました。

初日は夏場に馬を放牧している「中の牧場」で馬とのふれあいを体験し、翌日朝は大人も子どもも乗馬を体験しました。

子どもたちは乗馬初挑戦

子どもたちは乗馬初挑戦

乗馬のあいまにはお茶を頂きながら阿部さんと交流。阿部さんのデザインで制作した地元の木材のカッティングボードを見せてもらったり、計画しているイベントなどについて教えてもらったりして、八幡平でのアクティブな暮らしに思いをめぐらせました。都会に比べると、用意されたエンターテインメントは少ない岩手ですが、阿部さんのお話を通じて、自分で企画し仲間を集めて一緒に楽しむ楽しさが参加者にも伝わったのではないでしょうか。

先輩移住者と雫石の自然を満喫

八幡平市を後にして雫石町へ。同町は盛岡市の西隣に位置していて通勤圏でもあります。小岩井農場や雫石スキー場などもあり、ペンション、民宿などの観光業や農林業が盛んです。岩手山を望むロケーションで暮らしながら会社勤めから自営業まで様々な働き方を実現できる地域です。

小岩井農場のエコツアーでは様々な自然と文化を実感

小岩井農場のエコツアーでは様々な自然と文化を実感

町内で、4年前このツアーに参加し雫石に移住した藤田香里さんと合流し、ランチへ。

藤田香里さん

藤田香里さん

看護師として働く藤田さんは、東日本大震災後に岩手県北観光(現在のみちのりトラベル東北)が実施していた、首都圏からのボランティアバスツアーに参加したことがきっかけで岩手を好きになった、と岩手との縁を紹介。「岩手の人のあたたかさや食の魅力を、来るたびに感じ岩手に住みたいと思うようになった」と振り返りました。

登山が趣味の藤田さん。ツアー参加をきっかけに「岩手山のふもとで暮らしたい」との思いを深め、町が主催する移住体験ツアーにも参加、その際に知り合った町の担当者にも相談するなどして、住宅や仕事を探し移住しました。

藤田さんおすすめの網張(あみはり)高原で「網張ビジターセンター」のガイドさんの案内のもと広葉樹の森を散策。雫石の木炭と南部鉄瓶で沸かしたお湯でお茶を頂きながら藤田さんの生活や休日の過ごし方をうかがいました。

晩秋の森でリフレッシュ

晩秋の森でリフレッシュ

藤田さんは「ツアーやイベントに参加して現地の人とつながることで、情報が手に入り人も紹介してもらえる」と参加者にアドバイスしてくれました。

移住促進に力を入れている雫石町は、移住者が暮らしやすい環境づくりのため「転入者応援カフェ」というつながりの場をつくっていて、この日はツアーに合わせて開催してくれました。首都圏から移り住んで20年以上というベテランから、盛岡から雫石への引っ越しを検討中という方まで20名近い方が参加。同町の地域おこし協力隊退任後も、家族で町内に暮らし、子育てをしている増谷光記さんたちのお話に耳を傾けました。

移住促進にも力を入れる雫石町の「転入者応援カフェ」

定住促進にも力を入れる雫石町の「転入者応援カフェ」

最終日は盛岡でも「先輩移住者」と交流。昨年、ツアーに参加し移住した植松夕紀子さん、三宅優子さんと一緒に市内の散策や「盛岡三大麺」のランチを楽しみました。

石川啄木愛が高じて移住した植松さんといっしょに盛岡城跡公園を散策

石川啄木愛が高じて移住した植松さんといっしょに盛岡城跡公園を散策

おふたりの移住体験談を聞いた後、スイーツを楽しみながら3日間の移住体験ツアーを振り返りました。

移住体験ツアーの振り返り

植松さん、三宅さんともにツアー訪問先で知り合った人とのつながりが移住後も続いていて、そこからネットワークが広がっているそうで、何の縁もない土地で人間関係を作ってきた実践者のお話を参加者の皆さんは熱心に聞き入っていました。

今年度のツアー最終回も参加者募集中!

今年度最終回となる「デザイン×地域資源ツアー」は2020年1月31日(金)の出発です。金曜日の夜、お仕事終わりの新幹線に飛び乗って、土日で岩手の冬の魅力を体験しながら、デザイナーとして活動する先輩移住者と一緒に岩手県南部をめぐりましょう。

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岩手移住計画

岩手移住計画岩手移住計画は、岩手にUターン・Iターンした人たちの暮らしをもっと楽しくするお手伝いをし、定住につなげていくために活動している任意団体です。県内各地で、「岩手移住(IJU)者交流会」と題したイベントを開催しているほか、岩手県などが主催するUIターンイベントにメンバーが参加し、移住希望者の相談にも対応しています。首都圏と岩手をつなぐ活動にも力を入れています。

人と風土の
物語を編む

 「風土」という言葉には、地形などの自然環境と、 文化・風習などの社会環境の両方が含まれます。 人々はその風土に根ざした生活を営み、 それぞれの地域に独自の文化や歴史を刻んでいます。

 過疎が進む中で、すべての風土を守り、 残していくことは不可能であり 時とともに消えていく風土もあるでしょう。 その一方で、外から移住してその土地に根付き、 風土を受け継ぎ、新しくつくっていく動きもあります。

人と風土の物語を編む